中K〖歩美と剛司 第32話〗
中K〖歩美と剛司 第32話〗
第31話
翌週の月曜日、僕(遥人:はると:27歳)は剛司(たけし:27歳)から飲みに誘われた。確認したい事があるとの事で。ビールで乾杯、すぐに剛司が聞いてくる。
〔酔う前に聞きたいんだけどさ、ぶっちゃけ歩美ちゃんと、どうなの?〕
「え? 何それ? 意味わからんよ。もう酔ってる?」
〔だから! 酔う前に確かめときたいんだよ。遥人、歩美(あゆみ:24歳)ちゃんと結婚するんだろうな?〕
「勿論」
〔それなら、どう思ってんの? 歩美ちゃんの事を?〕
剛司のこの質問に、《ちょっと今更何を言い出すんだ?》と思ってしまった。
「はあ~、それはないだろ今更。抱かせる理由はお前も理解していただろ? それを今更咎めるとかってあり得ないけど。」
〔違う違う、そんなつもりじゃないよ。抱かせて貰っている理由は理解しているよ。そうじゃなくてさ。〕
「じゃあ何だよ!」
僕は大袈裟に嫌な顔をしてダルそうに剛司に言った。
〔遥人さ、最近僕からの報告、全然聞いてこないじゃん。電話をしても出ない時あるだろ? なんで? 意味ないだろ?」
「・・・・・・・・・・。」
〔それにあんま歩美ちゃんを抱いてやってないみたいだし」
「・・・・・・・・・・。」
一瞬言葉に詰まってしまう。図星なのだ。一口ビールを口にしてから正直に答える。
「いや、仕事が結構キツイんだよ。キツイだけじゃなくて、メチャクチャやり甲斐あってさ。」
〔全然関係ないだろ!〕
剛司が強く言い切る。
それから僕は時間をかけてゆっくり説明した。就職してはじめて仕事にやり甲斐を感じて
いる事。精神的にも肉体的にも酷使するので、部屋に戻るとやり切った感から、結構抜け殻みたくなる事。仕事でこの上ない満足感、達成感を得ることが出来るので、色々な意味で満たされている事。その分他の欲求が減退しているかもしれないけど等々。
剛司は何と無く理解してないような感じだったので、今僕がやっている仕事、どれだけプレッシャーがあり、どれだけ責任が重く、どれだけ自分の裁量が物事を大きく左右するのか、を再度熱心に語るが剛司は大きく溜息をつく。
〔まあ、それは分かったけど・・・・今まで通りでいいんだな?〕
「勿論だよ。ボディガードもやってくれて感謝してるよ。」
はっきり言って少し強がりはあった。でもそれ以上に自信もあったから、真剣な眼差しで確認してくる剛司に答えた。
〔だけど「仕事の方が大切」みたいな事にはなるなよ。〕
そう言われてこの件の話は終了。 第33話に続く
2018/01/03
第31話
翌週の月曜日、僕(遥人:はると:27歳)は剛司(たけし:27歳)から飲みに誘われた。確認したい事があるとの事で。ビールで乾杯、すぐに剛司が聞いてくる。
〔酔う前に聞きたいんだけどさ、ぶっちゃけ歩美ちゃんと、どうなの?〕
「え? 何それ? 意味わからんよ。もう酔ってる?」
〔だから! 酔う前に確かめときたいんだよ。遥人、歩美(あゆみ:24歳)ちゃんと結婚するんだろうな?〕
「勿論」
〔それなら、どう思ってんの? 歩美ちゃんの事を?〕
剛司のこの質問に、《ちょっと今更何を言い出すんだ?》と思ってしまった。
「はあ~、それはないだろ今更。抱かせる理由はお前も理解していただろ? それを今更咎めるとかってあり得ないけど。」
〔違う違う、そんなつもりじゃないよ。抱かせて貰っている理由は理解しているよ。そうじゃなくてさ。〕
「じゃあ何だよ!」
僕は大袈裟に嫌な顔をしてダルそうに剛司に言った。
〔遥人さ、最近僕からの報告、全然聞いてこないじゃん。電話をしても出ない時あるだろ? なんで? 意味ないだろ?」
「・・・・・・・・・・。」
〔それにあんま歩美ちゃんを抱いてやってないみたいだし」
「・・・・・・・・・・。」
一瞬言葉に詰まってしまう。図星なのだ。一口ビールを口にしてから正直に答える。
「いや、仕事が結構キツイんだよ。キツイだけじゃなくて、メチャクチャやり甲斐あってさ。」
〔全然関係ないだろ!〕
剛司が強く言い切る。
それから僕は時間をかけてゆっくり説明した。就職してはじめて仕事にやり甲斐を感じて
いる事。精神的にも肉体的にも酷使するので、部屋に戻るとやり切った感から、結構抜け殻みたくなる事。仕事でこの上ない満足感、達成感を得ることが出来るので、色々な意味で満たされている事。その分他の欲求が減退しているかもしれないけど等々。
剛司は何と無く理解してないような感じだったので、今僕がやっている仕事、どれだけプレッシャーがあり、どれだけ責任が重く、どれだけ自分の裁量が物事を大きく左右するのか、を再度熱心に語るが剛司は大きく溜息をつく。
〔まあ、それは分かったけど・・・・今まで通りでいいんだな?〕
「勿論だよ。ボディガードもやってくれて感謝してるよ。」
はっきり言って少し強がりはあった。でもそれ以上に自信もあったから、真剣な眼差しで確認してくる剛司に答えた。
〔だけど「仕事の方が大切」みたいな事にはなるなよ。〕
そう言われてこの件の話は終了。 第33話に続く
2018/01/03
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