中6〖不倫の代償〗第1章8話
中6〖不倫の代償〗第1章8話
私は月曜日、会社には「直帰(出先での勤務が終わったら職場に戻らず、そのまま家に帰ること)するから。」と連絡を入れ、妻の会社の前で三嶋雅美さんを待ちました。夕方5時半過ぎ、妻の千遥(ちはる)が会社を出ました、それから待つこと30分して、三嶋さんが出で来ます。私は彼女に近づき声を掛けました。
「三嶋さん。」
〚わっ!びっくりした!如何(どう)したんですか?〛
「これから帰るの?」
〚そう。久保田さんは?〛
「実は三嶋さんを待っていたんだ。」
〚えっ私?〛
「ちょっと聞きたいことが有って、都合悪いかな?」
〚別にかまわないけど、何だか怖いな。(笑)〛
歩きながら、彼女は何の話か執拗に訊いてきましたが、私は話をはぐらかして先日の“蜩(ひぐらし)”に向かいました。店の入り口に近づいて中を見たとき、有ろうことか店の奥まった席に、妻が一人で座っているではありませんか。私は振り向きざま、三嶋さんの肩に両手を添えて、そのまま後ろ向きにさせると、店の中を見られないようにもと来た道に彼女を追い立てます。
〚如何(どう)したんですかしたんですか?〛
「満席でした。」
〚へー、そうだったの!〛
予期せぬ遭遇とは言え、自分の不用意さを反省しながら別の店へと足を運びます。そこの店は私が何度か足を運んだことのある店で、私よりも若い人たち(20~25才位)が集まる店でした。サーファーが多くトロピカルな雰囲気の店で“蜩”とは違い、目抜き通りに近い店にもかかわらず、彼女は抵抗無く付いてきました。
「ここで良かったかな?」
〚私も来たこと有るから!妹もよく来るし。〛
「妹さんいたっけ?」
〚うん。それより、話って何ですか、気になるんですけど?〛
私は、先日二人で飲んだことを、妻の千遥(ちはる)に話したか如何(どう)かを単刀直入に質問をする。彼女から帰ってきた答えは、NOだった。
〚だって、あの時私もちょっと喋り過ぎたし、それに千遥さん焼餅焼きだし、千遥さんにばれちゃいました?〛
「そうじゃないんだけど、まだ隠れて吸っているみたいだから。」
〚そうなんだ、今日のことも内緒が良いかな?〛
「特に問題は無いけど、言う必要も無いかな。」
三嶋さんとの飲み会が、妻の千遥に伝わっていなければ、妻の行動に変化が起こるわけも無い筈である。“妻が焼餅焼き”という言葉には、いささか驚きました。何時(いつ)の時点までなのか、いまだにそうなのかは解りませんでしたが、少なくとも他の男と関係を持つまでの千遥は、同僚から見れば私に対して嫉妬深い女だったのでしょう。
2015/05/27
私は月曜日、会社には「直帰(出先での勤務が終わったら職場に戻らず、そのまま家に帰ること)するから。」と連絡を入れ、妻の会社の前で三嶋雅美さんを待ちました。夕方5時半過ぎ、妻の千遥(ちはる)が会社を出ました、それから待つこと30分して、三嶋さんが出で来ます。私は彼女に近づき声を掛けました。
「三嶋さん。」
〚わっ!びっくりした!如何(どう)したんですか?〛
「これから帰るの?」
〚そう。久保田さんは?〛
「実は三嶋さんを待っていたんだ。」
〚えっ私?〛
「ちょっと聞きたいことが有って、都合悪いかな?」
〚別にかまわないけど、何だか怖いな。(笑)〛
歩きながら、彼女は何の話か執拗に訊いてきましたが、私は話をはぐらかして先日の“蜩(ひぐらし)”に向かいました。店の入り口に近づいて中を見たとき、有ろうことか店の奥まった席に、妻が一人で座っているではありませんか。私は振り向きざま、三嶋さんの肩に両手を添えて、そのまま後ろ向きにさせると、店の中を見られないようにもと来た道に彼女を追い立てます。
〚如何(どう)したんですかしたんですか?〛
「満席でした。」
〚へー、そうだったの!〛
予期せぬ遭遇とは言え、自分の不用意さを反省しながら別の店へと足を運びます。そこの店は私が何度か足を運んだことのある店で、私よりも若い人たち(20~25才位)が集まる店でした。サーファーが多くトロピカルな雰囲気の店で“蜩”とは違い、目抜き通りに近い店にもかかわらず、彼女は抵抗無く付いてきました。
「ここで良かったかな?」
〚私も来たこと有るから!妹もよく来るし。〛
「妹さんいたっけ?」
〚うん。それより、話って何ですか、気になるんですけど?〛
私は、先日二人で飲んだことを、妻の千遥(ちはる)に話したか如何(どう)かを単刀直入に質問をする。彼女から帰ってきた答えは、NOだった。
〚だって、あの時私もちょっと喋り過ぎたし、それに千遥さん焼餅焼きだし、千遥さんにばれちゃいました?〛
「そうじゃないんだけど、まだ隠れて吸っているみたいだから。」
〚そうなんだ、今日のことも内緒が良いかな?〛
「特に問題は無いけど、言う必要も無いかな。」
三嶋さんとの飲み会が、妻の千遥に伝わっていなければ、妻の行動に変化が起こるわけも無い筈である。“妻が焼餅焼き”という言葉には、いささか驚きました。何時(いつ)の時点までなのか、いまだにそうなのかは解りませんでしたが、少なくとも他の男と関係を持つまでの千遥は、同僚から見れば私に対して嫉妬深い女だったのでしょう。
2015/05/27
- 関連記事
-
- 中17〖救い〗その4回 (2015/05/15)
- 中12 《我儘と公認》 №03 (2015/05/17)
- 中6〖不倫の代償〗第1章6話 (2015/05/18)
- 中10〚新しい夫婦の形〛2章第9話 16 (2015/05/21)
- 中12 《我儘と公認》 №04 (2015/05/21)
- 中6〖不倫の代償〗第1章7話 (2015/05/22)
- 中10〚新しい夫婦の形〛3章第1話 17 (2015/05/25)
- 中6〖不倫の代償〗第1章8話 (2015/05/27)
- 中18〚目覚め〛パート01 (2015/05/27)
- 中14〖恋に恋した妻〗Part9 (2015/05/28)
- 中10〚新しい夫婦の形〛3章第2話 18 (2015/05/29)
- 中6〖不倫の代償〗第2章1話 09 (2015/05/30)
- 中15〖崩壊の予感〗第3回 (2015/05/30)
- 中16〖これでいいのか?〗第3話 (2015/06/01)
- 中10〚新しい夫婦の形〛3章第3話 19 (2015/06/02)
コメント
コメントの投稿