名G『愛してる・・』パート3
名G『愛してる・・』パート3
私の出張は土日を跨(また)ぐ事も多く、代休は有るのですが子供が出場するミニバスケットの試合を見に行く事も中々出来ず、次の日は久し振りに夫婦で見に行く事にしていたのですが、妻の玲奈が起こしてくれたのは出掛ける時間を過ぎていました。
『あなた。もう時間が無いから、私行きますね。お昼は温めるだけにして有りますから、お願いします。』と、妻は下の娘を連れて慌てて出て行きました。(どうして早く起こしてくれなかったのだろう?他のお母さん達と俺が会うと都合が悪い事でも有るのだろうか?)そんな事を考えながら、コーヒーでも飲もうとキッチンへ行くと、テーブルの上に玲奈の手提げ鞄が置いてありました。
中を見ると携帯や財布が入っていたので、慌てていて忘れて行ったのだと分かり、私は届けるべきか考えながら見ていると化粧ポーチが2個入っていることに気が付きます。1個はドレッサーの上によく置いてある見慣れた物ですが、片方は見た事の無いもので、開けてみると電源の切られた携帯電話が入っています。
《あいつが携帯を2台も持っている。なぜ?やはりおかしい。》携帯の電源を入れて見てみると、メールの遣り取りは有りませんが発着信の履歴は有ります。それも私の出張中だけで他の日はまったく有りません。それと不思議なのは発着信とも、“宏美”と言う女1人とだけで、他には一切無いのです。
つまり、この携帯電話は“宏美”と連絡をとる為の専用という事になります。とりあえず私は、携帯番号と”宏美”の番号を手帳に移し、元に戻すとすぐに妻の玲奈が『忘れ物をした。』と帰ってきましたが、鞄を取ると慌ててまた出て行きました。
玲奈に秘密が有ることは確信しましたが、浮気かどうかはまだ半信半疑なので調べる事にしました。先ずは〚浮気をすると下着が派手になる。〛と聞いた事が有ったので、タンスの引き出しを隅々まで調べましたが、白かベージュの可愛らしい物しか有りません。
他も色々と調べましたが、変った物は出てきませんでした。今一番問い詰め易いのは、隠して持っている携帯電話の事ですが、この時は未だ鞄を覗いた事や、携帯電話の中を見た事に少し罪悪感が有り、どう切り出そうか考え、良い方法を思い付き実行しました。
その夜、玲奈が風呂に入っている隙に電源を入れておき、私の携帯電話を非通知にして妻が風呂から上がりドレッサーの前に座った時、部屋の外から電話しました。携帯電話をポケットに入れてOFFのボタンに指を置いて部屋に入ると、立ち上がった妻は慌てて座り、髪を梳かしだした。「おい。携帯電話が鳴っているぞ。」、『えっ。私の?』と訝(いぶか)っています。
「お前の鞄から聞こえてくるぞ。」と告げると、妻は渋々立ち上がると、ポーチを出して例の携帯電話を取り出しました。その時に私はスイッチを切り、「なんだ、その携帯電話は?おまえ2つ持っているのか?」と問い質すが、妻は暫く黙って下を向いていましたが、こちらを向くと、『着信音が違うのでおかしいと思ったけど、私のじゃないわ。きっと今日誰かが間違えて入れたと思うの。困っているだろうから、明日にでも皆に聞いてみて持ち主に返してくる。』と言った。
私は朝から入っていた事は言わずに部屋を出て、キッチンでビールを飲んで考えていました。《玲奈。どうしてしまったのだ。なぜ嘘を吐(つ)く。おまえは浮気しているのか?そんな女だったのか?何かの間違いだろ?》
その時に玲奈が入って来て、普段は飲まないのに『私も一杯いただくわ。』と云う。「おまえ飲めるのか?」って驚く。妻はコップに1杯飲むと顔が真っ赤になり、今日の試合の様子を楽しそうに話します。《どうして嘘を吐いたすぐ後に、そんなに楽しそうに出来るんだ?いったい何がおまえを変えてしまったんだ。』私は無性に酔いたくて、次から次へとビールを口に運びました。
2015/01/07
私の出張は土日を跨(また)ぐ事も多く、代休は有るのですが子供が出場するミニバスケットの試合を見に行く事も中々出来ず、次の日は久し振りに夫婦で見に行く事にしていたのですが、妻の玲奈が起こしてくれたのは出掛ける時間を過ぎていました。
『あなた。もう時間が無いから、私行きますね。お昼は温めるだけにして有りますから、お願いします。』と、妻は下の娘を連れて慌てて出て行きました。(どうして早く起こしてくれなかったのだろう?他のお母さん達と俺が会うと都合が悪い事でも有るのだろうか?)そんな事を考えながら、コーヒーでも飲もうとキッチンへ行くと、テーブルの上に玲奈の手提げ鞄が置いてありました。
中を見ると携帯や財布が入っていたので、慌てていて忘れて行ったのだと分かり、私は届けるべきか考えながら見ていると化粧ポーチが2個入っていることに気が付きます。1個はドレッサーの上によく置いてある見慣れた物ですが、片方は見た事の無いもので、開けてみると電源の切られた携帯電話が入っています。
《あいつが携帯を2台も持っている。なぜ?やはりおかしい。》携帯の電源を入れて見てみると、メールの遣り取りは有りませんが発着信の履歴は有ります。それも私の出張中だけで他の日はまったく有りません。それと不思議なのは発着信とも、“宏美”と言う女1人とだけで、他には一切無いのです。
つまり、この携帯電話は“宏美”と連絡をとる為の専用という事になります。とりあえず私は、携帯番号と”宏美”の番号を手帳に移し、元に戻すとすぐに妻の玲奈が『忘れ物をした。』と帰ってきましたが、鞄を取ると慌ててまた出て行きました。
玲奈に秘密が有ることは確信しましたが、浮気かどうかはまだ半信半疑なので調べる事にしました。先ずは〚浮気をすると下着が派手になる。〛と聞いた事が有ったので、タンスの引き出しを隅々まで調べましたが、白かベージュの可愛らしい物しか有りません。
他も色々と調べましたが、変った物は出てきませんでした。今一番問い詰め易いのは、隠して持っている携帯電話の事ですが、この時は未だ鞄を覗いた事や、携帯電話の中を見た事に少し罪悪感が有り、どう切り出そうか考え、良い方法を思い付き実行しました。
その夜、玲奈が風呂に入っている隙に電源を入れておき、私の携帯電話を非通知にして妻が風呂から上がりドレッサーの前に座った時、部屋の外から電話しました。携帯電話をポケットに入れてOFFのボタンに指を置いて部屋に入ると、立ち上がった妻は慌てて座り、髪を梳かしだした。「おい。携帯電話が鳴っているぞ。」、『えっ。私の?』と訝(いぶか)っています。
「お前の鞄から聞こえてくるぞ。」と告げると、妻は渋々立ち上がると、ポーチを出して例の携帯電話を取り出しました。その時に私はスイッチを切り、「なんだ、その携帯電話は?おまえ2つ持っているのか?」と問い質すが、妻は暫く黙って下を向いていましたが、こちらを向くと、『着信音が違うのでおかしいと思ったけど、私のじゃないわ。きっと今日誰かが間違えて入れたと思うの。困っているだろうから、明日にでも皆に聞いてみて持ち主に返してくる。』と言った。
私は朝から入っていた事は言わずに部屋を出て、キッチンでビールを飲んで考えていました。《玲奈。どうしてしまったのだ。なぜ嘘を吐(つ)く。おまえは浮気しているのか?そんな女だったのか?何かの間違いだろ?》
その時に玲奈が入って来て、普段は飲まないのに『私も一杯いただくわ。』と云う。「おまえ飲めるのか?」って驚く。妻はコップに1杯飲むと顔が真っ赤になり、今日の試合の様子を楽しそうに話します。《どうして嘘を吐いたすぐ後に、そんなに楽しそうに出来るんだ?いったい何がおまえを変えてしまったんだ。』私は無性に酔いたくて、次から次へとビールを口に運びました。
2015/01/07
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