中Ⅱ8〖溺れる〗第4話
中Ⅱ8〖溺れる〗第4話
長Ⅱ6〔償い〕第4回
第3話
仕事の話は直ぐに済みます。〔3カ月位経って慣れたところで他の課員と同じ様に出張にも出て欲しい。〕との事でした。他の課員は一週間に一度位の頻度で出張に出ます。時には一泊する事もありました。それは食品の仕入先に出向くのです。検査結果の報告と今後の仕入計画を打ち合わせしてきます。この出張は、仕入先に対しきちんと検査をしていますよと言う姿勢を見せる為で、検査結果の報告はメールやFAXで済む事なのですが、ただ仕入れの話は専門の仕入れ担当者と面談が欠かせません。それは良い仕入先を確保しておく為、出来るだけ多くの担当者と会わせておきたいのでした。会社の経営姿勢が見えてきます。
妻(木内翔子:しょうこ:46歳)は《自分だけ特別扱いされるのもおかしい》と思い、常務の郷原俊夫(52歳)の提案(出張の件)を受け入れてしまいます。
〔仕事のはなしはこれぐらいで、さあ、どんどん食べて。取って置きのワインもあるし。〕
『ええ、でもこんなに食べられません。それにワインは、車に乗ってきましたから・・・。』
〔大丈夫、代行運転を頼んであげるから。さあ、飲もう。〕
そういえば結婚以来、夫以外の男性と二人で料亭の個室で食事するなんて、妻にとって初めての経験でした。そんな緊張も豪華な食事と高級ワインが進むにつれ徐々に解(ほぐ)れてきます。
〔木内さん、悪いけどワインを注いでくれないか? さあ、僕の横に来てくれるかい。〕
『え・・・はい。』
郷原常務の言われることに妻に断る理由などありません。
〔さあさあ、木内さんも飲んで。〕
郷原が妻の翔子にワインを注ぎます。すると、さりげなく郷原常務の手が妻の体に触れました。ワインの酔いも手伝っているのでしょう、妻も強くは拒否をしません。手の甲で乳房を押すように触れます。
『常務さん、だめっ・・悪戯(いたずら)が過ぎますよ。』
翔子の乳首をも押したのでしょうか。ほんのり酔った顔が益々、ピンクに染まります。敏感な乳首です。感じもしたのでした。
〔すまん。木内さんの魅力に、手が勝手に吸い寄せられたみたいだ。〕
郷原はその手をすっと引きます。女の嫌がる事は無理強いしません。女の扱いに慣れているのでした。妻は郷原常務に誠実さを感じてしまいます。それとは逆に若干の物足りなさも残るのでした。
〔そうだ木内さん、君の車は先に代行運転に頼んで返しておこう。君は僕の車で送って行こう。〕
少し考えればおかしいのが解る筈ですが、少し酔っていた妻は郷原の好意として受け取ります。そして帰りがけに、郷原常務から小さな箱を渡されました。
〔社用の携帯電話だ。仕事の連絡用に使ってくれればいいよ。僕の番号とメールアドレスはインプットしておいた。後は自分で必要な分を入力すればいい。〕
どうして郷原が直接、手渡すのか。妻はその不自然さに気がつきません。業務用なら、課から支給される筈です。それは郷原が個人で妻との連絡用に用意したものなのです。食事が終わり、翔子も車に乗り込みます。郷原が乗ってきた車はリムジンタイプの社用車です。運転席からはスモークガラスで仕切られていて後部座席の様子は見えませんでした。
2016/04/11
長Ⅱ6〔償い〕第4回
第3話
仕事の話は直ぐに済みます。〔3カ月位経って慣れたところで他の課員と同じ様に出張にも出て欲しい。〕との事でした。他の課員は一週間に一度位の頻度で出張に出ます。時には一泊する事もありました。それは食品の仕入先に出向くのです。検査結果の報告と今後の仕入計画を打ち合わせしてきます。この出張は、仕入先に対しきちんと検査をしていますよと言う姿勢を見せる為で、検査結果の報告はメールやFAXで済む事なのですが、ただ仕入れの話は専門の仕入れ担当者と面談が欠かせません。それは良い仕入先を確保しておく為、出来るだけ多くの担当者と会わせておきたいのでした。会社の経営姿勢が見えてきます。
妻(木内翔子:しょうこ:46歳)は《自分だけ特別扱いされるのもおかしい》と思い、常務の郷原俊夫(52歳)の提案(出張の件)を受け入れてしまいます。
〔仕事のはなしはこれぐらいで、さあ、どんどん食べて。取って置きのワインもあるし。〕
『ええ、でもこんなに食べられません。それにワインは、車に乗ってきましたから・・・。』
〔大丈夫、代行運転を頼んであげるから。さあ、飲もう。〕
そういえば結婚以来、夫以外の男性と二人で料亭の個室で食事するなんて、妻にとって初めての経験でした。そんな緊張も豪華な食事と高級ワインが進むにつれ徐々に解(ほぐ)れてきます。
〔木内さん、悪いけどワインを注いでくれないか? さあ、僕の横に来てくれるかい。〕
『え・・・はい。』
郷原常務の言われることに妻に断る理由などありません。
〔さあさあ、木内さんも飲んで。〕
郷原が妻の翔子にワインを注ぎます。すると、さりげなく郷原常務の手が妻の体に触れました。ワインの酔いも手伝っているのでしょう、妻も強くは拒否をしません。手の甲で乳房を押すように触れます。
『常務さん、だめっ・・悪戯(いたずら)が過ぎますよ。』
翔子の乳首をも押したのでしょうか。ほんのり酔った顔が益々、ピンクに染まります。敏感な乳首です。感じもしたのでした。
〔すまん。木内さんの魅力に、手が勝手に吸い寄せられたみたいだ。〕
郷原はその手をすっと引きます。女の嫌がる事は無理強いしません。女の扱いに慣れているのでした。妻は郷原常務に誠実さを感じてしまいます。それとは逆に若干の物足りなさも残るのでした。
〔そうだ木内さん、君の車は先に代行運転に頼んで返しておこう。君は僕の車で送って行こう。〕
少し考えればおかしいのが解る筈ですが、少し酔っていた妻は郷原の好意として受け取ります。そして帰りがけに、郷原常務から小さな箱を渡されました。
〔社用の携帯電話だ。仕事の連絡用に使ってくれればいいよ。僕の番号とメールアドレスはインプットしておいた。後は自分で必要な分を入力すればいい。〕
どうして郷原が直接、手渡すのか。妻はその不自然さに気がつきません。業務用なら、課から支給される筈です。それは郷原が個人で妻との連絡用に用意したものなのです。食事が終わり、翔子も車に乗り込みます。郷原が乗ってきた車はリムジンタイプの社用車です。運転席からはスモークガラスで仕切られていて後部座席の様子は見えませんでした。
2016/04/11
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