中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第一章その3
中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第一章その3
それほどまでにして守り抜きたいもの・・・“最後の一線”とは、私(山下一雄:やました・かずお:49歳)に捧げる妻(山下芳恵:やました・よしえ:45歳)の愛情なのだ・・・こんな風に解釈すれば、妻に対する堪らない愛しさが湧いてきます。なのに、私は何故・・・ 妻が他の男に抱かれ、射精を浴びる瞬間を見てみたいと思ってしまうのか? 自問の答えは、よくわかっていました。
互いの性器を交合わせているうちに、やがて蕩けるような快感がやってくる。すると、二人の体が熔け合って、甘く恍惚とした一体感が心を蝕んでいく・・・そして、妻と男が精神的にひとつに結ばれる。その時こそが私にとって、最も切ない胸が締め付けられるような瞬間なのであった。夫の存在を忘れきって、至福の悦びに浸る妻の姿を眺めながら、“幸せ”が壊れていく喜びを味わいたいのです。
突き詰めれば、このように妻の体だけでなく、心まで堕としてしまいたいと願うのは、自分自身に、例えようがない程の苦痛を与えてほしいと願う被虐願望の顕れなのでした。頭の中ではこのように自分を客観できますが、かといって、この欲望に歯止めをかけることはできません。思い悩んだ挙句も、一旦、心を決めたとなると、実行に向かってまっしぐらに突き進んでしまうタイプが私なのです。
私のこの想いを実行に移すには、何をおいても先ず、妻の芳恵にそのことを納得させなければなりません。それから、いくつかの条件を折り合わせ、筋書きを整える手順になるでしょう。最初に、妻と話し合って決めてあること・・・(ネットを使って、相手を選ばないこと。一度に複数の男性とはしないこと。)これらのことは守らなければなりません。
このように決めた訳が・・・実は、私たちがこのような道に踏み込んだ初めての体験は、インターネットを手掛かりに辿(たど)りついたグループセックスでした。その時分は、夫婦の関係が倦怠期を迎えていた頃で、二人ともまだ味わったことがない刺激とスリルに魅入られて、恐る恐る未知の世界に足を踏み入れた訳ですが、まだ慣れていない所為もあったのでしょう。妻の立場からしてみると、どうやら散々な結果だったようで、とにかく、それ以来、インターネットを利用して複数の男性と交わることは止めました。
次に考えられることは、秘密裏に行われる近場のパーティに参加すること。若しくは、遠出して観光地や温泉宿など、旅先で出会った見ず知らずの男にそのことを持ちかけることです。でも、これらの選択肢にも難があります・・・某所で行われるパーティといっても、何だか不気味で、偶然、私や妻の知人と顔を合わせた時のことを思うと二の足を踏んでしまいますし、温泉場で、行きずりの男性と・・と思っても、まさか、得体が知れない全く見ず知らずの男に、避妊具なしでのセックスを許す訳にもいきません。
今、私が心底から望んでいること・・それは、妻が頑なに拒んでいる避妊具なしでの交わりなのでした。この想いを、すべてのことに優先させたい・・・こんな風に、錯綜する条件を整えてみると、どうしても旧知の男性に的を絞って、妻を抱いてもらうしか術がありません。
しかし、これ以上、関係する男性の数を増やす訳にもいかない。そうなれば、やはり、伊藤雅之さんか篠田学に、妻のお相手をしてもらうのが自然な流れだろう。妻にしても、この二人なら嫌とは言わないはずだ。寝物語で二人の男の名前を挙げて・・・果たして、妻が、どちらの男性の名を口にするのか聞くのも悪くない。一番厄介なのは、“最後の一線”を踏み越えることを、妻に納得させることかもしれない・・・。 第一章その4へ続く
2016/12/30
それほどまでにして守り抜きたいもの・・・“最後の一線”とは、私(山下一雄:やました・かずお:49歳)に捧げる妻(山下芳恵:やました・よしえ:45歳)の愛情なのだ・・・こんな風に解釈すれば、妻に対する堪らない愛しさが湧いてきます。なのに、私は何故・・・ 妻が他の男に抱かれ、射精を浴びる瞬間を見てみたいと思ってしまうのか? 自問の答えは、よくわかっていました。
互いの性器を交合わせているうちに、やがて蕩けるような快感がやってくる。すると、二人の体が熔け合って、甘く恍惚とした一体感が心を蝕んでいく・・・そして、妻と男が精神的にひとつに結ばれる。その時こそが私にとって、最も切ない胸が締め付けられるような瞬間なのであった。夫の存在を忘れきって、至福の悦びに浸る妻の姿を眺めながら、“幸せ”が壊れていく喜びを味わいたいのです。
突き詰めれば、このように妻の体だけでなく、心まで堕としてしまいたいと願うのは、自分自身に、例えようがない程の苦痛を与えてほしいと願う被虐願望の顕れなのでした。頭の中ではこのように自分を客観できますが、かといって、この欲望に歯止めをかけることはできません。思い悩んだ挙句も、一旦、心を決めたとなると、実行に向かってまっしぐらに突き進んでしまうタイプが私なのです。
私のこの想いを実行に移すには、何をおいても先ず、妻の芳恵にそのことを納得させなければなりません。それから、いくつかの条件を折り合わせ、筋書きを整える手順になるでしょう。最初に、妻と話し合って決めてあること・・・(ネットを使って、相手を選ばないこと。一度に複数の男性とはしないこと。)これらのことは守らなければなりません。
このように決めた訳が・・・実は、私たちがこのような道に踏み込んだ初めての体験は、インターネットを手掛かりに辿(たど)りついたグループセックスでした。その時分は、夫婦の関係が倦怠期を迎えていた頃で、二人ともまだ味わったことがない刺激とスリルに魅入られて、恐る恐る未知の世界に足を踏み入れた訳ですが、まだ慣れていない所為もあったのでしょう。妻の立場からしてみると、どうやら散々な結果だったようで、とにかく、それ以来、インターネットを利用して複数の男性と交わることは止めました。
次に考えられることは、秘密裏に行われる近場のパーティに参加すること。若しくは、遠出して観光地や温泉宿など、旅先で出会った見ず知らずの男にそのことを持ちかけることです。でも、これらの選択肢にも難があります・・・某所で行われるパーティといっても、何だか不気味で、偶然、私や妻の知人と顔を合わせた時のことを思うと二の足を踏んでしまいますし、温泉場で、行きずりの男性と・・と思っても、まさか、得体が知れない全く見ず知らずの男に、避妊具なしでのセックスを許す訳にもいきません。
今、私が心底から望んでいること・・それは、妻が頑なに拒んでいる避妊具なしでの交わりなのでした。この想いを、すべてのことに優先させたい・・・こんな風に、錯綜する条件を整えてみると、どうしても旧知の男性に的を絞って、妻を抱いてもらうしか術がありません。
しかし、これ以上、関係する男性の数を増やす訳にもいかない。そうなれば、やはり、伊藤雅之さんか篠田学に、妻のお相手をしてもらうのが自然な流れだろう。妻にしても、この二人なら嫌とは言わないはずだ。寝物語で二人の男の名前を挙げて・・・果たして、妻が、どちらの男性の名を口にするのか聞くのも悪くない。一番厄介なのは、“最後の一線”を踏み越えることを、妻に納得させることかもしれない・・・。 第一章その4へ続く
2016/12/30
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