〔トライアングル〕 第2章の2
中Aトライアングル 第2-2
夕食は翠の手料理。その後、飲みながら英人の愚痴を聞いていた。暫くして二人とも酔いが回った頃、ふと英人が〔翠ちゃん、相変わらず料理上手いよな。〕と口にした。付き合った事があるからこそのセリフ。嫉妬心に火がついた。恐らく俺の表情は一気に硬くなったはずだが、酔った英人は全く気付かない、どころか、自分の発言が俺の気持ちを揺さぶっている事すら分かっていない状態だった。台所で後片付けしている翠にも聞こえていない。
俺は自分が酔っているのもあったが、英人に色々と訊いてみた。
「料理どころか、こないだ翠を喰っただろ!(笑)」
〔まじ悪りい。久々に良い思いさせてもらいました・・・・。〕
「〔良い思い〕って普通に夫の前で言うかな?」
〔ほんとにスマン。酔っていたから何か“デジャヴ(ある光景を見てそれを前にも見たことがあると錯覚する現象)”のような・・・。〕
「お前、なんで翠と別れたの?」
〔いろいろあってさ。ま~大人の事情さ。〕
「嘘つけ。ただ飽きたからだろう。」
ここで片づけを終えて台所から翠が戻ってきて、『何楽しそうに話してるの?そうだ電車あるかな?英人さん泊まってく?帰る?』と言うと、一も二もなく(あれこれいうまでもなく)英人が〔お言葉に甘えて、有難く、泊まらせていただきます~〕と気楽な態度。(つい最近、諸事情があったにせよ人の妻とセックスしておきながらだ。)、『それじゃあどちらでもいいから、お風呂早く入ってくれる。』と翠が急かすが。俺が「翠が先に入れよ。俺たちの事は気にすんな。適当にしてるから。」、『そう・・・・。じゃすぐ入ってくるね。ゴメンね。』
俺は、翠がバスルームに入るのを確認してから英人に、「なあ、お前、また翠を抱いてもいいんだぞ?」と言った。〔え?マジでっ?・・・・。それでいいのか?お前大丈夫か?〕と真剣な顔つきの英人に「勿論今だけだ。傷心の友を放っておけないからさ。」最初、英人は疑心暗鬼だったが、俺が真剣だと分かったら、ウキウキしながら風呂から上がった翠と入れ替わりでバスルームに入っていく。
今度は翠を説得する。最初、全く取り合ってくれなかったが、俺が真面目な顔で訴えると徐々に涙目になる。翠は動揺した時、いつもこうなるのだ。そして、『智浩本気なの?私の事、嫌いになったの?この前のこと怒ってるの?』と訴えてくる。「ちがうよ。この前は俺が言い出したことだし、今夜は真面目なお願いとして頼んでいるんだ。英人を慰めてやってくれよ。あいつ、今でも翠の事好きみたいだからさ。」
翠は「今でも好き」と言う俺の言葉に動揺していた。目が泳いでいるのを見て俺は、(あー、やっぱ未だに英人の事引きずっているのか?)ってブルーな気分に。それは俺の妻という優位性が崩れた瞬間だった。
間もなく英人が風呂から上がると同時に俺はバスルームに入り、速攻でシャワーを浴びた。(二人っきりでもう始めていたらどうしよう?)、と現実的にはあり得ない情景を思い浮かべるうちに勃起してくる・・・・。バスルームから出る時、音を立てない様にこっそりリビングを覗いた。二人とも普通に缶ビールを呑んでいた。でも何となくギクシャクしていた。心なしか、翠の頬も赤いようにも見えた。風呂上がりだからかもしれないが・・・・。
俺が合流すると二人ともホッとした表情になる。しかし、俺は二人のこのリアクションで、もう既に二人の世界を作りつつあるような気がした。俺は今や二人にとって邪魔者なんだと思った。まだ付き合い始めて間も無いカップルにありがちな、心地よい緊張感を楽しんでいたように見えた。
急に寂しさと緊張で喉が異常に乾いてきた俺は、缶ビールをがぶ飲みした。そして、三本目を空けた所で俺は眠ってしまったようだ。深夜、翠の囁き声で目が覚めた。カーテンを閉め忘れた室内は月明かりでぼんやりとしていた。
夕食は翠の手料理。その後、飲みながら英人の愚痴を聞いていた。暫くして二人とも酔いが回った頃、ふと英人が〔翠ちゃん、相変わらず料理上手いよな。〕と口にした。付き合った事があるからこそのセリフ。嫉妬心に火がついた。恐らく俺の表情は一気に硬くなったはずだが、酔った英人は全く気付かない、どころか、自分の発言が俺の気持ちを揺さぶっている事すら分かっていない状態だった。台所で後片付けしている翠にも聞こえていない。
俺は自分が酔っているのもあったが、英人に色々と訊いてみた。
「料理どころか、こないだ翠を喰っただろ!(笑)」
〔まじ悪りい。久々に良い思いさせてもらいました・・・・。〕
「〔良い思い〕って普通に夫の前で言うかな?」
〔ほんとにスマン。酔っていたから何か“デジャヴ(ある光景を見てそれを前にも見たことがあると錯覚する現象)”のような・・・。〕
「お前、なんで翠と別れたの?」
〔いろいろあってさ。ま~大人の事情さ。〕
「嘘つけ。ただ飽きたからだろう。」
ここで片づけを終えて台所から翠が戻ってきて、『何楽しそうに話してるの?そうだ電車あるかな?英人さん泊まってく?帰る?』と言うと、一も二もなく(あれこれいうまでもなく)英人が〔お言葉に甘えて、有難く、泊まらせていただきます~〕と気楽な態度。(つい最近、諸事情があったにせよ人の妻とセックスしておきながらだ。)、『それじゃあどちらでもいいから、お風呂早く入ってくれる。』と翠が急かすが。俺が「翠が先に入れよ。俺たちの事は気にすんな。適当にしてるから。」、『そう・・・・。じゃすぐ入ってくるね。ゴメンね。』
俺は、翠がバスルームに入るのを確認してから英人に、「なあ、お前、また翠を抱いてもいいんだぞ?」と言った。〔え?マジでっ?・・・・。それでいいのか?お前大丈夫か?〕と真剣な顔つきの英人に「勿論今だけだ。傷心の友を放っておけないからさ。」最初、英人は疑心暗鬼だったが、俺が真剣だと分かったら、ウキウキしながら風呂から上がった翠と入れ替わりでバスルームに入っていく。
今度は翠を説得する。最初、全く取り合ってくれなかったが、俺が真面目な顔で訴えると徐々に涙目になる。翠は動揺した時、いつもこうなるのだ。そして、『智浩本気なの?私の事、嫌いになったの?この前のこと怒ってるの?』と訴えてくる。「ちがうよ。この前は俺が言い出したことだし、今夜は真面目なお願いとして頼んでいるんだ。英人を慰めてやってくれよ。あいつ、今でも翠の事好きみたいだからさ。」
翠は「今でも好き」と言う俺の言葉に動揺していた。目が泳いでいるのを見て俺は、(あー、やっぱ未だに英人の事引きずっているのか?)ってブルーな気分に。それは俺の妻という優位性が崩れた瞬間だった。
間もなく英人が風呂から上がると同時に俺はバスルームに入り、速攻でシャワーを浴びた。(二人っきりでもう始めていたらどうしよう?)、と現実的にはあり得ない情景を思い浮かべるうちに勃起してくる・・・・。バスルームから出る時、音を立てない様にこっそりリビングを覗いた。二人とも普通に缶ビールを呑んでいた。でも何となくギクシャクしていた。心なしか、翠の頬も赤いようにも見えた。風呂上がりだからかもしれないが・・・・。
俺が合流すると二人ともホッとした表情になる。しかし、俺は二人のこのリアクションで、もう既に二人の世界を作りつつあるような気がした。俺は今や二人にとって邪魔者なんだと思った。まだ付き合い始めて間も無いカップルにありがちな、心地よい緊張感を楽しんでいたように見えた。
急に寂しさと緊張で喉が異常に乾いてきた俺は、缶ビールをがぶ飲みした。そして、三本目を空けた所で俺は眠ってしまったようだ。深夜、翠の囁き声で目が覚めた。カーテンを閉め忘れた室内は月明かりでぼんやりとしていた。
- 関連記事
-
- 中A〔トライアングル〕 第1話 (2014/07/24)
- 中A〔トライアングル〕 第2話 (2014/07/26)
- 〔トライアングル〕 第1章の3 (2014/07/29)
- 〔トライアングル〕 第2章の1 (2014/08/03)
- 〔トライアングル〕 第2章の2 (2014/08/13)
- 〔トライアングル〕 第2章の3 (2014/08/26)
- 〔トライアングル〕 第2章の4 (2014/08/29)
- 〔トライアングル〕 第2章の5 (2014/09/04)
- 〔トライアングル〕 第3章の1〖エピソードⅠ〗 (2014/09/07)
- 〔トライアングル〕 第3章の2〖エピソードⅠ-2〗 (2014/09/10)
- 〔トライアングル〕 第3章の3〖エピソードⅠ-3〗 (2014/09/13)
- 〔トライアングル〕 第3章の4〖エピソードⅠ-4〗 (2014/09/13)
- 〔トライアングル〕 第4章の1〖エピソードⅡ-1〗 (2014/09/22)
- 〔トライアングル〕第4章の2〖エピソードⅡ-2〗 (2014/09/28)
- 〔トライアングル〕 第4章の3〖エピソードⅡ-3〗 (2014/09/29)
コメント
コメントの投稿