短Ⅱ18【封印】第2回
短Ⅱ18【封印】第2回
私(朝倉省吾35歳)は、眠っている妻の未来(みき:30歳)を残して部屋を出ました。とりあえず、時間つぶしに目的も無く、温泉旅館の館内を歩きまわります。時間は午後10時前でしたので、時折、笑い声などが聞き漏れて、一層一人であることを思い知らされます。
しばらく歩くと、バーラウンジの前に行きつきました。私は、店の看板に誘われるようにそこに入り、一人お酒を飲みます。一人でお酌をしていると、今日一日のことを振り返りました。この温泉地に至る車中での妻との会話、観光地の様子、そして、例の男のことが頭をよぎります。
あの男は何故未来と会話をしていたのだろうか?なにか魂胆があったのか?いやいや、私の思い過ごしだ・・。そんなことが何度も頭の中をグルグル巡り、それと並行するようにお酒がすすみ、かなりの量を飲んでしまいます。部屋に戻るころには、足元がフラフラしていました。
いつ寝床に入ったのかも分かりません。何時だったのか、妻の声がして、私は無意識に、「うん。うん。」と応えていました。未来は、『朝風呂に言ってくるからね。』と言っていたような気がします。二日酔いで頭がグルグルしながらも、携帯の時計をみるとまだ朝の5時半でした。「あんなに早く寝るからだ。」とぶつぶつ言いながら、私は、眠たくて再びまぶたを閉じます。
ズキズキとした頭痛に襲われて、私が目を覚ましたのは8時過ぎでした。《飲みすぎたな・・・。》そう思いながら、隣を見ると、布団はもぬけの殻で、妻の未来はいません。夢現で妻と会話をしたような記憶が・・・。あたりを軽く見回した後、ううっとこみ上げてくる吐き気に急かされて私はトイレに入りました。
しばらくトイレにこもっていましたが、それでも妻が帰ってきた様子はありません。漸くすっきりしてきたので、私は、洗面をすませ、部屋を出ました。すこし不安になってきます。やはり、頭のどこかに、あの男のことが気になって仕方なくなりました。それで不安に掻き立てられて、私は妻の携帯へ電話を掛けてみました・・。
しかし・・・呼び出し音が続くばかりで、いつもの声は携帯の向こうからは聞こえません。《おいおい、まさか・・・あの男と・・》などと考えながら、私は館内を駆け足で回りました。
しかし、どこを探しても、妻の未来は見つかりません。《それはそうだ。もし、そういうことになっているのなら、男の部屋にいるんじゃないのか?・・・。》私は、そう思い直し、自分の部屋に戻りかけます。
《何を私は焦っているのだ?》自問自答しました。変な汗が、額を流れ、背中にも滴っているのがわかります。あの男にこうまでかき乱されるとは、しかも、何の確証もないのに・・・。初めて会ったときは、一人湯治の寂しさからなのだと、なんとも思いませんでした。でも、一夜たった今では、なんだかわからない胸騒ぎがしたのです。
2015/08/25
私(朝倉省吾35歳)は、眠っている妻の未来(みき:30歳)を残して部屋を出ました。とりあえず、時間つぶしに目的も無く、温泉旅館の館内を歩きまわります。時間は午後10時前でしたので、時折、笑い声などが聞き漏れて、一層一人であることを思い知らされます。
しばらく歩くと、バーラウンジの前に行きつきました。私は、店の看板に誘われるようにそこに入り、一人お酒を飲みます。一人でお酌をしていると、今日一日のことを振り返りました。この温泉地に至る車中での妻との会話、観光地の様子、そして、例の男のことが頭をよぎります。
あの男は何故未来と会話をしていたのだろうか?なにか魂胆があったのか?いやいや、私の思い過ごしだ・・。そんなことが何度も頭の中をグルグル巡り、それと並行するようにお酒がすすみ、かなりの量を飲んでしまいます。部屋に戻るころには、足元がフラフラしていました。
いつ寝床に入ったのかも分かりません。何時だったのか、妻の声がして、私は無意識に、「うん。うん。」と応えていました。未来は、『朝風呂に言ってくるからね。』と言っていたような気がします。二日酔いで頭がグルグルしながらも、携帯の時計をみるとまだ朝の5時半でした。「あんなに早く寝るからだ。」とぶつぶつ言いながら、私は、眠たくて再びまぶたを閉じます。
ズキズキとした頭痛に襲われて、私が目を覚ましたのは8時過ぎでした。《飲みすぎたな・・・。》そう思いながら、隣を見ると、布団はもぬけの殻で、妻の未来はいません。夢現で妻と会話をしたような記憶が・・・。あたりを軽く見回した後、ううっとこみ上げてくる吐き気に急かされて私はトイレに入りました。
しばらくトイレにこもっていましたが、それでも妻が帰ってきた様子はありません。漸くすっきりしてきたので、私は、洗面をすませ、部屋を出ました。すこし不安になってきます。やはり、頭のどこかに、あの男のことが気になって仕方なくなりました。それで不安に掻き立てられて、私は妻の携帯へ電話を掛けてみました・・。
しかし・・・呼び出し音が続くばかりで、いつもの声は携帯の向こうからは聞こえません。《おいおい、まさか・・・あの男と・・》などと考えながら、私は館内を駆け足で回りました。
しかし、どこを探しても、妻の未来は見つかりません。《それはそうだ。もし、そういうことになっているのなら、男の部屋にいるんじゃないのか?・・・。》私は、そう思い直し、自分の部屋に戻りかけます。
《何を私は焦っているのだ?》自問自答しました。変な汗が、額を流れ、背中にも滴っているのがわかります。あの男にこうまでかき乱されるとは、しかも、何の確証もないのに・・・。初めて会ったときは、一人湯治の寂しさからなのだと、なんとも思いませんでした。でも、一夜たった今では、なんだかわからない胸騒ぎがしたのです。
2015/08/25
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