明日香と親友 そして俺 第5節②
明日香と親友 そして俺 5―②
「そんなぁ・・・」って高岡の声が無意識に漏れた。明日香の声は全然聞こえてはこなかったのだけど、ただ“ぎっ、ぎっ、ぎっ、ぎっ、ぎっ”って音だけがやけにはっきりと聞こえてきた。その音が聞こえるのが逆に俺にとっては不安というか焦燥感みたいなのを駆り立てられた。そのうち『んー、んー』って感じの明日香の声も聞こえるようになってくる。
俺はもう食い入るように耳を壁にぴったりと付けていたのだけれど、そうするうちにも、『はっ、はっ、はっ、はっ』って声に変化していった。なんだか堪らなくなってきて廊下に出て寝室の前に行く。廊下からだと声は聞こえないけど、ここだとベッドの軋む音は聞こえてきた。(それでも俺は子供が出来たら気をつけないとなぁなんて悠長な事も考えたりしていた。)
部屋に戻って、しばらくそのまま聞いていたのだけど明日香がわりと大きな声で、『ちょ、ちょっと待って。』と言ったのがはっきり聞こえた。ベッドの軋む音が聞こえなくなったと思ったら寝室の扉が開く音がする。そしてすぐに俺が居る隣の部屋の扉がノックされた。
俺が出てみるとシーツで身体を隠している明日香の姿があった。その頬がうっすら赤く染まって瞳が潤んでいる。そのとろんとした表情がいかにも今までSEXをしていましたって感じで胸が痛んだ。
「・・・どうした?」って訊ねると、『・・・ううん・・』と、明日香の吐息は少し荒く表情もどことなく切なげな感じである。俺はまた性懲りもなく『やっぱりわたし嫌だ。』って明日香が言ってくれるのじゃないかと期待をした。『直樹じゃないと嫌だ。』と言ってほしいとさえ思った。でも明日香の口からは『あのね・・・ごめん、声がやっぱり出ちゃうの。』その瞬間、俺はずーんと後頭部というか肩の辺りが一気に重くなる。
「い、いいよ。しょうがないよ」と明日香を慰める俺。『直樹・・・本当ごめんね。』って上目遣いの明日香が超可愛い。速攻で許す。というか惚れ直す。俺って俺ってホントにちょろ過ぎる。「全然音は聞こえないから」と嘘をついた。その返事に『本当?』信じきっている明日香の表情が胸に突き刺さった。俺が「うん。全然全然。」それで、明日香は『そうなの。でもなるべく我慢するね?』と安心したのかうっすら笑顔を浮かべた。
俺はもう普通の精神状態じゃなかった。なんか可笑しくないのに笑顔になって、「楽しんで来いよ。」と200%無理した言葉を吐く。『分かった。ありがとう。そう言ってくれる直樹が好きだよ。じゃ、楽しんでくるね。』と微笑を残して明日香はさっさと寝室へ戻っていてしまった。
「そんなぁ・・・」って高岡の声が無意識に漏れた。明日香の声は全然聞こえてはこなかったのだけど、ただ“ぎっ、ぎっ、ぎっ、ぎっ、ぎっ”って音だけがやけにはっきりと聞こえてきた。その音が聞こえるのが逆に俺にとっては不安というか焦燥感みたいなのを駆り立てられた。そのうち『んー、んー』って感じの明日香の声も聞こえるようになってくる。
俺はもう食い入るように耳を壁にぴったりと付けていたのだけれど、そうするうちにも、『はっ、はっ、はっ、はっ』って声に変化していった。なんだか堪らなくなってきて廊下に出て寝室の前に行く。廊下からだと声は聞こえないけど、ここだとベッドの軋む音は聞こえてきた。(それでも俺は子供が出来たら気をつけないとなぁなんて悠長な事も考えたりしていた。)
部屋に戻って、しばらくそのまま聞いていたのだけど明日香がわりと大きな声で、『ちょ、ちょっと待って。』と言ったのがはっきり聞こえた。ベッドの軋む音が聞こえなくなったと思ったら寝室の扉が開く音がする。そしてすぐに俺が居る隣の部屋の扉がノックされた。
俺が出てみるとシーツで身体を隠している明日香の姿があった。その頬がうっすら赤く染まって瞳が潤んでいる。そのとろんとした表情がいかにも今までSEXをしていましたって感じで胸が痛んだ。
「・・・どうした?」って訊ねると、『・・・ううん・・』と、明日香の吐息は少し荒く表情もどことなく切なげな感じである。俺はまた性懲りもなく『やっぱりわたし嫌だ。』って明日香が言ってくれるのじゃないかと期待をした。『直樹じゃないと嫌だ。』と言ってほしいとさえ思った。でも明日香の口からは『あのね・・・ごめん、声がやっぱり出ちゃうの。』その瞬間、俺はずーんと後頭部というか肩の辺りが一気に重くなる。
「い、いいよ。しょうがないよ」と明日香を慰める俺。『直樹・・・本当ごめんね。』って上目遣いの明日香が超可愛い。速攻で許す。というか惚れ直す。俺って俺ってホントにちょろ過ぎる。「全然音は聞こえないから」と嘘をついた。その返事に『本当?』信じきっている明日香の表情が胸に突き刺さった。俺が「うん。全然全然。」それで、明日香は『そうなの。でもなるべく我慢するね?』と安心したのかうっすら笑顔を浮かべた。
俺はもう普通の精神状態じゃなかった。なんか可笑しくないのに笑顔になって、「楽しんで来いよ。」と200%無理した言葉を吐く。『分かった。ありがとう。そう言ってくれる直樹が好きだよ。じゃ、楽しんでくるね。』と微笑を残して明日香はさっさと寝室へ戻っていてしまった。
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