《プレゼントされたデート》 後編(完)
短7 《プレゼントされたデート》 後編(完)
友人の和則は初めてのデートとは、思えない程、器用に妻の菫(すみれ)をエスコートしたらしい。俺はそれで思った。《あの包茎というコンプレックスを、取り除いてあげられれば、直ぐにでも和則は彼女を作れるのではと・・・。》
直ぐに、インターネットで調べてみたら、市内に有名な包茎手術の出来るクリニックがあることがわかった。俺が、和則にその話を持ちかけてみるも、なかなか〔うん。〕と言わない。それでも諦めずに根気よく、「絶対お前の為になる。手術をすれば、直ぐにでも彼女が出来る!」と説得するが頑(かたく)なに応じない。
俺は説得を諦め、行動あるのみと強引に和則を車に乗せ、そのクリニックへと向かった。さすがに和則もクリニックに着くと、観念したのか素直に中に入ってくれた。その日は、いろいろな検査や、手術の説明を受けた。
そして、数日後に和則は手術を受けた。費用は12万弱したらしく、俺はへそくりから、見舞金という名目で半分、出した。和則は術後、最初は痛そう(手術の後の痛み+亀頭が露出したことによる痛み)にしていたが、1カ月後には、日常生活に戻れ、殆ど痛みはなくなったようだ。
俺は、1カ月近く痛みに耐え抜いたご褒美と、34年間の和則の童貞生活を卒業させてあげようと、風俗へ誘った。しかし、和則は首を縦には振らなかった。そして、その理由を告白する。〔最初はどうしても好きな人が良いんだ!!それで俺が好きなのは、ずっと菫さんなんだ!健介、一生に一度の頼みだ!最初だけ!最初の一回だけ菫さんと・・・。〕泣きながら俺に土下座をした。
その日は俺一人では到底答えを出す事が出来ないので、家に戻り妻の菫にありのままを伝えた。二人で話し合っても結論が出ないので、子供が寝る頃の午後10時過ぎ和則に我が家へ来て貰う事にする。
そして、和則は菫の前で、もう一度、土下座をして自分の気持ちの全て告白をした。菫は直接の願いに、困惑していたが暫くすると冷静さを、取り戻したのか、俺を別室へ連れ出す。菫は真剣な面持ちで、『健介が許してくれるなら、私は大丈夫だよ。でも約束して欲しいの、私が和則さんに抱かれても、何も変わらないって今までの生活も、健介の気持ちも・・・。』と言ってくれた。その重い決断に、俺は菫を強く抱きしめた。
そして予定した土曜日になる。和則は前回と同じように、昼間のデートを楽しみたかったようだが、菫は断固拒否をした。夕方、神妙な顔をした和則が迎えに来る。菫も前回のように、ウキウキした感じではなく、重苦しい空気の中、二人は出かけていった。
俺は子供に食事を食べさせたり、風呂に入れたり、寝かしつけたりした。子供にいろいろしている間は良かったが、いざ一人になると・・・胸が苦しくなった。いつもはひとりで飲まないのだが、ワインをがぶ飲みした。ふらふらになりながら、布団に転がったが、眠れる筈もなく、ゆっくりと時間が過ぎていった。
夜の11時頃、妻の菫が帰ってくる音が聞こえた。俺は金縛りにあったように動けなかった。菫はシャワーを浴びに行って、半時間を経て寝室に入ってきた。何も言えずにいる俺に、菫は自ら抱きついてくる。
激しくキスをし、俺はもうテクニックなど関係無しに、何かを取り戻すように、激しく愛し合った。朝まで、何度も何度も・・・そして外が明るくなる頃には、二人とも力尽き、笑いながら「まだまだ、俺も元気だな!」って呟くと、菫も、『なんか新婚当初に戻ったみたいだね~。』それからは、何時もと何も変わらない生活が待っていた。
菫も和則も、あの夜の事はいっさい話さない。暫くして、和則と飲んでいる時に何気なく、そのことを聞いたら、ホテルに入る前に菫に、『今日これからの事を、絶対誰にも話さないで!もし誰かに、話したら私はあなたを、一生許さない!』と言われたらしい。
それと、和則が菫に、〔今日の御礼がしたい!プレゼントをさせて欲しい。〕と何度も言っても、妻は、『何のお礼か解らないから要らない。』と、頑なに断ったそうだ。 完。
2014/12/22
友人の和則は初めてのデートとは、思えない程、器用に妻の菫(すみれ)をエスコートしたらしい。俺はそれで思った。《あの包茎というコンプレックスを、取り除いてあげられれば、直ぐにでも和則は彼女を作れるのではと・・・。》
直ぐに、インターネットで調べてみたら、市内に有名な包茎手術の出来るクリニックがあることがわかった。俺が、和則にその話を持ちかけてみるも、なかなか〔うん。〕と言わない。それでも諦めずに根気よく、「絶対お前の為になる。手術をすれば、直ぐにでも彼女が出来る!」と説得するが頑(かたく)なに応じない。
俺は説得を諦め、行動あるのみと強引に和則を車に乗せ、そのクリニックへと向かった。さすがに和則もクリニックに着くと、観念したのか素直に中に入ってくれた。その日は、いろいろな検査や、手術の説明を受けた。
そして、数日後に和則は手術を受けた。費用は12万弱したらしく、俺はへそくりから、見舞金という名目で半分、出した。和則は術後、最初は痛そう(手術の後の痛み+亀頭が露出したことによる痛み)にしていたが、1カ月後には、日常生活に戻れ、殆ど痛みはなくなったようだ。
俺は、1カ月近く痛みに耐え抜いたご褒美と、34年間の和則の童貞生活を卒業させてあげようと、風俗へ誘った。しかし、和則は首を縦には振らなかった。そして、その理由を告白する。〔最初はどうしても好きな人が良いんだ!!それで俺が好きなのは、ずっと菫さんなんだ!健介、一生に一度の頼みだ!最初だけ!最初の一回だけ菫さんと・・・。〕泣きながら俺に土下座をした。
その日は俺一人では到底答えを出す事が出来ないので、家に戻り妻の菫にありのままを伝えた。二人で話し合っても結論が出ないので、子供が寝る頃の午後10時過ぎ和則に我が家へ来て貰う事にする。
そして、和則は菫の前で、もう一度、土下座をして自分の気持ちの全て告白をした。菫は直接の願いに、困惑していたが暫くすると冷静さを、取り戻したのか、俺を別室へ連れ出す。菫は真剣な面持ちで、『健介が許してくれるなら、私は大丈夫だよ。でも約束して欲しいの、私が和則さんに抱かれても、何も変わらないって今までの生活も、健介の気持ちも・・・。』と言ってくれた。その重い決断に、俺は菫を強く抱きしめた。
そして予定した土曜日になる。和則は前回と同じように、昼間のデートを楽しみたかったようだが、菫は断固拒否をした。夕方、神妙な顔をした和則が迎えに来る。菫も前回のように、ウキウキした感じではなく、重苦しい空気の中、二人は出かけていった。
俺は子供に食事を食べさせたり、風呂に入れたり、寝かしつけたりした。子供にいろいろしている間は良かったが、いざ一人になると・・・胸が苦しくなった。いつもはひとりで飲まないのだが、ワインをがぶ飲みした。ふらふらになりながら、布団に転がったが、眠れる筈もなく、ゆっくりと時間が過ぎていった。
夜の11時頃、妻の菫が帰ってくる音が聞こえた。俺は金縛りにあったように動けなかった。菫はシャワーを浴びに行って、半時間を経て寝室に入ってきた。何も言えずにいる俺に、菫は自ら抱きついてくる。
激しくキスをし、俺はもうテクニックなど関係無しに、何かを取り戻すように、激しく愛し合った。朝まで、何度も何度も・・・そして外が明るくなる頃には、二人とも力尽き、笑いながら「まだまだ、俺も元気だな!」って呟くと、菫も、『なんか新婚当初に戻ったみたいだね~。』それからは、何時もと何も変わらない生活が待っていた。
菫も和則も、あの夜の事はいっさい話さない。暫くして、和則と飲んでいる時に何気なく、そのことを聞いたら、ホテルに入る前に菫に、『今日これからの事を、絶対誰にも話さないで!もし誰かに、話したら私はあなたを、一生許さない!』と言われたらしい。
それと、和則が菫に、〔今日の御礼がしたい!プレゼントをさせて欲しい。〕と何度も言っても、妻は、『何のお礼か解らないから要らない。』と、頑なに断ったそうだ。 完。
2014/12/22
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