短21《妻とのリストラ》第6回
短21《妻とのリストラ》第6回
その後で、私(積木清人34歳)と妻の理香(りか32歳)は二人で夕食を食べ帰宅した。
『今日は楽しかった。また行こうね。』
「そうだな、また行こう。」
“「また行こう」”の言葉は私の本音だった、この問題が解決した後、私達夫婦がどうなっているのかはわからない。しかし私は確実に妻の事を愛していると確信出来た。
[月曜日] 有給休暇は月曜から水曜まで三日間取っておいた、会社に行く振りをし家を出てレンタカーを借りに行った。家に帰るまで時間が余っているのでネットカフェに行き掲示板に書き込む事にした。「いよいよ明日が尾行する日、さすがに緊張してきたよ。」すぐにレスが返ってくる。〚そうだろうね、でも焦りは禁物だし、当日は落ち着いてな。〛とか〚頑張ってとしか書きようがないがとりあえず頑張れ!〛等のレスが付いた。その他にも何回か書き込み、またレスが返ってくるという事を繰り返し時間が過ぎて行き、レンタカーは自宅から少し離れたコインパーキングに駐車し、帰宅する。
理香の携帯に自動転送を仕掛け気付いた事がある。それは一方的に浅尾からのメールが送られてくる事である。そして妻が返信するのは浅尾からの威圧的なメールの時だけだった。《これは何を意味するのだろうか?》
「ただいま~。」といかにも仕事から帰って来たように私は装う。
『お帰りなさい。』と理香が応える。
「ちょっと仕事が残っているんで書斎にいるよ。夕食が出来たら呼んでくれないか?」
『えぇ、わかったわ。』
「それじゃ頼むよ。」
しかし書斎に入ってもする事はない。ただ明日の結果が出るまでは妻とあまり顔を逢わせたくないというのが本音であった。理香に呼ばれ夕食を食べる。ふと頭に《今日でこの料理も最後になるのだろうか?》と考えてしまう。
夕食を終えると私は風呂に入り、「今日は疲れているから。」と妻に言い先に寝室に向かっ
た。ベッドに入る前に浅尾からのメールをチェックするが相変わらずの卑猥な表現のメールばかりだったので今日はこれで寝る事にした。
[火曜日] 私はいつもよりも早く目が覚めた。いや本当は殆ど眠れなかった。いつものように朝食を食べ終え家を出る。駐車しておいたレンタカーに乗り時間が来るまで市内を走っていた。ふと時計を見ると午前10時30分だった。ハンドルを切り、駅前のロータリーに向かう。15分程で着くことが出来たので、ビデオカメラの用意をした。私は一人なので運転中はビデオをフロントガラスの前で固定出来る様にしておく。そろそろ11時になりかけた時、理香から浅尾宛のメールが届いた。≪到着しました。≫
周辺を探す、すると駅に隣接したコンビニの前に妻の姿を確認出来る。《連れ戻したい》そう思っていた。しかし今はしっかりと不貞の証拠を掴まなければならない。午前11時を少し回った時、浅尾から理香宛のメールが届く。
≪俺も着いた。いつもの車だ。≫妻の歩いて行く方向には一台の車が停まっている。その車は自家用車ではなく社用の車だった。その会社名は予想していた通り、理香がパートとして働いている会社の名前だった。
妻の理香が車に乗り込み発進したのを確認し私も後を追う。数十分も走っただろうか、気付くとあたりはホテル街になっていた。車は一軒のホテルに入って行く。このままだとしっかりと確認が取れないため私も中に入った。気付かれてしまう恐れがあったがすぐに空きスペースに車を停め妻と浅尾を探した出入り口付近に停まった車から二人が降りホテルに入っていく。その様子をビデオで撮る事に成功した。
待っている間の時間は永遠にも似たような長くそして悲しいものだった。2時間後に理香と浅尾がホテルから出て来た所をビデオに収め《やっと終わった》。仕事でも感じたことの無い疲労感が残っていた。早速ビデオに全て収まっているかを確認する。妻が車に乗り込む所からホテルに入る所、そして出てくる所をしっかりと撮れているのを確認し私もホテルを出て、まずレンタカーを返却に行く。しかし、私はそれからの事はあまり覚えていない。気が付くと家の前に立っていたのだ。
2015/07/15
その後で、私(積木清人34歳)と妻の理香(りか32歳)は二人で夕食を食べ帰宅した。
『今日は楽しかった。また行こうね。』
「そうだな、また行こう。」
“「また行こう」”の言葉は私の本音だった、この問題が解決した後、私達夫婦がどうなっているのかはわからない。しかし私は確実に妻の事を愛していると確信出来た。
[月曜日] 有給休暇は月曜から水曜まで三日間取っておいた、会社に行く振りをし家を出てレンタカーを借りに行った。家に帰るまで時間が余っているのでネットカフェに行き掲示板に書き込む事にした。「いよいよ明日が尾行する日、さすがに緊張してきたよ。」すぐにレスが返ってくる。〚そうだろうね、でも焦りは禁物だし、当日は落ち着いてな。〛とか〚頑張ってとしか書きようがないがとりあえず頑張れ!〛等のレスが付いた。その他にも何回か書き込み、またレスが返ってくるという事を繰り返し時間が過ぎて行き、レンタカーは自宅から少し離れたコインパーキングに駐車し、帰宅する。
理香の携帯に自動転送を仕掛け気付いた事がある。それは一方的に浅尾からのメールが送られてくる事である。そして妻が返信するのは浅尾からの威圧的なメールの時だけだった。《これは何を意味するのだろうか?》
「ただいま~。」といかにも仕事から帰って来たように私は装う。
『お帰りなさい。』と理香が応える。
「ちょっと仕事が残っているんで書斎にいるよ。夕食が出来たら呼んでくれないか?」
『えぇ、わかったわ。』
「それじゃ頼むよ。」
しかし書斎に入ってもする事はない。ただ明日の結果が出るまでは妻とあまり顔を逢わせたくないというのが本音であった。理香に呼ばれ夕食を食べる。ふと頭に《今日でこの料理も最後になるのだろうか?》と考えてしまう。
夕食を終えると私は風呂に入り、「今日は疲れているから。」と妻に言い先に寝室に向かっ
た。ベッドに入る前に浅尾からのメールをチェックするが相変わらずの卑猥な表現のメールばかりだったので今日はこれで寝る事にした。
[火曜日] 私はいつもよりも早く目が覚めた。いや本当は殆ど眠れなかった。いつものように朝食を食べ終え家を出る。駐車しておいたレンタカーに乗り時間が来るまで市内を走っていた。ふと時計を見ると午前10時30分だった。ハンドルを切り、駅前のロータリーに向かう。15分程で着くことが出来たので、ビデオカメラの用意をした。私は一人なので運転中はビデオをフロントガラスの前で固定出来る様にしておく。そろそろ11時になりかけた時、理香から浅尾宛のメールが届いた。≪到着しました。≫
周辺を探す、すると駅に隣接したコンビニの前に妻の姿を確認出来る。《連れ戻したい》そう思っていた。しかし今はしっかりと不貞の証拠を掴まなければならない。午前11時を少し回った時、浅尾から理香宛のメールが届く。
≪俺も着いた。いつもの車だ。≫妻の歩いて行く方向には一台の車が停まっている。その車は自家用車ではなく社用の車だった。その会社名は予想していた通り、理香がパートとして働いている会社の名前だった。
妻の理香が車に乗り込み発進したのを確認し私も後を追う。数十分も走っただろうか、気付くとあたりはホテル街になっていた。車は一軒のホテルに入って行く。このままだとしっかりと確認が取れないため私も中に入った。気付かれてしまう恐れがあったがすぐに空きスペースに車を停め妻と浅尾を探した出入り口付近に停まった車から二人が降りホテルに入っていく。その様子をビデオで撮る事に成功した。
待っている間の時間は永遠にも似たような長くそして悲しいものだった。2時間後に理香と浅尾がホテルから出て来た所をビデオに収め《やっと終わった》。仕事でも感じたことの無い疲労感が残っていた。早速ビデオに全て収まっているかを確認する。妻が車に乗り込む所からホテルに入る所、そして出てくる所をしっかりと撮れているのを確認し私もホテルを出て、まずレンタカーを返却に行く。しかし、私はそれからの事はあまり覚えていない。気が付くと家の前に立っていたのだ。
2015/07/15
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