『妻の3年』 vol.2 〔夫、謙一〕
中D『妻の3年』 vol.2
夫の謙一はとてもHです。付き合い始めてから、二回目のデートの時にキスをされ、それからは直ぐに体に触りたがるし、とうとう、根負けして付き合ってから半年目で、許してしまったのは失敗だったと思っています。やっぱり、結婚するまでは、体を許すべきではなかったと思います。
結婚して長女が生れてから、少し太り気味だったので、近くでやっているフラダンス教室に通うことにしたのです。そのフラダンスの先生が雅子さんです。彼女は、わたしが一番尊敬している人で、色んなことをほとんどなんでも相談しています。雅子さんはスタイルもよく美人だし、性格も明るく、本当の姉に似ているところもあり、わたしも妹のように可愛がってもらっています。
特に夫との夜の生活のことについては、何も知らなかったわたしに色々と教えてくれました。お陰様で夫もわたしのことを“マグロ”とは言わなくなりました。始めは、そのマグロの意味さえ知りませんでした。
雅子さんからアドバイスをして頂いてから、性生活というのは大切なことなのだということが少しずつ理解できるようになりました。わたしの方から積極的に求めると、夫も嬉しそうです。
わたしはセックスなんてスポーツと同じだと思っていたのですが、少しずつ悦びも分かるようになり、夫に「お前、締りが最近よくなったな。すごく、いいよ……。」なんていわれると(恥ずかしい面もあるけど)思わず嬉しくなり、“ブタもおだてりゃ”で、『またパパを喜ばせてあげようかな。』と思ってしまいます。夫とのセックスの相性はいいようです。
そんなわけで雅子さんには人生の先輩として、色んな影響を受けましたが、一番強烈だったのは3年前の、わたしが28歳の時のことでした。その頃はフラダンスの教室に通い始めてから、2年ほど経っていました。教室で知り合った、杏璃や恵実さんとも仲良くお付き合いをしていました。そんなある日、雅子さんに誘われてお宅に伺った時のことです。杏璃と恵実さんも一緒でした。
話題が、夫婦生活のことになったのです。恵実さんが「うちは、月に一回がいいところね。最近うちの人も仕事で疲れるって言っているけど、もうマンネリよね。」と愚痴る。しかし、杏璃が「うちも、子どもができてからマンネリで白けていたんだけど、雅子さんに、連れて行ってもらってから、なんか、新婚当時に戻ったみたいになってきたわ。やっぱり性生活が安定していると、夫婦ってお互いを信頼できるような気がするわ。」
「えっ、なに、どこへ行ったのよ?」って恵実さんが興味津々といった顔で、杏璃に訊くと、「いけない、余計なこと言っちゃったかな……、雅子さん、ごめんなさい。」としまったなという顔になる。「いいわよ、別にそんなに隠さなくたって、琴美ちゃんと恵実ちゃんだから、言ってもかまわないわよ。」
結局、杏璃が雅子さんに連れて行ってもらった、というのはSWパーティ(夫婦、恋人同士がパートナーを交換し愛し合うことを楽しむスワップパーティ)だったのです。その時は話を聞いても、そのこと自体、何がなんだかよく分かりませんでした。まさか、そんな世界が現実にあるとは知りませんでした。
それは、不道徳で人の道に外れたことで、覚醒剤と同じように、してはいけないことで、AVとか、ほんの一部の変態趣味をもった人たちの世界だと思っていました。それがまさか、身近に、それも友だちの中にそんな人がいるとは信じられませんでした。
でも、“マンネリにならないで、夫婦の愛情を維持していくためには、お互いに魅力をなくしてはダメ”、という雅子さんの話には説得力がありました。恵実さんは、夫婦生活のマンネリを解消したいという気持ちからか、大変熱心に聴いていました。
その頃わたしは、夫とは週2くらいのペースで楽しくやっていましたので、夫以外の男性とセックスするなんてことは考えられませんでしたし、全く興味もありませんでした。それでも、根は人一倍好奇心が旺盛なので、週刊誌的な興味はありました。杏璃の体験談とかを、わくわくしながら聞いていましたが、雅子さんが5年程前からしていたということと、同い年の杏璃が実際に経験しているということに凄いショックを受けました。
そうすると、雅子さんの、わたしへの色んなアドバイスもそっちのほうからのテクニックだったのかな、と思うと、なんか自分も関係しているような気がして、心臓がドキドキしてきました。
しかし、その時は、「また、機会があったら教えてあげるわ。」という雅子さんの一言でSWの話題は打ち切りとなり、あとは子どもの話やファッションの話しなどで時間を過ごしました。でもわたしは、家に戻ってからも杏璃と雅子さんの“SWパーティ”のことがずーっと耳に残って離れませんでした。
夫の謙一はとてもHです。付き合い始めてから、二回目のデートの時にキスをされ、それからは直ぐに体に触りたがるし、とうとう、根負けして付き合ってから半年目で、許してしまったのは失敗だったと思っています。やっぱり、結婚するまでは、体を許すべきではなかったと思います。
結婚して長女が生れてから、少し太り気味だったので、近くでやっているフラダンス教室に通うことにしたのです。そのフラダンスの先生が雅子さんです。彼女は、わたしが一番尊敬している人で、色んなことをほとんどなんでも相談しています。雅子さんはスタイルもよく美人だし、性格も明るく、本当の姉に似ているところもあり、わたしも妹のように可愛がってもらっています。
特に夫との夜の生活のことについては、何も知らなかったわたしに色々と教えてくれました。お陰様で夫もわたしのことを“マグロ”とは言わなくなりました。始めは、そのマグロの意味さえ知りませんでした。
雅子さんからアドバイスをして頂いてから、性生活というのは大切なことなのだということが少しずつ理解できるようになりました。わたしの方から積極的に求めると、夫も嬉しそうです。
わたしはセックスなんてスポーツと同じだと思っていたのですが、少しずつ悦びも分かるようになり、夫に「お前、締りが最近よくなったな。すごく、いいよ……。」なんていわれると(恥ずかしい面もあるけど)思わず嬉しくなり、“ブタもおだてりゃ”で、『またパパを喜ばせてあげようかな。』と思ってしまいます。夫とのセックスの相性はいいようです。
そんなわけで雅子さんには人生の先輩として、色んな影響を受けましたが、一番強烈だったのは3年前の、わたしが28歳の時のことでした。その頃はフラダンスの教室に通い始めてから、2年ほど経っていました。教室で知り合った、杏璃や恵実さんとも仲良くお付き合いをしていました。そんなある日、雅子さんに誘われてお宅に伺った時のことです。杏璃と恵実さんも一緒でした。
話題が、夫婦生活のことになったのです。恵実さんが「うちは、月に一回がいいところね。最近うちの人も仕事で疲れるって言っているけど、もうマンネリよね。」と愚痴る。しかし、杏璃が「うちも、子どもができてからマンネリで白けていたんだけど、雅子さんに、連れて行ってもらってから、なんか、新婚当時に戻ったみたいになってきたわ。やっぱり性生活が安定していると、夫婦ってお互いを信頼できるような気がするわ。」
「えっ、なに、どこへ行ったのよ?」って恵実さんが興味津々といった顔で、杏璃に訊くと、「いけない、余計なこと言っちゃったかな……、雅子さん、ごめんなさい。」としまったなという顔になる。「いいわよ、別にそんなに隠さなくたって、琴美ちゃんと恵実ちゃんだから、言ってもかまわないわよ。」
結局、杏璃が雅子さんに連れて行ってもらった、というのはSWパーティ(夫婦、恋人同士がパートナーを交換し愛し合うことを楽しむスワップパーティ)だったのです。その時は話を聞いても、そのこと自体、何がなんだかよく分かりませんでした。まさか、そんな世界が現実にあるとは知りませんでした。
それは、不道徳で人の道に外れたことで、覚醒剤と同じように、してはいけないことで、AVとか、ほんの一部の変態趣味をもった人たちの世界だと思っていました。それがまさか、身近に、それも友だちの中にそんな人がいるとは信じられませんでした。
でも、“マンネリにならないで、夫婦の愛情を維持していくためには、お互いに魅力をなくしてはダメ”、という雅子さんの話には説得力がありました。恵実さんは、夫婦生活のマンネリを解消したいという気持ちからか、大変熱心に聴いていました。
その頃わたしは、夫とは週2くらいのペースで楽しくやっていましたので、夫以外の男性とセックスするなんてことは考えられませんでしたし、全く興味もありませんでした。それでも、根は人一倍好奇心が旺盛なので、週刊誌的な興味はありました。杏璃の体験談とかを、わくわくしながら聞いていましたが、雅子さんが5年程前からしていたということと、同い年の杏璃が実際に経験しているということに凄いショックを受けました。
そうすると、雅子さんの、わたしへの色んなアドバイスもそっちのほうからのテクニックだったのかな、と思うと、なんか自分も関係しているような気がして、心臓がドキドキしてきました。
しかし、その時は、「また、機会があったら教えてあげるわ。」という雅子さんの一言でSWの話題は打ち切りとなり、あとは子どもの話やファッションの話しなどで時間を過ごしました。でもわたしは、家に戻ってからも杏璃と雅子さんの“SWパーティ”のことがずーっと耳に残って離れませんでした。
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