中14〖恋に恋した妻〗Part9
中14〖恋に恋した妻〗Part9
妻の咲希(さき)のメールがかなりくだけてきたので、僕(波戸真一)はもう少し突っ込んだ質問を考えてそのメールを哲平に送らせた。
Q〔今までの経験人数は?〕 A『秘密。』
Q〔一番気持ちよかった人?〕 A『秘密。』
Q〔ぼく(哲平)は何番目くらいに良かった?〕 A『本当馬鹿だね。基準がわかんないけど多分結構上位だと思うよ。』
Q〔先輩は何番?〕 A『怒るよ馬鹿!』
Q〔ぼくと先輩どっちが上?〕 A『そんなの比べられません。』
Q〔先輩のHで不満なところは?〕 A『無いよそんなの。あ~でもな~、う~ん。実はちょっとだけある。』
Q〔なに?〕 A『秘密。大したことじゃないよ。』
Q〔正直何年も一緒だとHは飽きないの?〕 A『あたしはそうでもないよ。』
Q〔じゃあ何が不満?〕 A『いい加減仕事したら。』
あくまで“H”に関してのみだが、僕の微妙な評価に落胆するも同時に興奮してしまう。今まで被虐趣味があるなんて思ってもいなかったのに、そんな自分が可笑しくてしょうがなかった。とにかく咲希は、あくまでメールだけの関係という事に安心して、哲平に心を少しずつ開いていったようだった。
そんなある日、哲平が体調不良で会社を休んだ。僕が昼過ぎくらいに哲平に電話をすると、〔割ともう元気になりました。〕とのこと。大きな案件を終えたばかりだったので、もしかしたらサボりだったのかもしれない。哲平は基本的に真面目なのだが、有給休暇はきっちり消化していくタイプだ。
僕にはこの状況を想定して、前から暖めていたアイデアがあった。〖それは妻の咲希を哲平のお見舞いに行かせる。〗というもの。まさか本当に実践できる機会があるとは思っていなかったので、僕は思わず小さくガッツポーズをした。本当に風邪をこじらせていたなら、咲希に伝染はさせたくないので絶対に行かせなかったけれど・・。
早速咲希に電話をする。「もしもし。今日って昼間は用事ある?」って訊いてみる。『無いよ。なんで?』断りづらいように、先にフリーという言質を取っておく。「あのさ、哲平が寝込んじゃってさ。悪いけど様子見に行ってやってくんない?」
おそらく忘れ物を届けてほしいとか、そんなことを予想していたのだろう。咲希の反応『・・・。え?」と戸惑いを隠せないものだった。「なんか結構しんどいらしくてさ。嫌ならいいけど。」後で考えると、咲希は僕の「嫌ならいいけど」に過剰に反応してしまったのかもしれない。
《断ることで逆に怪しまれるんじゃないか?》それは流石に僕の考えすぎかもしれないが、とにかく咲希は僕の申し出を了承して、電話を切った直後、哲平から、咲希とのメールのやり取りが転送されてきた。
『寝込んでいるの?』
〔はい。〕
『御飯は食べたの?』
〔まだです。〕
『旦那に頼まれたから御飯くらい作りに行ってあげるよ。』
〔マジですか?〕
『でもただのお見舞いだから、勘違いしないでね。』
〔わかっていますよ。ありがとうございます。〕
『風邪なの?』
〔いや、違うと思うけど、ちょっとダルくて。〕
『食べ物のリクエストはある?』
〔大分良くなったので。お任せします。〕
メールのやり取りが終わったのが丁度昼休憩が終る頃だった。その1時間後に咲希から僕にメールが届く。≪今河野君のアパート着いたよ!≫さらに30分後に、≪御飯作って食べさせたから、もう帰るね。≫と事務的なメールだった。
2015/05/28
妻の咲希(さき)のメールがかなりくだけてきたので、僕(波戸真一)はもう少し突っ込んだ質問を考えてそのメールを哲平に送らせた。
Q〔今までの経験人数は?〕 A『秘密。』
Q〔一番気持ちよかった人?〕 A『秘密。』
Q〔ぼく(哲平)は何番目くらいに良かった?〕 A『本当馬鹿だね。基準がわかんないけど多分結構上位だと思うよ。』
Q〔先輩は何番?〕 A『怒るよ馬鹿!』
Q〔ぼくと先輩どっちが上?〕 A『そんなの比べられません。』
Q〔先輩のHで不満なところは?〕 A『無いよそんなの。あ~でもな~、う~ん。実はちょっとだけある。』
Q〔なに?〕 A『秘密。大したことじゃないよ。』
Q〔正直何年も一緒だとHは飽きないの?〕 A『あたしはそうでもないよ。』
Q〔じゃあ何が不満?〕 A『いい加減仕事したら。』
あくまで“H”に関してのみだが、僕の微妙な評価に落胆するも同時に興奮してしまう。今まで被虐趣味があるなんて思ってもいなかったのに、そんな自分が可笑しくてしょうがなかった。とにかく咲希は、あくまでメールだけの関係という事に安心して、哲平に心を少しずつ開いていったようだった。
そんなある日、哲平が体調不良で会社を休んだ。僕が昼過ぎくらいに哲平に電話をすると、〔割ともう元気になりました。〕とのこと。大きな案件を終えたばかりだったので、もしかしたらサボりだったのかもしれない。哲平は基本的に真面目なのだが、有給休暇はきっちり消化していくタイプだ。
僕にはこの状況を想定して、前から暖めていたアイデアがあった。〖それは妻の咲希を哲平のお見舞いに行かせる。〗というもの。まさか本当に実践できる機会があるとは思っていなかったので、僕は思わず小さくガッツポーズをした。本当に風邪をこじらせていたなら、咲希に伝染はさせたくないので絶対に行かせなかったけれど・・。
早速咲希に電話をする。「もしもし。今日って昼間は用事ある?」って訊いてみる。『無いよ。なんで?』断りづらいように、先にフリーという言質を取っておく。「あのさ、哲平が寝込んじゃってさ。悪いけど様子見に行ってやってくんない?」
おそらく忘れ物を届けてほしいとか、そんなことを予想していたのだろう。咲希の反応『・・・。え?」と戸惑いを隠せないものだった。「なんか結構しんどいらしくてさ。嫌ならいいけど。」後で考えると、咲希は僕の「嫌ならいいけど」に過剰に反応してしまったのかもしれない。
《断ることで逆に怪しまれるんじゃないか?》それは流石に僕の考えすぎかもしれないが、とにかく咲希は僕の申し出を了承して、電話を切った直後、哲平から、咲希とのメールのやり取りが転送されてきた。
『寝込んでいるの?』
〔はい。〕
『御飯は食べたの?』
〔まだです。〕
『旦那に頼まれたから御飯くらい作りに行ってあげるよ。』
〔マジですか?〕
『でもただのお見舞いだから、勘違いしないでね。』
〔わかっていますよ。ありがとうございます。〕
『風邪なの?』
〔いや、違うと思うけど、ちょっとダルくて。〕
『食べ物のリクエストはある?』
〔大分良くなったので。お任せします。〕
メールのやり取りが終わったのが丁度昼休憩が終る頃だった。その1時間後に咲希から僕にメールが届く。≪今河野君のアパート着いたよ!≫さらに30分後に、≪御飯作って食べさせたから、もう帰るね。≫と事務的なメールだった。
2015/05/28
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