長Y〖彼女の恋〗パート16
長Y〖彼女の恋〗パート16
パート1から
僕(柴崎孝信:たかのぶ)は毛布の上から新島七海(にいじま・ななみ)を抱きしめて、「話しをしたくて来たんだ。七海と話したくて・・。顔が見たくて・・・・。」それで、しばらく暴れていた七海は疲れたのか大人しくなりますが、毛布の中で号泣しています。
『・・うぅ・・孝信くんに捨てられちゃうもん・・・・あんなの・・捨てられちゃうもん・・うぅぅ・・また・・捨てられちゃう・・もん・・。』
僕は心が痛くなり、七海を力いっぱい抱きしめました・・。七海を隠している毛布を僕は引っ張り、七海の頭から外します。さらに髪の毛がグシャグシャになった七海が、涙をボロボロこぼしながらそこにいました・・。
こんな時に・・て思われますが、なぜか可愛く見える七海を見て僕は気づいたのです。(やっぱり、七海が好きだ。あきらめられない・・。)泣いている七海を抱きしめて、必死になって謝る七海の顔を見たら知らずに涙が出てきました・・。
僕は七海を抱きしめながら、できるだけ優しく髪を撫でます。どのくらいそうしていたで
しょうか・・最初こそ、逃げようとしていた七海も僕の腕の中でおとなしくなり、僕の背中に手を回し、2人静かに抱き合っていました。
高岡俊一と佐倉朋美ちゃんは七海が心配らしく、僕達2人を部屋の入口で見守っていましたが、七海がおとなしくなったのを見届けたからか隣りの部屋に移動したみたいです。しばらく無言で七海の髪を撫でていると、背中に回された七海の手に力が入り、小さな声で・・
『・・・・孝信くん、ごめんね・・。』
「謝らなくていいよ・・。」
『・・孝信くんに嫌われたく無い・・・・本当に、ごめんね・・。』
「嫌いに・・なんかならないよ。』
いろいろわからないこと、聞きたいこと、知りたいこと、いっぱいありましたが・・変な話しかもしれないのですが、僕の腕のなかで小さな小鳥のように震える七海が僕にしがみついている事実が、僕にとって満足なもので・・結局、僕も七海に嫌われたく無かったのです。
静かな部屋のせいか、泣きつかれたのか、そのうち七海は寝てしまいました。僕は七海に
そっと毛布をかけて、隣りの部屋にいる2人の所へ向かいました。「・・2人共ありがとう。いろいろごめんな・・。」俊一から僕と七海のことを聞いたらしい朋美ちゃんは僕に、〚柴崎さん、俊一も言ったと思うけど、七海は本当に先輩が大好きなんだよ・・それだけは、わかってあげて・・。〛
「・・朋美ちゃん、ありがとう。大丈夫だよ。なんかね・・僕の方が七海のこと大好きだから・・。」
2人を安心させようと作った笑顔は、自分でも上手くできなかった。心配だから、“今日は泊まって行くと言ってくれる2人に「僕がついているから大丈夫だよ。2人とも本当にありがとう。・・感謝している。」と礼を述べて、帰ってもらった。
《2人にはこれ以上甘えられないな》と、変な気をつかってしまったのです。僕はキッチ
ンに入り、七海が目を覚ましたら何か食べさせようと簡単なものを作っていると足音が聞こえてきます。
『・・孝信くん?』
「なんだ、もう起きちゃったの?もう少し休んでいなよ。あっ、朋美ちゃんと俊一はさっき帰ってもらったよ。あの2人には本当に・・。」
七海のことを考えてちょっと高めのテンションで明るく話そうとしていた僕に七海がゆっくり近づいて抱きついてきます。
『孝信くん、ごめんね・・ありがとう。』
いつの間にかまた泣き出した七海と目が合うと、どちらともなく顔を近づけ・・僕は七海とキスをしていました。
2015/12/18
パート1から
僕(柴崎孝信:たかのぶ)は毛布の上から新島七海(にいじま・ななみ)を抱きしめて、「話しをしたくて来たんだ。七海と話したくて・・。顔が見たくて・・・・。」それで、しばらく暴れていた七海は疲れたのか大人しくなりますが、毛布の中で号泣しています。
『・・うぅ・・孝信くんに捨てられちゃうもん・・・・あんなの・・捨てられちゃうもん・・うぅぅ・・また・・捨てられちゃう・・もん・・。』
僕は心が痛くなり、七海を力いっぱい抱きしめました・・。七海を隠している毛布を僕は引っ張り、七海の頭から外します。さらに髪の毛がグシャグシャになった七海が、涙をボロボロこぼしながらそこにいました・・。
こんな時に・・て思われますが、なぜか可愛く見える七海を見て僕は気づいたのです。(やっぱり、七海が好きだ。あきらめられない・・。)泣いている七海を抱きしめて、必死になって謝る七海の顔を見たら知らずに涙が出てきました・・。
僕は七海を抱きしめながら、できるだけ優しく髪を撫でます。どのくらいそうしていたで
しょうか・・最初こそ、逃げようとしていた七海も僕の腕の中でおとなしくなり、僕の背中に手を回し、2人静かに抱き合っていました。
高岡俊一と佐倉朋美ちゃんは七海が心配らしく、僕達2人を部屋の入口で見守っていましたが、七海がおとなしくなったのを見届けたからか隣りの部屋に移動したみたいです。しばらく無言で七海の髪を撫でていると、背中に回された七海の手に力が入り、小さな声で・・
『・・・・孝信くん、ごめんね・・。』
「謝らなくていいよ・・。」
『・・孝信くんに嫌われたく無い・・・・本当に、ごめんね・・。』
「嫌いに・・なんかならないよ。』
いろいろわからないこと、聞きたいこと、知りたいこと、いっぱいありましたが・・変な話しかもしれないのですが、僕の腕のなかで小さな小鳥のように震える七海が僕にしがみついている事実が、僕にとって満足なもので・・結局、僕も七海に嫌われたく無かったのです。
静かな部屋のせいか、泣きつかれたのか、そのうち七海は寝てしまいました。僕は七海に
そっと毛布をかけて、隣りの部屋にいる2人の所へ向かいました。「・・2人共ありがとう。いろいろごめんな・・。」俊一から僕と七海のことを聞いたらしい朋美ちゃんは僕に、〚柴崎さん、俊一も言ったと思うけど、七海は本当に先輩が大好きなんだよ・・それだけは、わかってあげて・・。〛
「・・朋美ちゃん、ありがとう。大丈夫だよ。なんかね・・僕の方が七海のこと大好きだから・・。」
2人を安心させようと作った笑顔は、自分でも上手くできなかった。心配だから、“今日は泊まって行くと言ってくれる2人に「僕がついているから大丈夫だよ。2人とも本当にありがとう。・・感謝している。」と礼を述べて、帰ってもらった。
《2人にはこれ以上甘えられないな》と、変な気をつかってしまったのです。僕はキッチ
ンに入り、七海が目を覚ましたら何か食べさせようと簡単なものを作っていると足音が聞こえてきます。
『・・孝信くん?』
「なんだ、もう起きちゃったの?もう少し休んでいなよ。あっ、朋美ちゃんと俊一はさっき帰ってもらったよ。あの2人には本当に・・。」
七海のことを考えてちょっと高めのテンションで明るく話そうとしていた僕に七海がゆっくり近づいて抱きついてきます。
『孝信くん、ごめんね・・ありがとう。』
いつの間にかまた泣き出した七海と目が合うと、どちらともなく顔を近づけ・・僕は七海とキスをしていました。
2015/12/18
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