中10〚新しい夫婦の形〛2章第3話 10
中10〚新しい夫婦の形〛2章第3話 10
妻の希美(のぞみ)は絶句してそのまま僕を見つめている。しばらくの間沈黙が続いた。
『・・・ごめんなさい・・・。』
静寂を破るように希美がいきなりそうつぶやいた。
「いや、こっちもごめん・・・。えっ?ご、ごめん・・・って?」
『いつかあなた知られるって覚悟してました・・・。』
思いがけない妻の言葉に僕は何も考えられなくなっていた。
「出張先で同僚に抱かれてたっていうのは、本当なのか?」
妻の希美は無言のままコクリとうなずいた。僕は何か言おうかと思って必死に言葉を探したが、何も言葉が出てこない。再び長い沈黙が続いた。
「ちょっと・・・出てくる・・。」
僕はこの長い沈黙に耐え切れず、妻にそう言っていた。
『ちょ、ちょっと待って!出て行くなら私が出て行くわ、あなたは家にいて!』
「いや、頭を冷やしたいから外に行くだけだ。」
そう言うと僕は家から出て行ってしまった。
《希美が出張の時に同僚に抱かれていた・・・やっぱり同僚に抱かれていたんだ・・・出張中に・・・抱かれていた・・・・・本当だったんだ・・・・》
頭の中で繰り返し、繰り返し何度もつぶやいていた。その後、僕はあてもなく2時間近く歩き回っていた。
妻からの突然の告白に僕は自分を見失って東京の街を徘徊していた。歩きながら妻がどんな風に抱かれていたのかをずっと想像する。ふと気がつくと僕は学生時代に住んでいた街に来ていた。何度も通った定食屋はいつの間にかなくなり、焼き鳥のチェーン店に変わっていた。開店の準備中だったその店に入ってみると、店主は快く迎え入れてくれる。カウンター席に座り生ビールを注文する。
≪あなた、本当にごめんなさい。今どこにいるの?出て行くなら私が出て行くので、あなたは帰ってきてください。≫
希美から僕の携帯にメールが届く
≪いや君は家に居てくれ。≫
妻にそうメールを返信すると、僕は出されたビールを一気に飲み干した。
家に帰っても妻が居ない生活は僕には考えられず、とても耐えられるものではなかった。しかし頭の中では他人に抱かれて悶えている妻を想像している。それを打ち消そうとしてもダメだった。時間がたてばたつほど、僕の頭の中で妻は嫌らしく男に抱かれていくのだ。そして、僕の中からは次第に別の興味が沸いてくる。
《何人の男と寝たんだ?》
しばらくした後、僕は我慢が出来なくなり希美にメールをしていた。しばらくして返信がある。
≪5人≫
《妻は僕の知らない間に5人もの男に抱かれていたのか!》
激しい嫉妬心と同時に僕は異常な興奮を感じてきた。
《5人もの男といったいどんなセックスをしていたんだ?》
≪いつから?≫
2杯目のビールを飲み干すころ、僕はまた妻にメールした。
≪4年前から≫
しばらくするとまた希美から返信がある。
《4年も前から5人もの男に抱かれてきたのか・・》希美と結婚後すぐに僕は本社から畑違いの営業所に移りがむしゃらに働いた。4年前と言えば、ちょうど部下もでき、益々忙しくなっていた時期だ。確かにその頃は僕と妻との性的関係もほとんどなくなっていた。企画部の3人の名前はもうすでに情報が入っていた。それ以外にも2人もいるのか。だいたい企画部の男性社員なんて10人もいないはず。《ならばほとんどの男に抱かれたのか?》
2015/04/20
妻の希美(のぞみ)は絶句してそのまま僕を見つめている。しばらくの間沈黙が続いた。
『・・・ごめんなさい・・・。』
静寂を破るように希美がいきなりそうつぶやいた。
「いや、こっちもごめん・・・。えっ?ご、ごめん・・・って?」
『いつかあなた知られるって覚悟してました・・・。』
思いがけない妻の言葉に僕は何も考えられなくなっていた。
「出張先で同僚に抱かれてたっていうのは、本当なのか?」
妻の希美は無言のままコクリとうなずいた。僕は何か言おうかと思って必死に言葉を探したが、何も言葉が出てこない。再び長い沈黙が続いた。
「ちょっと・・・出てくる・・。」
僕はこの長い沈黙に耐え切れず、妻にそう言っていた。
『ちょ、ちょっと待って!出て行くなら私が出て行くわ、あなたは家にいて!』
「いや、頭を冷やしたいから外に行くだけだ。」
そう言うと僕は家から出て行ってしまった。
《希美が出張の時に同僚に抱かれていた・・・やっぱり同僚に抱かれていたんだ・・・出張中に・・・抱かれていた・・・・・本当だったんだ・・・・》
頭の中で繰り返し、繰り返し何度もつぶやいていた。その後、僕はあてもなく2時間近く歩き回っていた。
妻からの突然の告白に僕は自分を見失って東京の街を徘徊していた。歩きながら妻がどんな風に抱かれていたのかをずっと想像する。ふと気がつくと僕は学生時代に住んでいた街に来ていた。何度も通った定食屋はいつの間にかなくなり、焼き鳥のチェーン店に変わっていた。開店の準備中だったその店に入ってみると、店主は快く迎え入れてくれる。カウンター席に座り生ビールを注文する。
≪あなた、本当にごめんなさい。今どこにいるの?出て行くなら私が出て行くので、あなたは帰ってきてください。≫
希美から僕の携帯にメールが届く
≪いや君は家に居てくれ。≫
妻にそうメールを返信すると、僕は出されたビールを一気に飲み干した。
家に帰っても妻が居ない生活は僕には考えられず、とても耐えられるものではなかった。しかし頭の中では他人に抱かれて悶えている妻を想像している。それを打ち消そうとしてもダメだった。時間がたてばたつほど、僕の頭の中で妻は嫌らしく男に抱かれていくのだ。そして、僕の中からは次第に別の興味が沸いてくる。
《何人の男と寝たんだ?》
しばらくした後、僕は我慢が出来なくなり希美にメールをしていた。しばらくして返信がある。
≪5人≫
《妻は僕の知らない間に5人もの男に抱かれていたのか!》
激しい嫉妬心と同時に僕は異常な興奮を感じてきた。
《5人もの男といったいどんなセックスをしていたんだ?》
≪いつから?≫
2杯目のビールを飲み干すころ、僕はまた妻にメールした。
≪4年前から≫
しばらくするとまた希美から返信がある。
《4年も前から5人もの男に抱かれてきたのか・・》希美と結婚後すぐに僕は本社から畑違いの営業所に移りがむしゃらに働いた。4年前と言えば、ちょうど部下もでき、益々忙しくなっていた時期だ。確かにその頃は僕と妻との性的関係もほとんどなくなっていた。企画部の3人の名前はもうすでに情報が入っていた。それ以外にも2人もいるのか。だいたい企画部の男性社員なんて10人もいないはず。《ならばほとんどの男に抱かれたのか?》
2015/04/20
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