長Y〖彼女の恋〗パート10
長Y〖彼女の恋〗パート10
僕(柴崎孝信:たかのぶ)はアパートの階段の前に居たことは言いませんでした。まだ濡れている髪を、タオルを使い乾かしながら、新島七海(にいじま・ななみ)は僕を部屋へあげてくれました。
「今日はバイトだったの?」
『うん、そうだよ。孝信くんほど頑張ってないけどねぇ。』
僕は七海のウソを突く勇気がありませんでした。要は七海に嫌われたくなかったのです。
七海とテレビを見ながら話していると、後輩の高岡俊一(しゅんいち)と佐倉朋美(ともみ)ちゃんがやって来ました。いつもの4人の飲み会のスタートです。時計の針が進み、酔いがまわり、気分が高揚してきました。
ふと七海を見ると、ひざを抱えて座り、そのひざの上にホホを乗せた状態で僕の方を見ていました。目が合うと・・。
『ふふふっ』
なにやら楽しそうに笑いました。ほんのり赤くなって酔っているのが一目でわかります。幸せそうに微笑む目はいつもの七海でした。
「どうしたの?」
僕が訊くと
『孝信くんって、雰囲気がいいよね。優しいオーラが出てる。』
「なんだぁよ、急に・・。」
『わかんない。わかんないけど・・あたしには、孝信くんのことわかるんだぁ・・。』
クスクス笑う七海。僕の心がフワリとなって温かくなるのがわかりました。・・そうだ、昔この笑顔に惚れたんだなぁ。
『ずっと、こうしてられたらいいね・・・。』
七海がテーブルの下で僕の手に指を絡ませてくる。それだけで、七海のウソなんか、僕の頭から消えてなくなりました・・・。
終電の時間になり、次の日朝から予定のある僕は帰ることにします。俊一が、〔コンビニに行くついでに駅まで送ります。〕と言ってついて来たのですが、アパートを出てすぐに〔先輩、もしかして、七海ちゃんと付き合っているんすか?〕いきなりの質問にびっくりして俊一の頭を叩いてしまいました。
「つ、付き合ってないよ!!・・・・・・なんで?」
〔あれぇ・・すみません・・いや・・違うなら、大丈夫っす。〕
俊一はなにやら口ごもります。
「・・なんだよ?」
問い詰める僕に、答えない俊一、結局そのまま駅に着き電車に乗りました。
僕は、なんだか・・不安が頭をもたげて、落ち着きません。家にもう少しで着くって時に携帯が鳴りました。七海からのメールです。≪孝信くん。さっきはお見送りできなくてゴメンね(><;)もう、おうち着いたかな?孝信くんと話すと、イヤなこととか忘れて楽しい気持ちになれます。孝信くんはあたしの癒し系だねいつも、ありがとうございます。でわでわ、おやすみなさい♪(*^ ・^)ノ⌒☆≫いつもよりテンションの上がっている七海からのメール。いつもなら嬉しいのに、何か胸につかえて・・僕はただ≪おやすみなさい。≫とだけ返事をしました。
2015/11/16
僕(柴崎孝信:たかのぶ)はアパートの階段の前に居たことは言いませんでした。まだ濡れている髪を、タオルを使い乾かしながら、新島七海(にいじま・ななみ)は僕を部屋へあげてくれました。
「今日はバイトだったの?」
『うん、そうだよ。孝信くんほど頑張ってないけどねぇ。』
僕は七海のウソを突く勇気がありませんでした。要は七海に嫌われたくなかったのです。
七海とテレビを見ながら話していると、後輩の高岡俊一(しゅんいち)と佐倉朋美(ともみ)ちゃんがやって来ました。いつもの4人の飲み会のスタートです。時計の針が進み、酔いがまわり、気分が高揚してきました。
ふと七海を見ると、ひざを抱えて座り、そのひざの上にホホを乗せた状態で僕の方を見ていました。目が合うと・・。
『ふふふっ』
なにやら楽しそうに笑いました。ほんのり赤くなって酔っているのが一目でわかります。幸せそうに微笑む目はいつもの七海でした。
「どうしたの?」
僕が訊くと
『孝信くんって、雰囲気がいいよね。優しいオーラが出てる。』
「なんだぁよ、急に・・。」
『わかんない。わかんないけど・・あたしには、孝信くんのことわかるんだぁ・・。』
クスクス笑う七海。僕の心がフワリとなって温かくなるのがわかりました。・・そうだ、昔この笑顔に惚れたんだなぁ。
『ずっと、こうしてられたらいいね・・・。』
七海がテーブルの下で僕の手に指を絡ませてくる。それだけで、七海のウソなんか、僕の頭から消えてなくなりました・・・。
終電の時間になり、次の日朝から予定のある僕は帰ることにします。俊一が、〔コンビニに行くついでに駅まで送ります。〕と言ってついて来たのですが、アパートを出てすぐに〔先輩、もしかして、七海ちゃんと付き合っているんすか?〕いきなりの質問にびっくりして俊一の頭を叩いてしまいました。
「つ、付き合ってないよ!!・・・・・・なんで?」
〔あれぇ・・すみません・・いや・・違うなら、大丈夫っす。〕
俊一はなにやら口ごもります。
「・・なんだよ?」
問い詰める僕に、答えない俊一、結局そのまま駅に着き電車に乗りました。
僕は、なんだか・・不安が頭をもたげて、落ち着きません。家にもう少しで着くって時に携帯が鳴りました。七海からのメールです。≪孝信くん。さっきはお見送りできなくてゴメンね(><;)もう、おうち着いたかな?孝信くんと話すと、イヤなこととか忘れて楽しい気持ちになれます。孝信くんはあたしの癒し系だねいつも、ありがとうございます。でわでわ、おやすみなさい♪(*^ ・^)ノ⌒☆≫いつもよりテンションの上がっている七海からのメール。いつもなら嬉しいのに、何か胸につかえて・・僕はただ≪おやすみなさい。≫とだけ返事をしました。
2015/11/16
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