中17〖救い〗その4回
中17〖救い〗その4回
ある夜のことです。私は妻の麻貴(まき)に晩酌をしてもらっていました。妻は細い腕を伸ばしてビールを注いでくれ、開いた胸元からは、豊満な谷間が揺れています。この自慢の肉体が、夫の私だけのものじゃないという現実に、ビールを口に運ぶピッチが早くなっていきました。《麻貴と息子の担任教師との関係は、あの時私が目撃した時だけなのか?それ以前からか?いやそもそもまだ続いているのか?》
『あなた、飲み過ぎよ!』
「いいじゃないか?」
『もう駄目よ!』
妻がビール瓶を引き上げました。私はなぜか強く言えないのです。それは私が麻貴に惚れきっていたからでした。しかもその気持ちは、あの目撃、妻が担任教師と家庭訪問中に交わり合っている、あの目撃以来ますます強まっているのです。私は妻を愛しています。流しに立って洗い物をしている妻の後ろ姿を見て、はっきりそう誓える。あのぷりぷりしたお尻。私のものだ。しかし、あの男は、あの肉付きのいいお尻を突きまくっていた。私は、さりげなく切り出しました。
「つ、剛はどうだ?け、剣道のほう?」ってカミカミです。
『ええ、頑張っているわよ。あ、そうそう、今度ね、昇級審査(六級から一級までの級位)というのがあるの。』
「昇級審査?」
『そう試験よ。張り切っているは、あの子。』
私は、今までビールで潤していたはずの喉が、乾いていくのを覚えています。でも《これはチャンスだ》と、その時思いました。
「そ、それは、い、いつ?いつやるんだい?」(我ながら緊張しすぎだな。)
『今度の土曜日よ。学校の体育館でね。親御さんも見に行っていいのよ。あなた、その日休みなのよね。』
振り返った妻に、「いや、今度の土曜日は、仕事なんだよ。A市の現場に行かなくてはならないんだ。」と、嘘をつきました。『そうなの、頑張ってくださいね、あなた。公務員といっても、あなたの所は土日出勤が時々あるから・・・。』妻は仕方ないなという感じです。そう、私が勤める課は、休みの日も出なければいけない時がある。一般の会社の営業まがいの事もやらなければならない時がある。私は外に出ることが多いのだ。麻貴は私の言ったことを信用しているだろう。
土曜日。私は、剛が通う学校の校門から少し離れたところに、車を止めていました。この車はわざわざレンタカーで借りたのだ。服装も、普段は着ない作業着を着て帽子をかぶっている。慣れない変装をしている自分が腹ただしかったのを覚えています。校門では、多くの女性たちが入って行く。きっと、麻貴が言っていた子供たちの親御さんたちだろう。男親も何人かいて、ほっとしました。そして、妻が向こうから歩いてきます。
妻の麻貴は、黒のノースリーブから、白い細い腕を出していました。茶色の膝上のスカートをはいて、すらりと細い下肢にハイヒールを履いている。妻は、他の母親と比べて、美しかった。その露出された肌を見て、ムラムラとしてきました。一人の男親が妻の姿を追っているのが分かります。「麻貴は美しい。」と呟き私は、車から降りました。
2015/05/15
ある夜のことです。私は妻の麻貴(まき)に晩酌をしてもらっていました。妻は細い腕を伸ばしてビールを注いでくれ、開いた胸元からは、豊満な谷間が揺れています。この自慢の肉体が、夫の私だけのものじゃないという現実に、ビールを口に運ぶピッチが早くなっていきました。《麻貴と息子の担任教師との関係は、あの時私が目撃した時だけなのか?それ以前からか?いやそもそもまだ続いているのか?》
『あなた、飲み過ぎよ!』
「いいじゃないか?」
『もう駄目よ!』
妻がビール瓶を引き上げました。私はなぜか強く言えないのです。それは私が麻貴に惚れきっていたからでした。しかもその気持ちは、あの目撃、妻が担任教師と家庭訪問中に交わり合っている、あの目撃以来ますます強まっているのです。私は妻を愛しています。流しに立って洗い物をしている妻の後ろ姿を見て、はっきりそう誓える。あのぷりぷりしたお尻。私のものだ。しかし、あの男は、あの肉付きのいいお尻を突きまくっていた。私は、さりげなく切り出しました。
「つ、剛はどうだ?け、剣道のほう?」ってカミカミです。
『ええ、頑張っているわよ。あ、そうそう、今度ね、昇級審査(六級から一級までの級位)というのがあるの。』
「昇級審査?」
『そう試験よ。張り切っているは、あの子。』
私は、今までビールで潤していたはずの喉が、乾いていくのを覚えています。でも《これはチャンスだ》と、その時思いました。
「そ、それは、い、いつ?いつやるんだい?」(我ながら緊張しすぎだな。)
『今度の土曜日よ。学校の体育館でね。親御さんも見に行っていいのよ。あなた、その日休みなのよね。』
振り返った妻に、「いや、今度の土曜日は、仕事なんだよ。A市の現場に行かなくてはならないんだ。」と、嘘をつきました。『そうなの、頑張ってくださいね、あなた。公務員といっても、あなたの所は土日出勤が時々あるから・・・。』妻は仕方ないなという感じです。そう、私が勤める課は、休みの日も出なければいけない時がある。一般の会社の営業まがいの事もやらなければならない時がある。私は外に出ることが多いのだ。麻貴は私の言ったことを信用しているだろう。
土曜日。私は、剛が通う学校の校門から少し離れたところに、車を止めていました。この車はわざわざレンタカーで借りたのだ。服装も、普段は着ない作業着を着て帽子をかぶっている。慣れない変装をしている自分が腹ただしかったのを覚えています。校門では、多くの女性たちが入って行く。きっと、麻貴が言っていた子供たちの親御さんたちだろう。男親も何人かいて、ほっとしました。そして、妻が向こうから歩いてきます。
妻の麻貴は、黒のノースリーブから、白い細い腕を出していました。茶色の膝上のスカートをはいて、すらりと細い下肢にハイヒールを履いている。妻は、他の母親と比べて、美しかった。その露出された肌を見て、ムラムラとしてきました。一人の男親が妻の姿を追っているのが分かります。「麻貴は美しい。」と呟き私は、車から降りました。
2015/05/15
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