特名 〖興奮と嫉妬と不安の狭間で〗 第2節5章
特名 〖興奮と嫉妬と不安の狭間で〗 第2節5章
〖初の貸し出し④ ホテル〗
さっきまでの嫉妬心に加えて、今は食事中だろうかな?って思いながらも心臓がドキドキして堪らない気分(俺だけが疎外されている憔悴感がヤバイ)だった。
俺は自分でラーメンを作ったけど、正直殆ど食べられなかった。ラーメンを半分も残したのなんて初めてかもしれない。食べているときもスマートフォンはずっと握り締めていた。
18時以降が凄く長かった。結局向井さんから着信があったのは20時半。それまで何度も向井さんに電話(終了の合図)しそうになったし、何よりも妻の葵に電話をかけたくなった。19時以降、何回通話ボタン押して、葵の番号が流れきる前に切るってのを繰り返したか分からない。
電話取った瞬間、向井さんの声、〔あ、もしもし向井です。▲▲の件。うん。〕と、余所行きの声で演技だと思ったので黙っていた。
俺が一言だけ「今ホテル?」、〔ああ、うん。そうそう。それでさ、火曜日に資材運ばないといけないから・・・。〕ぺらぺらぺらっと向井さんが一方的に喋って、〔じゃあよろしく。〕と言った後で、次にガサガサ、ボスっていうスマートフォンを置く音がした。
『電話してます?』近くから葵の声。その声で動悸が跳ね上がった。どう聞いても横になって寝ながら発している声だったから。ホテルの部屋のベッドからなのは間違い無い。しかも気だるげな声だった。
〔仕事関係。土曜日に仕事させんなって感じだよな。〕で、葵の笑い声とともに『社長さんに土日は無いんでしょ?』それに向井さんの笑い声。
そういう遣り取りがスマートフォンの奥で意外とクリアに聞こえて来た。勿論聞き取れない声とかは良く判らない部分もあったけれど、ガサガサと歩き回っている音とか葵と向井さんの会話は意外とちゃんと聞こえた。
それで、暫くして向井さんの声。〔どうする?大輔に今のうちに電話しちゃわない?〕、『ええ今から?電話、できないよ・・なんて言うの?・・。』
〔だから、大輔は泊まりオッケーだって。葵ちゃん聞いて無い?〕
『え、本当に聞いて無いですよ。っていうか、食事だけって話でしたよ。』
ここで電話を握った手が震えた。(字で書くとなんともないけど、実際は衝撃がマジやばい。)
葵の『っていうかぁ。』って言葉が向井に甘えるような咎めるみたいな口調だったから、食事だけって言葉がもう既に嘘になっているって感じが薄々判って、この衝撃も凄かった。
向井さんの次の言葉ではっきりした。〔ゴメンゴメン。そういや俺葵ちゃんに飯喰わせてないよな。〕、『最悪ですよねー。』と悪戯っぽい葵の声。俺は本気でガタガタガタって手が震えてきて、左手で右手を抑えた位だった。
これが【寝取らせ】の現実と思い知る。葵を他の男に抱かせる(セックスさせる)のを承知しているが、二人の会話の中で、特に葵が“甘い声”で喋る部分は実に心が痛む。
全部の会話を覚えている訳じゃないし、(それに書くと長くなるからはしょるけど)その後で葵が、『本当に大輔君(俺)が泊まりOKなら最初から言えばいうはずだもん?』と言うのを、向井さんが宥(なだ)めたりしている会話が続いた。
それがいかにも葵を宥(なだ)めているって感じで胸がもやもやしていて、しかもその途中で向井さんが、〔葵ちゃんはもう裸なんだからさ。〕って言った事でもう1回はやっている事、葵がまだ裸でいる事が判って呆然とした。
その会話を聞いていてベッドの音とか葵と向井の声とかで、向井さんはスマートフォンをベッドの頭の方に置いたのだろうって事は判った。何か声が横に飛んでいった気がした。
2015/01/21
〖初の貸し出し④ ホテル〗
さっきまでの嫉妬心に加えて、今は食事中だろうかな?って思いながらも心臓がドキドキして堪らない気分(俺だけが疎外されている憔悴感がヤバイ)だった。
俺は自分でラーメンを作ったけど、正直殆ど食べられなかった。ラーメンを半分も残したのなんて初めてかもしれない。食べているときもスマートフォンはずっと握り締めていた。
18時以降が凄く長かった。結局向井さんから着信があったのは20時半。それまで何度も向井さんに電話(終了の合図)しそうになったし、何よりも妻の葵に電話をかけたくなった。19時以降、何回通話ボタン押して、葵の番号が流れきる前に切るってのを繰り返したか分からない。
電話取った瞬間、向井さんの声、〔あ、もしもし向井です。▲▲の件。うん。〕と、余所行きの声で演技だと思ったので黙っていた。
俺が一言だけ「今ホテル?」、〔ああ、うん。そうそう。それでさ、火曜日に資材運ばないといけないから・・・。〕ぺらぺらぺらっと向井さんが一方的に喋って、〔じゃあよろしく。〕と言った後で、次にガサガサ、ボスっていうスマートフォンを置く音がした。
『電話してます?』近くから葵の声。その声で動悸が跳ね上がった。どう聞いても横になって寝ながら発している声だったから。ホテルの部屋のベッドからなのは間違い無い。しかも気だるげな声だった。
〔仕事関係。土曜日に仕事させんなって感じだよな。〕で、葵の笑い声とともに『社長さんに土日は無いんでしょ?』それに向井さんの笑い声。
そういう遣り取りがスマートフォンの奥で意外とクリアに聞こえて来た。勿論聞き取れない声とかは良く判らない部分もあったけれど、ガサガサと歩き回っている音とか葵と向井さんの会話は意外とちゃんと聞こえた。
それで、暫くして向井さんの声。〔どうする?大輔に今のうちに電話しちゃわない?〕、『ええ今から?電話、できないよ・・なんて言うの?・・。』
〔だから、大輔は泊まりオッケーだって。葵ちゃん聞いて無い?〕
『え、本当に聞いて無いですよ。っていうか、食事だけって話でしたよ。』
ここで電話を握った手が震えた。(字で書くとなんともないけど、実際は衝撃がマジやばい。)
葵の『っていうかぁ。』って言葉が向井に甘えるような咎めるみたいな口調だったから、食事だけって言葉がもう既に嘘になっているって感じが薄々判って、この衝撃も凄かった。
向井さんの次の言葉ではっきりした。〔ゴメンゴメン。そういや俺葵ちゃんに飯喰わせてないよな。〕、『最悪ですよねー。』と悪戯っぽい葵の声。俺は本気でガタガタガタって手が震えてきて、左手で右手を抑えた位だった。
これが【寝取らせ】の現実と思い知る。葵を他の男に抱かせる(セックスさせる)のを承知しているが、二人の会話の中で、特に葵が“甘い声”で喋る部分は実に心が痛む。
全部の会話を覚えている訳じゃないし、(それに書くと長くなるからはしょるけど)その後で葵が、『本当に大輔君(俺)が泊まりOKなら最初から言えばいうはずだもん?』と言うのを、向井さんが宥(なだ)めたりしている会話が続いた。
それがいかにも葵を宥(なだ)めているって感じで胸がもやもやしていて、しかもその途中で向井さんが、〔葵ちゃんはもう裸なんだからさ。〕って言った事でもう1回はやっている事、葵がまだ裸でいる事が判って呆然とした。
その会話を聞いていてベッドの音とか葵と向井の声とかで、向井さんはスマートフォンをベッドの頭の方に置いたのだろうって事は判った。何か声が横に飛んでいった気がした。
2015/01/21
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