中Ⅱ1〔叔父と妻・・そして私〕第4話
中Ⅱ1〔叔父と妻・・そして私〕第4話
翌日、午後になって私(村上正俊:38歳)は妻(村上直美:33歳)と一緒に叔父(村上二郎:60歳)の家に向かいます。相変わらずの豪邸に足を踏み入れると、妻は今日を含めて3日間通っているせいか、慣れた様子で私の前を歩き、玄関に立ちました。インターホンで妻が『直美です。』と声を掛けると、叔父が応答し〔入りなさい。〕と促されます。
広い邸内を妻の先導で歩き、叔父がいるリビングへ向かいます。テレビはつけられていますが、叔父は観るでもなくタバコをふかしていました。私達を部屋に迎え入れると、にこやかな笑顔を見せ、ソファーに座るように勧めてきます。
私が先に腰掛けると、叔父は妻に、〔直美、マサ(私の事です)にコーヒーでも入れてやって…。〕と言いました。私はその時、漠然と違和感を覚えます。叔父はそれまで妻の事を〔直美ちゃん〕と呼んでいたはず…でも、その時ははっきりと呼び捨てにしたのでした。
コーヒーを入れさせるという行動…金を受け取る為に、たった2日叔父の家に通っただけの妻…それまで結婚式と法事でしか顔を合わせた事の無い二人…なのに…叔父がそんなに馴々(なれなれ)しく接し、妻(村上直美)の方も戸惑う事なくキッチンに向かいコーヒーを入れている姿が、私にとってはとても不自然に感じました。
しかし、その時の私は何も言えずに、黙ってその光景を見ていたのです。そして、叔父からの大事な話というのは、当然に私の会社の事でした。叔父が言うには、〔兄(父親)の築いた会社を潰したくない気持ちは解るが、現実問題どうにもならない所まで来ている。〕かわいい甥っこを見捨てる事もできないから、自分の会社で私の印刷会社を、〔債務も含めて引き取ってやる。〕という事でした。
そして、その中で一部門として、〔印刷業はそのままお前(私)がやれば良い。〕というのです。〔お前たち二人で話し合えば良い。わしは席をはずす。〕その場でかなりの時間、妻と話し合いました。結局、形だけでも親父の築いた印刷業を残せて、借金からも解放されるという、その叔父の申し出を受ける事にしました。私は叔父の会社で雇われの身となり、それまでの印刷会社の業務を縮小して管理職として居残る事になったのです。余剰の従業員はグループ会社に雇われた。
3カ月程が過ぎ、私の元会社が1部門として動き始めた頃、叔父(村上二郎:60歳)からある提案がありました。〔妻(村上直美:33歳)を本社の経理で使いたい。〕というのです。たしかに妻は経理に明るいのですが、〔お前の所はすでに1部門に過ぎないから、経理の人間はいらないだろう。〕という事でした。
しかし、この提案には私は不安がありました…あの日の、叔父の妻(直美)に対する馴々(なれなれ)しさに…そして元来の叔父の…好色な性格…が心配です。その夜、何カ月かぶりに私(村上正俊:38歳)は直美を抱きました。久しぶりにお互いの肌の温もりを感じ、果ててしまった後、妻に叔父からの提案を話します。
妻の直美は、『社長(叔父)の命令なんだったらそうするしか無いんじゃない‥。』と言います。私は思い切って、心の中にある漠然とした違和感をぶつけてみました。「叔父と何かあったのか?」と妻に言ったと思います。すると、妻(村上直美:33歳)はあまり見せた事も無い悲しそうな顔をして、『どういう意味…?何もあるわけないでしょ?』と呟いたきり顔を臥せ、その夜直美はそれきり口を開く事はありませんでした。
2016/02/14
翌日、午後になって私(村上正俊:38歳)は妻(村上直美:33歳)と一緒に叔父(村上二郎:60歳)の家に向かいます。相変わらずの豪邸に足を踏み入れると、妻は今日を含めて3日間通っているせいか、慣れた様子で私の前を歩き、玄関に立ちました。インターホンで妻が『直美です。』と声を掛けると、叔父が応答し〔入りなさい。〕と促されます。
広い邸内を妻の先導で歩き、叔父がいるリビングへ向かいます。テレビはつけられていますが、叔父は観るでもなくタバコをふかしていました。私達を部屋に迎え入れると、にこやかな笑顔を見せ、ソファーに座るように勧めてきます。
私が先に腰掛けると、叔父は妻に、〔直美、マサ(私の事です)にコーヒーでも入れてやって…。〕と言いました。私はその時、漠然と違和感を覚えます。叔父はそれまで妻の事を〔直美ちゃん〕と呼んでいたはず…でも、その時ははっきりと呼び捨てにしたのでした。
コーヒーを入れさせるという行動…金を受け取る為に、たった2日叔父の家に通っただけの妻…それまで結婚式と法事でしか顔を合わせた事の無い二人…なのに…叔父がそんなに馴々(なれなれ)しく接し、妻(村上直美)の方も戸惑う事なくキッチンに向かいコーヒーを入れている姿が、私にとってはとても不自然に感じました。
しかし、その時の私は何も言えずに、黙ってその光景を見ていたのです。そして、叔父からの大事な話というのは、当然に私の会社の事でした。叔父が言うには、〔兄(父親)の築いた会社を潰したくない気持ちは解るが、現実問題どうにもならない所まで来ている。〕かわいい甥っこを見捨てる事もできないから、自分の会社で私の印刷会社を、〔債務も含めて引き取ってやる。〕という事でした。
そして、その中で一部門として、〔印刷業はそのままお前(私)がやれば良い。〕というのです。〔お前たち二人で話し合えば良い。わしは席をはずす。〕その場でかなりの時間、妻と話し合いました。結局、形だけでも親父の築いた印刷業を残せて、借金からも解放されるという、その叔父の申し出を受ける事にしました。私は叔父の会社で雇われの身となり、それまでの印刷会社の業務を縮小して管理職として居残る事になったのです。余剰の従業員はグループ会社に雇われた。
3カ月程が過ぎ、私の元会社が1部門として動き始めた頃、叔父(村上二郎:60歳)からある提案がありました。〔妻(村上直美:33歳)を本社の経理で使いたい。〕というのです。たしかに妻は経理に明るいのですが、〔お前の所はすでに1部門に過ぎないから、経理の人間はいらないだろう。〕という事でした。
しかし、この提案には私は不安がありました…あの日の、叔父の妻(直美)に対する馴々(なれなれ)しさに…そして元来の叔父の…好色な性格…が心配です。その夜、何カ月かぶりに私(村上正俊:38歳)は直美を抱きました。久しぶりにお互いの肌の温もりを感じ、果ててしまった後、妻に叔父からの提案を話します。
妻の直美は、『社長(叔父)の命令なんだったらそうするしか無いんじゃない‥。』と言います。私は思い切って、心の中にある漠然とした違和感をぶつけてみました。「叔父と何かあったのか?」と妻に言ったと思います。すると、妻(村上直美:33歳)はあまり見せた事も無い悲しそうな顔をして、『どういう意味…?何もあるわけないでしょ?』と呟いたきり顔を臥せ、その夜直美はそれきり口を開く事はありませんでした。
2016/02/14
- 関連記事
-
- 中Ⅱ3《妻の変化》第1話 (2016/01/06)
- 中Ⅱ4〖快楽と堕落〗第1話 (2016/01/10)
- 中Ⅱ3《妻の変化》第2話 (2016/01/15)
- 中Ⅱ5<恋多き妻>VOL.1 (2016/01/17)
- 中Ⅱ3《妻の変化》第3話 (2016/01/24)
- 中Ⅱ6『智子の秘密と裏切り』第1章 (2016/02/02)
- 中Ⅱ6『智子の秘密と裏切り』第2章 (2016/02/13)
- 中Ⅱ1〔叔父と妻・・そして私〕第4話 (2016/02/14)
- 中Ⅱ7〖妻と恋人〗 01 (2016/02/21)
- 中Ⅱ7〖妻と恋人〗 02 (2016/02/28)
- 中Ⅱ8〖溺れる〗第1話 (2016/03/24)
- 中Ⅱ8〖溺れる〗第2話 (2016/03/30)
- 中Ⅱ8〖溺れる〗第3話 (2016/04/05)
- 中Ⅱ9〖戻るべき場所〗その1 (2016/04/09)
- 中Ⅱ7〖妻と恋人〗 03 (2016/04/09)
コメント
コメントの投稿