名M 『先生が喜ぶことなら』 第2回
名M 『先生が喜ぶことなら』 第2回
水口陵介(みずぐち・りょうすけ:39歳)さんは異色の経歴[外資系の名の通ったレストランのシェフやパティシエの経験]を生かして、会社でも独自路線で企画を立てて、けっこう成功している。社内での評価も高くなってきていたが、そんな事よりも、こうやってウチに遊びに来ては、本格的な料理やスィーツを振る舞ってくれるので、我が家での彼の評価はメチャクチャ高い。
水口さんはイケメンで、仕事も出来て料理も出来るのだけど、いまだに独身で、会社では不思議がられていた。ただ、こうやってプライベートでも仲良くしている俺には、その理由が何となくわかっている。
彼は単純に、人見知りなのだと思う。ただそれはけっこう重症だ。さすがに社会人だし、歳もそれなりに行っているので、表面上は普通に他人と接しているが、かなり強固な壁がある。うちの妻(浅野美咲:あさの・みさき:28歳)や子供達に対しても、本当の意味で慣れるまでに軽く半年はかかった。しかし今では家族同然の付き合いだ。
そんな水口さんは、子供達が喜ぶので、わざわざ昔のシェフ時代の衣装と、あの長い帽子をかぶって料理をしてくれる。その姿で真剣に料理をする水口さんは、けっこう格好いいのだ。俺(浅野幸也:あさの・ゆきや:37歳)は、美咲が彼に恋心を持たないか、たまに心配になる。だけど、貞操観念がしっかりしていて、手前味噌だが俺に一途な妻は、そんな気配は一切見せなかった。
毎回のことだが、美味しそうな料理が並ぶ。子供達の好きな料理を作ってくれるので、子供達も大喜びで食べている。口の周りをべちゃべちゃにしながら、ガツガツ食べる子供達を水口さんは目を細めて見ていた。
《子供が欲しいのかな? 結婚したいのかな?》と、疑問が浮かぶ。『水口さんは、なんで彼女作らないんですか?』って妻の美咲がバクバク食べながら、急に聞いた。それにしても、妻は食べている姿も可愛いのです。本当に、毎日見ても全然飽きない。
〔全然モテないからね(笑)。良い子がいたら、紹介してよ(笑)!〕と水口さんが、おどけて答えた。『そんな事ないでしょ? ねぇ、水口さんって、会社でモテてるんでしょ?』って俺に聞く妻。
「そうだね?・・でも、会社だと水口さん、仕事一筋って感じだから、ちょっと取っつきにくいかもな。」会社では、女性陣には特技のことは知られていないし、あまり自分からしゃべらない水口さんなので、人気はそれなりにあるが、モテているという感じはない。
〔ほらね(笑)。〕
『じゃあ、ホントに紹介します! どんなタイプの子が好きですか?』
妻は、本当に紹介するつもりみたいだ。
〔うーーん・・・美咲さんみたいな子が良いかな?(笑)〕
『え? 私レベルで良いんですか? だったら、いくらでもいます! 後で写真を見せますね!!』
かなりマジな感じで妻が水口さんに薦めていた。 第3回へ続く
2016/09/21
水口陵介(みずぐち・りょうすけ:39歳)さんは異色の経歴[外資系の名の通ったレストランのシェフやパティシエの経験]を生かして、会社でも独自路線で企画を立てて、けっこう成功している。社内での評価も高くなってきていたが、そんな事よりも、こうやってウチに遊びに来ては、本格的な料理やスィーツを振る舞ってくれるので、我が家での彼の評価はメチャクチャ高い。
水口さんはイケメンで、仕事も出来て料理も出来るのだけど、いまだに独身で、会社では不思議がられていた。ただ、こうやってプライベートでも仲良くしている俺には、その理由が何となくわかっている。
彼は単純に、人見知りなのだと思う。ただそれはけっこう重症だ。さすがに社会人だし、歳もそれなりに行っているので、表面上は普通に他人と接しているが、かなり強固な壁がある。うちの妻(浅野美咲:あさの・みさき:28歳)や子供達に対しても、本当の意味で慣れるまでに軽く半年はかかった。しかし今では家族同然の付き合いだ。
そんな水口さんは、子供達が喜ぶので、わざわざ昔のシェフ時代の衣装と、あの長い帽子をかぶって料理をしてくれる。その姿で真剣に料理をする水口さんは、けっこう格好いいのだ。俺(浅野幸也:あさの・ゆきや:37歳)は、美咲が彼に恋心を持たないか、たまに心配になる。だけど、貞操観念がしっかりしていて、手前味噌だが俺に一途な妻は、そんな気配は一切見せなかった。
毎回のことだが、美味しそうな料理が並ぶ。子供達の好きな料理を作ってくれるので、子供達も大喜びで食べている。口の周りをべちゃべちゃにしながら、ガツガツ食べる子供達を水口さんは目を細めて見ていた。
《子供が欲しいのかな? 結婚したいのかな?》と、疑問が浮かぶ。『水口さんは、なんで彼女作らないんですか?』って妻の美咲がバクバク食べながら、急に聞いた。それにしても、妻は食べている姿も可愛いのです。本当に、毎日見ても全然飽きない。
〔全然モテないからね(笑)。良い子がいたら、紹介してよ(笑)!〕と水口さんが、おどけて答えた。『そんな事ないでしょ? ねぇ、水口さんって、会社でモテてるんでしょ?』って俺に聞く妻。
「そうだね?・・でも、会社だと水口さん、仕事一筋って感じだから、ちょっと取っつきにくいかもな。」会社では、女性陣には特技のことは知られていないし、あまり自分からしゃべらない水口さんなので、人気はそれなりにあるが、モテているという感じはない。
〔ほらね(笑)。〕
『じゃあ、ホントに紹介します! どんなタイプの子が好きですか?』
妻は、本当に紹介するつもりみたいだ。
〔うーーん・・・美咲さんみたいな子が良いかな?(笑)〕
『え? 私レベルで良いんですか? だったら、いくらでもいます! 後で写真を見せますね!!』
かなりマジな感じで妻が水口さんに薦めていた。 第3回へ続く
2016/09/21
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