短Ⅲ21《交わり》9回
短Ⅲ21《交わり》9回
8回 20190327
私(南野孝之:みなみの・たかゆき:36歳)は森下聡史(もりした・さとし:37歳)と酒を酌み交わしながら、打ち合わせを進めます。場所は妻(南野佐智子:みなみの・さちこ:36歳)の希望で、自宅は避けました。佐智子としては、夫婦の寝室で他人に抱かれるのは嫌だという思いがあるようです。自宅から車で一時間半くらい走った所にある温泉旅館に一泊する事にしました。
〔いやぁ、なんか俺も緊張してきたよ。知り合いの奥さんとするなんて初めてだもんな・・。ところで、実際するにあたってさ、なんかNGとかあるのかな?〕
森下に言われて少しハッとします。私自身、他人のセックスなどAVでしか見たことが無く、どんな風にするかなどというのは未知の世界でした。
「NG? 普段なんか特殊な事でもしてるのか?」
〔いやぁ、そんなんじゃないけどさ、避妊は当然だとしても・・例えばいつも電気を暗くしてからするとかさ・・。〕
ちょっと肩透かしをくらったような気分です。それは、《何か自分とは違う特殊なプレイをしているなら、それも有りなんじゃないかな。》と、若干期待する部分があったからでした。
「そ、そうだな・・。特に無いよ。森下のやり方で進めてもらって、もしカミさんが嫌がったら、しないって感じでいいと思う。」
とにかく初めての経験なので、全ては当日、妻と森下に委せながら、成り行きで進めていけばいい・・そんな話でまとめます。当日までの一週間・・これほど長く感じる一週間は初めてだったと思いました。
妻の佐智子を森下に抱かせる、その決行の日までの一週間・・自分で望み、計画を練った事ながら、《本当に妻を抱かせて良いのか?・・どんな結末になるのか?・・》と、今更ながら不安と少しの後悔を感じています。それとともに、佐智子への愛しさを強く感じ、恋人時代のように毎晩妻を抱きました。
『ねぇ、森下さんとどんな風にすればいいのかな・・?』
妻がセックスの後にそんな質問をしてきます。
「・・そうだな・・普通で良いんじゃないか・・。」
『普通って? わたしはさ、タカくんとしかした事無いんだもん。普通ってどんなのよ?』
「そうだよな・・森下には佐智子が嫌がらない限りは任せるって話してあるからさ、俺とするように身を任せれば良いんじゃないかな・・。」
『うん・・でもなんだか緊張するよ・・裸になるんだもん・・タカくん以外に見られた事ないもんね・・太ってるとか思われたらどうしよう?』
《佐智子の裸体はすでに森下に写真で見せてあるんだよ・・。》と、思わず言いそうになるのを抑えました。 10回に続く
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