〔トライアングル〕 第2章の4
中Aトライアングル 第2-4
英人の腰の動きが激しさを増し、“ぐっちゃぐっちゃ”という卑猥な音が部屋中に響き始めた時、堪らず翠も声を上げ始めた。『いやぁ、いやぁ・・・・。もう・・・・。ヤダぁ・・・・。・・・・。あぁぁぁぁぁ、お願い・・・・。』それは半分泣いている感じだった。
〔おお、出る・・・・。出る!出る!〕英人はそれでコンドームの中に射精、そのまま翠の上に倒れそうになったが、一瞬俺の方を見て思いとどまり、抜いてからコンドームを外した。
五分くらいだろうか、三人共無言のまま時間が過ぎた。そして翠が、腰をふらつかせながらも立ち上がる。それから俺たちに何も言わずに隣の寝室へ入って出てこなくなった。
〔智浩、何と言うか、その、ゴメンな。調子に乗りすぎたわ・・・。〕とバツが悪そうに謝る英人。俺はすぐに返答出来なかった。英人のセックスに圧倒されていたのだと思う。我に帰り、「あぁ、いいよ・・・・。俺が言った事だし・・・・。」そう言うのが精一杯だった。
〔ごめん智浩、やっぱ俺帰るわ。〕
「え?いや、もう遅いからこのまま泊まってけよ。」
〔いや、そう出来れば有難いけどさ・・・・。翠ちゃん、朝合わせる顔ないだろ・・・・。〕
「それはそうかも」、と思い、英人を送り出した。そして俺はそのままリビングで横になった。今更寝室を覗く気にもなれなかった・・・・。それは正直怖くてできなかっただよね。 眠れない夜が開け、「散歩に行ってくる。」とメモを置いて出掛けた。翠といきなり顔を合わせるのも何なので、俺なりに配慮したつもりだった。
その帰り道、コンビニの前で翠にメールをする。≪何か買ってくもの、ある?≫まだ起きてないかもしれないと思ったら、すぐに≪大丈夫だよ。≫とリメールがあった。家に戻ってからは昨夜の話は一切無し。不自然なようで、不自然ではないような、不思議な一日だった。
翌日、俺と翠はベッドにいた。いつも通りの愛撫から始めていったが、何となくお互い固い。翠は翠で、俺の愛撫に応えようと無理に感情移入をしようとしたり、そうかと思ったら俺から目を背けて唇を噛み締めてみたりしていた。
俺は目の前の翠の乳房やお腹や首筋なんかを間近で見て、昨日は英人にオモチャにされていたんだよな・・・・。と妙に感傷的になったり異常な興奮をしたり。二人とも行動と気持ちがチグハグだったと思う。上半身を一通り愛撫、翠のあそこに触れたのだけど、殆ど濡れていなかった。こんな事、今まで初めてだったので、勇気を出して訊いてみた。
「翠・・・・今日は辞めとく?」
『・・・・ゴメンね・・・・。』
「・・・・。・・・・。」
俺は翠から離れ、裸のまま隣に横になった。暫く沈黙が続く。結婚以来、沈黙が恐いと思った事は一度もなかったのに、この時間が恐くて苦しくて・・・・。俺達夫婦は、今後英人との事を避けては前に進めないと思い、覚悟を決めて翠に話し掛けた。
「・・・・昨夜の・・・・事だけどさ・・・・。」
『う・・・・ん・・・・。』
「俺の事・・・・嫌いになった?」
『・・・・・・・・・・・・。』
「やっぱり軽蔑しているよな?」
翠は黙ったまま俯いていたが、ゆっくりとこちらを向くと、目は伏せたまま口を開いた。『私の事が嫌いになったから?・・・・。』
「・・・・え?・・・・そんな訳ないよ。」
『でも好きならあんな事をさせないよ。普通そうでしょ?』
「・・・・・・・・普通・・・か・・・・。」
少しの沈黙の後、今度は俺の目をはっきり見て言った。
『智浩は・・・・変態なの?』
それは図星だ。俺は毛布の中で翠の手を握りながら全てを白状した。
英人の腰の動きが激しさを増し、“ぐっちゃぐっちゃ”という卑猥な音が部屋中に響き始めた時、堪らず翠も声を上げ始めた。『いやぁ、いやぁ・・・・。もう・・・・。ヤダぁ・・・・。・・・・。あぁぁぁぁぁ、お願い・・・・。』それは半分泣いている感じだった。
〔おお、出る・・・・。出る!出る!〕英人はそれでコンドームの中に射精、そのまま翠の上に倒れそうになったが、一瞬俺の方を見て思いとどまり、抜いてからコンドームを外した。
五分くらいだろうか、三人共無言のまま時間が過ぎた。そして翠が、腰をふらつかせながらも立ち上がる。それから俺たちに何も言わずに隣の寝室へ入って出てこなくなった。
〔智浩、何と言うか、その、ゴメンな。調子に乗りすぎたわ・・・。〕とバツが悪そうに謝る英人。俺はすぐに返答出来なかった。英人のセックスに圧倒されていたのだと思う。我に帰り、「あぁ、いいよ・・・・。俺が言った事だし・・・・。」そう言うのが精一杯だった。
〔ごめん智浩、やっぱ俺帰るわ。〕
「え?いや、もう遅いからこのまま泊まってけよ。」
〔いや、そう出来れば有難いけどさ・・・・。翠ちゃん、朝合わせる顔ないだろ・・・・。〕
「それはそうかも」、と思い、英人を送り出した。そして俺はそのままリビングで横になった。今更寝室を覗く気にもなれなかった・・・・。それは正直怖くてできなかっただよね。 眠れない夜が開け、「散歩に行ってくる。」とメモを置いて出掛けた。翠といきなり顔を合わせるのも何なので、俺なりに配慮したつもりだった。
その帰り道、コンビニの前で翠にメールをする。≪何か買ってくもの、ある?≫まだ起きてないかもしれないと思ったら、すぐに≪大丈夫だよ。≫とリメールがあった。家に戻ってからは昨夜の話は一切無し。不自然なようで、不自然ではないような、不思議な一日だった。
翌日、俺と翠はベッドにいた。いつも通りの愛撫から始めていったが、何となくお互い固い。翠は翠で、俺の愛撫に応えようと無理に感情移入をしようとしたり、そうかと思ったら俺から目を背けて唇を噛み締めてみたりしていた。
俺は目の前の翠の乳房やお腹や首筋なんかを間近で見て、昨日は英人にオモチャにされていたんだよな・・・・。と妙に感傷的になったり異常な興奮をしたり。二人とも行動と気持ちがチグハグだったと思う。上半身を一通り愛撫、翠のあそこに触れたのだけど、殆ど濡れていなかった。こんな事、今まで初めてだったので、勇気を出して訊いてみた。
「翠・・・・今日は辞めとく?」
『・・・・ゴメンね・・・・。』
「・・・・。・・・・。」
俺は翠から離れ、裸のまま隣に横になった。暫く沈黙が続く。結婚以来、沈黙が恐いと思った事は一度もなかったのに、この時間が恐くて苦しくて・・・・。俺達夫婦は、今後英人との事を避けては前に進めないと思い、覚悟を決めて翠に話し掛けた。
「・・・・昨夜の・・・・事だけどさ・・・・。」
『う・・・・ん・・・・。』
「俺の事・・・・嫌いになった?」
『・・・・・・・・・・・・。』
「やっぱり軽蔑しているよな?」
翠は黙ったまま俯いていたが、ゆっくりとこちらを向くと、目は伏せたまま口を開いた。『私の事が嫌いになったから?・・・・。』
「・・・・え?・・・・そんな訳ないよ。」
『でも好きならあんな事をさせないよ。普通そうでしょ?』
「・・・・・・・・普通・・・か・・・・。」
少しの沈黙の後、今度は俺の目をはっきり見て言った。
『智浩は・・・・変態なの?』
それは図星だ。俺は毛布の中で翠の手を握りながら全てを白状した。
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