特名 〖興奮と嫉妬と不安の狭間で〗 第6節3章 47
特名 〖興奮と嫉妬と不安の狭間で〗 第6節3章 47
〖貸し出し③〗
正直その向井さんからのメールが無かったら行っていたかもと思う。理解して貰えるか分からないけど、その時の“嫉妬と不安”って別物なんだと思った。葵が向井さんの部屋にいる事が判らない状態は不安。不安っていうのには俺は耐えられないのだと思う。
少なくとも不安と嫉妬が一緒の状態は心が重くて耐えられない。向井さんのメールにとてつもなく嫉妬をしたのだけれど不安はなくなって、だからそういう風にしたのだと思う。
葵からは、≪大輔君お疲れ様。まだ会社から出られないの?今日くらい残業無しならいいのにね~。≫って返事がきた。運転できずに路肩に車止めていた。めまいでもないのだけどずっと頭の中がぐるぐるして視野が狭くなるような状態で30分程そこで過ごした。
そしたら、もう一回、葵から≪向井さんとHシテいい?≫ってメールが届く。直後に、≪・・・ってお願いしてって向井さんに言われました。もし、まだ仕事中だったら大輔君ホントごめんなさい。≫との内容だった。
ずっとそのメールの文面見ながら考えて、暫くしてから≪さっき車で出た所。その件は葵がいいなら構わないよ。≫と返信をした。
直後に向井さんから誤字ありで急いだ感じのメール(誤字は直しています)が、≪実は最初のメールの時点で挿入れています。明日着る予定の水着を着させているけど今日の葵ちゃんかなりエロいです。今日はずっとキスしまくっています。≫というショックな内容だった。葵からの再返信は来なかった。
俺はそれからの2時間がこれ以上ないってくらい嫉妬と憔悴と興奮が混じった状態だった。向井さんからは途中一回≪まだ大輔さん高速ですか?中継しましょうか?≫ってメールが来たけど無視をして返信をしなかった。
以降一切メール以外の連絡はなし。向井さんはやっぱり判っていて途中俺の事を気にかけているので数回短文でメールが来た。最初は≪大丈夫?あまり急がずに。ホテル着いたら電話ください。≫で、俺も≪OKです。よろしく。≫って返事すると、≪葵ちゃんいつもより興奮しています。≫
それから少し時間が経過して、≪今葵ちゃんフェラチオ中。大輔さんにするより丁寧にしろって言ったら今日は口に出してもいいそうです。飲めたら飲んでみるって言ってます。≫ってメール。
一応向井さんから言われて、前から俺が無理そうならすぐ中断する方法を決めているけど、最初のメールはそれが無くても今回は向井さんも気を使っていたからだと思う。≪了解です。よろしく。≫って送った後の2通のメール以降はメールが途絶えた。
その日は嫉妬と興奮の度合いが今までのどの日とも違っていた。それまではそういうバクバクする気持ちが強い中、気を紛らわすためにテレビを見たりとかしていたけれど、その日は21時とかそれ位まで車の中でずっと音楽もつけないで、ただ拳を握っていた。
変な言い方になるけど《凄い嫉妬と興奮に加えて孤独感が一杯》で、半端じゃない辛さがあった。音楽もつけられない。ホテルの見える場所だけど、人のいない所に車を止めていたから、外がし~んとしている中でずっと葵の事を考えていた。
この感情は何か上手く文章に書けていないし、擬似的な喪失感なのかもしれない。助手席の葵の匂いを嗅いだりして、ずっと色んなことを考えていた。《意地悪な気持ちと自虐的な気持ち》が交互に来るっていう不思議な状態だった。興奮はしていたけれど本当に凄く長い時間だった。
俺は、話の辻褄が合う21時過ぎまでずっと待って、それからホテルに入った。そういえばそのチェックインの時にホテルって凄いなと思った事があった。「1001号室ですけど妻が預けた鍵お願いします。」って言ったらフロントの係員から身分証を求められた。当たり前なのかもしれないけどむかっとした。
それまでの感情もあって何故か物凄く理不尽に腹が立ったのを覚えている。変な話だけど、「身分証を出せってどういうことだよ!」って思った。今思うと自分が否定され、疎外をされたように感じたのかもしれない。
それで、わざとメールもせずにそのまま部屋に入って、考えてみれば鍵をフロントから受け取ったから当たり前なのだけど(その時は気がつかない)鍵をがちゃって開けて部屋に入って、葵が隣の部屋にいるだろう事にとてつもなく嫉妬をした。書いていて思ったけどその時の気持ちはやっぱり“喪失感”というのが一番近いと思う。
そこで、≪今ホテルに着いた。もう部屋にいるよ。≫って葵にメール。そうしたらすぐに葵からの電話が来た。フィクションで良くそういう場面って書かれたりするし、実際近い事(こっそり向井さんがスマートフォンを置いておく)はあったけどリアルでは全然違った。
2015/04/02
〖貸し出し③〗
正直その向井さんからのメールが無かったら行っていたかもと思う。理解して貰えるか分からないけど、その時の“嫉妬と不安”って別物なんだと思った。葵が向井さんの部屋にいる事が判らない状態は不安。不安っていうのには俺は耐えられないのだと思う。
少なくとも不安と嫉妬が一緒の状態は心が重くて耐えられない。向井さんのメールにとてつもなく嫉妬をしたのだけれど不安はなくなって、だからそういう風にしたのだと思う。
葵からは、≪大輔君お疲れ様。まだ会社から出られないの?今日くらい残業無しならいいのにね~。≫って返事がきた。運転できずに路肩に車止めていた。めまいでもないのだけどずっと頭の中がぐるぐるして視野が狭くなるような状態で30分程そこで過ごした。
そしたら、もう一回、葵から≪向井さんとHシテいい?≫ってメールが届く。直後に、≪・・・ってお願いしてって向井さんに言われました。もし、まだ仕事中だったら大輔君ホントごめんなさい。≫との内容だった。
ずっとそのメールの文面見ながら考えて、暫くしてから≪さっき車で出た所。その件は葵がいいなら構わないよ。≫と返信をした。
直後に向井さんから誤字ありで急いだ感じのメール(誤字は直しています)が、≪実は最初のメールの時点で挿入れています。明日着る予定の水着を着させているけど今日の葵ちゃんかなりエロいです。今日はずっとキスしまくっています。≫というショックな内容だった。葵からの再返信は来なかった。
俺はそれからの2時間がこれ以上ないってくらい嫉妬と憔悴と興奮が混じった状態だった。向井さんからは途中一回≪まだ大輔さん高速ですか?中継しましょうか?≫ってメールが来たけど無視をして返信をしなかった。
以降一切メール以外の連絡はなし。向井さんはやっぱり判っていて途中俺の事を気にかけているので数回短文でメールが来た。最初は≪大丈夫?あまり急がずに。ホテル着いたら電話ください。≫で、俺も≪OKです。よろしく。≫って返事すると、≪葵ちゃんいつもより興奮しています。≫
それから少し時間が経過して、≪今葵ちゃんフェラチオ中。大輔さんにするより丁寧にしろって言ったら今日は口に出してもいいそうです。飲めたら飲んでみるって言ってます。≫ってメール。
一応向井さんから言われて、前から俺が無理そうならすぐ中断する方法を決めているけど、最初のメールはそれが無くても今回は向井さんも気を使っていたからだと思う。≪了解です。よろしく。≫って送った後の2通のメール以降はメールが途絶えた。
その日は嫉妬と興奮の度合いが今までのどの日とも違っていた。それまではそういうバクバクする気持ちが強い中、気を紛らわすためにテレビを見たりとかしていたけれど、その日は21時とかそれ位まで車の中でずっと音楽もつけないで、ただ拳を握っていた。
変な言い方になるけど《凄い嫉妬と興奮に加えて孤独感が一杯》で、半端じゃない辛さがあった。音楽もつけられない。ホテルの見える場所だけど、人のいない所に車を止めていたから、外がし~んとしている中でずっと葵の事を考えていた。
この感情は何か上手く文章に書けていないし、擬似的な喪失感なのかもしれない。助手席の葵の匂いを嗅いだりして、ずっと色んなことを考えていた。《意地悪な気持ちと自虐的な気持ち》が交互に来るっていう不思議な状態だった。興奮はしていたけれど本当に凄く長い時間だった。
俺は、話の辻褄が合う21時過ぎまでずっと待って、それからホテルに入った。そういえばそのチェックインの時にホテルって凄いなと思った事があった。「1001号室ですけど妻が預けた鍵お願いします。」って言ったらフロントの係員から身分証を求められた。当たり前なのかもしれないけどむかっとした。
それまでの感情もあって何故か物凄く理不尽に腹が立ったのを覚えている。変な話だけど、「身分証を出せってどういうことだよ!」って思った。今思うと自分が否定され、疎外をされたように感じたのかもしれない。
それで、わざとメールもせずにそのまま部屋に入って、考えてみれば鍵をフロントから受け取ったから当たり前なのだけど(その時は気がつかない)鍵をがちゃって開けて部屋に入って、葵が隣の部屋にいるだろう事にとてつもなく嫉妬をした。書いていて思ったけどその時の気持ちはやっぱり“喪失感”というのが一番近いと思う。
そこで、≪今ホテルに着いた。もう部屋にいるよ。≫って葵にメール。そうしたらすぐに葵からの電話が来た。フィクションで良くそういう場面って書かれたりするし、実際近い事(こっそり向井さんがスマートフォンを置いておく)はあったけどリアルでは全然違った。
2015/04/02
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