中9〖妻の写真集〗 Vol.9
中9〖妻の写真集〗 Vol.9
美佳さん夫妻との夕食を終え、私たちは家路に向かいました。今日一日で、妻の杏璃(あんり)が希望していた写真撮影の打ち合わせをして、その後、妻はエステに行き、美容院にも行った。さらに夜には妻の昔からの友人(美佳さん夫妻)と食事もした。
杏璃のために使った一日だったが、何故か帰りの電車の中では、ずっと無言のまま表情のさえないままです。その夜、家に帰っても妻はなんとなくふさぎ込んでいるような表情をしていました。
「どうした?何か浮かない表情だけど・・・。」
そんな妻を気にして私は声をかけてみました。
『うん、私ね、やっぱり今回の撮影をした方が良いのか迷っているの・・・。』
杏璃はしばらく考えこんだ後、私にそう言いました。
「えっ!どうして??だって杏璃から言い出した話だよ。」
私は突然の妻の言葉に驚きました。
『確かに美佳の写真を見た時は、私もあんな写真を残してみたいと本気で思ったわ。でも・・・。』
妻は言葉に詰まったようにそう言いました。
「でも?」
『満さんまで見学することになるなんて・・・私そんな事をするつもりじゃなかったから・・・。』
やはり、杏璃は簡単に人前で肌を露出することなんて出来ない人間なのです。妻に限らず、たいていの女性ならそうでしょう。旦那である私や、幼馴染の同姓の友達の前ならともかく、以前から知っている男性の前で、一度も見せたことのない裸を見せるなんて到底納得できる話ではありませんでした。
「それなら美佳さんたちに断るかい?」
私は杏璃が嫌がるのに、無理やりそのような事をするつもりは毛頭ありませんでした。
しかし、今日小松氏が言っていた事が頭の中から離れないでいたのです。(〔それに女性は見られれば見られるほど美しくなるんですよ。〕)
私以外の第三者の人間、特に男性がいれば、杏璃は普段の殻を破り、もっともっと淫らになれるんじゃないだろうか。そんな欲情した妻を一度でいいからこの目に焼き付けたい。愛する私の妻、杏璃が、他人にその肌を晒し淫らに欲情していく。そんな姿が見られるのなら、私はどんな犠牲を払ってもいい。私は底知れぬ自分の欲求を満たしたいとその時思っていたのです。
『う、うん・・・。』
杏璃は私の言葉にうなずきました。私は次の言葉を探さなければなりません。
「でも、杏璃が写真を撮る事はもう美佳さんや満さんにも分ってしまっていることだろ。だとしたら出来上がった写真は、美佳さんや満さんも見ることになるんじゃないのか?」
『・・・・。』
妻は返事を出来ないまま、私の言葉を聞いていました。
「遅かれ早かれ、杏璃のヌードは美佳さんたちの目にも触れる事になるんじゃないのか?」
『・・・・あなたはいいの?私の裸を他の男性に見られても?』
「そりゃ少しは嫉妬するけど、カメラマンの小松さんだって男性だよ。それに今日美佳さんの写真集を見て思ったんだ。こんな言い方したら美佳さんに悪いけど、杏璃だったらきっと美佳さんの写真集の何倍もいいものになるって。」
『あなた・・・。』
「それに小松さんも言ってたじゃないか。他人に見られれば見られるほど、女性は美しくなるって。遅かれ早かれ美佳さんたちに見られるんだったら、撮影の当日に見学してもらおうよ。その方がきっといい写真ができるはずだよ。」
『・・・・。』
妻は黙ったまま私の言葉を聞き、まだ迷っているようでした。私は焦りました。
「杏璃の30歳という節目の歳に作るこの世でたった一つの写真集なんだよ。だったら出来るだけ良いものにしようよ。」
私は無心で杏璃を説得していました。何度も言葉を変え、妻を励ましながら・・・。
『わかったわ、あなたがそこまで言うなら。』
妻の杏璃は自分の中で大きな決心をしたようでした。
2015/04/20
美佳さん夫妻との夕食を終え、私たちは家路に向かいました。今日一日で、妻の杏璃(あんり)が希望していた写真撮影の打ち合わせをして、その後、妻はエステに行き、美容院にも行った。さらに夜には妻の昔からの友人(美佳さん夫妻)と食事もした。
杏璃のために使った一日だったが、何故か帰りの電車の中では、ずっと無言のまま表情のさえないままです。その夜、家に帰っても妻はなんとなくふさぎ込んでいるような表情をしていました。
「どうした?何か浮かない表情だけど・・・。」
そんな妻を気にして私は声をかけてみました。
『うん、私ね、やっぱり今回の撮影をした方が良いのか迷っているの・・・。』
杏璃はしばらく考えこんだ後、私にそう言いました。
「えっ!どうして??だって杏璃から言い出した話だよ。」
私は突然の妻の言葉に驚きました。
『確かに美佳の写真を見た時は、私もあんな写真を残してみたいと本気で思ったわ。でも・・・。』
妻は言葉に詰まったようにそう言いました。
「でも?」
『満さんまで見学することになるなんて・・・私そんな事をするつもりじゃなかったから・・・。』
やはり、杏璃は簡単に人前で肌を露出することなんて出来ない人間なのです。妻に限らず、たいていの女性ならそうでしょう。旦那である私や、幼馴染の同姓の友達の前ならともかく、以前から知っている男性の前で、一度も見せたことのない裸を見せるなんて到底納得できる話ではありませんでした。
「それなら美佳さんたちに断るかい?」
私は杏璃が嫌がるのに、無理やりそのような事をするつもりは毛頭ありませんでした。
しかし、今日小松氏が言っていた事が頭の中から離れないでいたのです。(〔それに女性は見られれば見られるほど美しくなるんですよ。〕)
私以外の第三者の人間、特に男性がいれば、杏璃は普段の殻を破り、もっともっと淫らになれるんじゃないだろうか。そんな欲情した妻を一度でいいからこの目に焼き付けたい。愛する私の妻、杏璃が、他人にその肌を晒し淫らに欲情していく。そんな姿が見られるのなら、私はどんな犠牲を払ってもいい。私は底知れぬ自分の欲求を満たしたいとその時思っていたのです。
『う、うん・・・。』
杏璃は私の言葉にうなずきました。私は次の言葉を探さなければなりません。
「でも、杏璃が写真を撮る事はもう美佳さんや満さんにも分ってしまっていることだろ。だとしたら出来上がった写真は、美佳さんや満さんも見ることになるんじゃないのか?」
『・・・・。』
妻は返事を出来ないまま、私の言葉を聞いていました。
「遅かれ早かれ、杏璃のヌードは美佳さんたちの目にも触れる事になるんじゃないのか?」
『・・・・あなたはいいの?私の裸を他の男性に見られても?』
「そりゃ少しは嫉妬するけど、カメラマンの小松さんだって男性だよ。それに今日美佳さんの写真集を見て思ったんだ。こんな言い方したら美佳さんに悪いけど、杏璃だったらきっと美佳さんの写真集の何倍もいいものになるって。」
『あなた・・・。』
「それに小松さんも言ってたじゃないか。他人に見られれば見られるほど、女性は美しくなるって。遅かれ早かれ美佳さんたちに見られるんだったら、撮影の当日に見学してもらおうよ。その方がきっといい写真ができるはずだよ。」
『・・・・。』
妻は黙ったまま私の言葉を聞き、まだ迷っているようでした。私は焦りました。
「杏璃の30歳という節目の歳に作るこの世でたった一つの写真集なんだよ。だったら出来るだけ良いものにしようよ。」
私は無心で杏璃を説得していました。何度も言葉を変え、妻を励ましながら・・・。
『わかったわ、あなたがそこまで言うなら。』
妻の杏璃は自分の中で大きな決心をしたようでした。
2015/04/20
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