中C『妻をけしかけて・・・・』その15
中C『妻をけしかけて・・・・』その15
しかし、午後4時半頃から何度携帯に電話をしても留守電になり、私(宗方勝俊31歳)は
いやな感じがしたのです。結局、連絡がつかないまま5時を過ぎてしまい、行き違いになるかも知れないと思い、あきらめた頃、妻(宗方亜衣:あい28歳)から電話が入りました。緊張した声です。
『あなた、ちょっと会社まで来てくれる?』
「いいよ。でもなんかあったのか?」
『来たのよ・・・川口さんが・・・。』
「えっ!来た!?・・・馬鹿かあいつは!・・・それで、今そばにいるのか?」
『藤本課長と話しているわ。』
「はぁ?なんで藤本課長と?・・・はぁ?」
私は頭が混乱して理解不能です。
「亜衣、もっとわかるように話してくれないか。」
『あのね、わたし定時になったから、会社を出たのよ。それで20mくらい歩いたところで、あの人から呼び止められて、《話しがあるから、ちょっと来てくれ!》って手を引っ張られたのよ。それで私が、何すんのよ!って振りほどいて、また会社に向かって走って逃げたの。そしたら、追っかけて来て・・・また手をつかんだのよ。そこに、会社から出て来た藤本課長にばったり会って・・・〔うちの社員になにしてんだ!あっ、あんた川口さんじゃないか!あんた、ここで一体なにをしてるんだ!〕ってことに・・・。』
「それで、いま課長と川口が話してるのか?」
『そうなの、藤本課長には全部知られるかもしれないわ・・・。』
「わかった。とりあえず今からそっちへ行く!課長には俺が行く事を伝えておいてくれ。」
『でもあなた、お願いだから暴力だけは振るわないでね。』
「そんなことわからないよ!奴の出方次第だよ!」
すっかり私は頭に血が昇っていました。(あの野郎、血迷いやがって!)タクシーで会社に着くと直ぐに亜衣が近寄って来ます。
『こっちよ・・・この部屋。』
ノックもしないで部屋に入ると、藤本課長と目が合いました。
「あっ、課長!」
〔あっ!宗方さん・・・どうぞこちらにお座り下さい。〕
そう言うと、川口の前、課長のとなりに私を座らせました。それで私はじっと正面にすわる川口の顔を睨み付けます。
〔あんたねぇ、御主人に謝るのが筋だろう!なに黙ってんだよ!〕
目の前の川口は下を見つめ、肩を落として、昨夜の電話での威勢はまるでなく、何やらしおれた感じがしました。
《すみません・・・。》
聞き取れない程の小さな声です。
「あんた、俺が昨日、電話で怒鳴ったじゃないか!なんで今日、亜衣を待ち伏せたりしたんだよ!なんの話しが亜衣にあるんだ!言ってみろよ!」
《本当に旦那さんだったんですか・・・すみません・・・。》
「亜衣は俺に隠し事なんかしないんだよ!血迷いやがって!お前、女房、子供がいるんだろうが!家庭までぶち壊す覚悟でやってんのか!根性もないくせに突っ張ってんじゃね-ぞ!この野郎!」
《・・・・・・・・・・・・・・・・》
私は課長の前とは言え、興奮と怒りで自分を抑えることが出来ません。
「何か言ってみろ!このストーカー野郎が!」
《・・・・・・・・・・・・・・・・》
〔宗方さん・・・お怒りはごもっともです。ですが、ここは私にお任せ願いませんでしょうか?決して、うやむやにする事はしませんので・・・私としても会社の女子社員にこんな事をした男を許す訳にはいきません。まして彼は取引先の社員です。〕
私にしても、この会社の取引先です。得意先の課長に頭を下げられたら、これ以上川口に罵声を浴びせる事は出来ません。
「あんたなぁ、藤本課長に感謝しろよ!課長が居なかったら、どうなっていたかわからないぞ!」そう川口に言って、「課長、申し訳ありません。よろしくお願いします。」と頭を下げて私は席を立ち、部屋を出ました。
部屋の外では妻の亜衣がオロオロとした感じで、私に近寄って来ます。中の経緯(いきさつ)を亜衣に告げた。
『課長どうするのかしら?』
「知らないよ!でも川口にとっては、大変かも知れないよ。」
『大変って?まさかクビ?』
「わからないけど、会社の面子もあるからなぁ。」
しかし、川口は何と馬鹿な行動に出たのでしょうか。会社の近くで妻を待ち伏せ、妻が素直について来ると思ったのでしょうか・・・しかも強引に・・・それを得意先の課長に見つかると言う失態まで・・・川口にすれば課長に見られた事が大誤算で、その後の彼の人生は大きく変わったのですから・・・。
2015/10/31
しかし、午後4時半頃から何度携帯に電話をしても留守電になり、私(宗方勝俊31歳)は
いやな感じがしたのです。結局、連絡がつかないまま5時を過ぎてしまい、行き違いになるかも知れないと思い、あきらめた頃、妻(宗方亜衣:あい28歳)から電話が入りました。緊張した声です。
『あなた、ちょっと会社まで来てくれる?』
「いいよ。でもなんかあったのか?」
『来たのよ・・・川口さんが・・・。』
「えっ!来た!?・・・馬鹿かあいつは!・・・それで、今そばにいるのか?」
『藤本課長と話しているわ。』
「はぁ?なんで藤本課長と?・・・はぁ?」
私は頭が混乱して理解不能です。
「亜衣、もっとわかるように話してくれないか。」
『あのね、わたし定時になったから、会社を出たのよ。それで20mくらい歩いたところで、あの人から呼び止められて、《話しがあるから、ちょっと来てくれ!》って手を引っ張られたのよ。それで私が、何すんのよ!って振りほどいて、また会社に向かって走って逃げたの。そしたら、追っかけて来て・・・また手をつかんだのよ。そこに、会社から出て来た藤本課長にばったり会って・・・〔うちの社員になにしてんだ!あっ、あんた川口さんじゃないか!あんた、ここで一体なにをしてるんだ!〕ってことに・・・。』
「それで、いま課長と川口が話してるのか?」
『そうなの、藤本課長には全部知られるかもしれないわ・・・。』
「わかった。とりあえず今からそっちへ行く!課長には俺が行く事を伝えておいてくれ。」
『でもあなた、お願いだから暴力だけは振るわないでね。』
「そんなことわからないよ!奴の出方次第だよ!」
すっかり私は頭に血が昇っていました。(あの野郎、血迷いやがって!)タクシーで会社に着くと直ぐに亜衣が近寄って来ます。
『こっちよ・・・この部屋。』
ノックもしないで部屋に入ると、藤本課長と目が合いました。
「あっ、課長!」
〔あっ!宗方さん・・・どうぞこちらにお座り下さい。〕
そう言うと、川口の前、課長のとなりに私を座らせました。それで私はじっと正面にすわる川口の顔を睨み付けます。
〔あんたねぇ、御主人に謝るのが筋だろう!なに黙ってんだよ!〕
目の前の川口は下を見つめ、肩を落として、昨夜の電話での威勢はまるでなく、何やらしおれた感じがしました。
《すみません・・・。》
聞き取れない程の小さな声です。
「あんた、俺が昨日、電話で怒鳴ったじゃないか!なんで今日、亜衣を待ち伏せたりしたんだよ!なんの話しが亜衣にあるんだ!言ってみろよ!」
《本当に旦那さんだったんですか・・・すみません・・・。》
「亜衣は俺に隠し事なんかしないんだよ!血迷いやがって!お前、女房、子供がいるんだろうが!家庭までぶち壊す覚悟でやってんのか!根性もないくせに突っ張ってんじゃね-ぞ!この野郎!」
《・・・・・・・・・・・・・・・・》
私は課長の前とは言え、興奮と怒りで自分を抑えることが出来ません。
「何か言ってみろ!このストーカー野郎が!」
《・・・・・・・・・・・・・・・・》
〔宗方さん・・・お怒りはごもっともです。ですが、ここは私にお任せ願いませんでしょうか?決して、うやむやにする事はしませんので・・・私としても会社の女子社員にこんな事をした男を許す訳にはいきません。まして彼は取引先の社員です。〕
私にしても、この会社の取引先です。得意先の課長に頭を下げられたら、これ以上川口に罵声を浴びせる事は出来ません。
「あんたなぁ、藤本課長に感謝しろよ!課長が居なかったら、どうなっていたかわからないぞ!」そう川口に言って、「課長、申し訳ありません。よろしくお願いします。」と頭を下げて私は席を立ち、部屋を出ました。
部屋の外では妻の亜衣がオロオロとした感じで、私に近寄って来ます。中の経緯(いきさつ)を亜衣に告げた。
『課長どうするのかしら?』
「知らないよ!でも川口にとっては、大変かも知れないよ。」
『大変って?まさかクビ?』
「わからないけど、会社の面子もあるからなぁ。」
しかし、川口は何と馬鹿な行動に出たのでしょうか。会社の近くで妻を待ち伏せ、妻が素直について来ると思ったのでしょうか・・・しかも強引に・・・それを得意先の課長に見つかると言う失態まで・・・川口にすれば課長に見られた事が大誤算で、その後の彼の人生は大きく変わったのですから・・・。
2015/10/31
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