短Ⅱ22《大好きっ!》5話
短Ⅱ22《大好きっ!》5話
俺(篠田和臣かずおみ:40歳)は昼頃に起き出して、とりあえず奥の間を片付ける事にする。それから《布団以外に何が必要かな?》と考えた。
「ここを千春ちゃんの部屋にするから・・・そうだな。箪笥と机も揃えなきゃね。」
『机ですか?』
「うん・・・学生は、きちんと勉強しなきゃ。」
『わたしコタツでもいいですけど・・・。』
「だめだめ!机じゃなきゃ、身が入らない!」
『は~い。』
「それから・・・ベッドもいるな。パイプベッドじゃ・・・ダメかな?」
『ベッドは・・・要りません!』
「ん?布団を上げ下ろしするの?」
『いえ、そうじゃなくて・・・お父さんと、一緒に寝ちゃダメですか?』
「はぁ?」
『ダメ・・・ですか?』
俺はどうも、千春ちゃんの上目遣いに弱いようだ。片付けが済んで、二人で箪笥と机を買いに行った。峰岸忠介からはまとまった一時金と毎月の生活費が支払われているので、そこから支出をする。
それから・・・やはりベッドを買う事にした。パイプベッドではなく、ちゃんとしたセミダブルを。それに合わせ、布団も購入。やっぱ毎晩一緒に寝るわけには・・・「たまにならいいから。」と言うと、千春ちゃんは不服そうだったが、すぐに『は~い・・・。』と返事をした。本当に、可愛い子だと思う。
養子縁組が済むまで、千春ちゃんを前の中学校まで送るのが日課となる。それは新学期までは、前の中学校に通わせようと思ったからだ。「縁組は春休みまで待ってやれよ。」と、峰岸を説得した。突然転校とか、突然名前が変わるとかは、いくら何でも可哀想だ。
千春ちゃんの日課は、俺が「しなくていいよ。」と言うのに、炊事洗濯をきちんとこなした。どんなに遅く帰っても、いつも起きて待っていた。(勉強しながら)将来はきっといい奥さんになると思う。
そして春休み・・・晴れて千春ちゃんは、「篠田千春」となる。転校の手続きも無事に済んだ。 それで判ったのだが千春ちゃんは、本当に成績優秀だった。公立ならば、この辺の高校はどこでも受かるって感じ。だが当の千春ちゃん、俺に気遣って、中学卒業したら働くつもりだったらしい。
「娘がね・・・親に気を遣うもんじゃない!娘なんだから甘えなさい!」
そう言うと、千春ちゃんは目にいっぱい涙を溜め、『ありがとう。』と抱きついてくる。《これには、ちょっと・・・ほんの少しだけ・・・ドキドキした・・・》ただ正直に言えば・・・いい父娘関係を築いていけると、俺は感じていた。
2015/10/07
俺(篠田和臣かずおみ:40歳)は昼頃に起き出して、とりあえず奥の間を片付ける事にする。それから《布団以外に何が必要かな?》と考えた。
「ここを千春ちゃんの部屋にするから・・・そうだな。箪笥と机も揃えなきゃね。」
『机ですか?』
「うん・・・学生は、きちんと勉強しなきゃ。」
『わたしコタツでもいいですけど・・・。』
「だめだめ!机じゃなきゃ、身が入らない!」
『は~い。』
「それから・・・ベッドもいるな。パイプベッドじゃ・・・ダメかな?」
『ベッドは・・・要りません!』
「ん?布団を上げ下ろしするの?」
『いえ、そうじゃなくて・・・お父さんと、一緒に寝ちゃダメですか?』
「はぁ?」
『ダメ・・・ですか?』
俺はどうも、千春ちゃんの上目遣いに弱いようだ。片付けが済んで、二人で箪笥と机を買いに行った。峰岸忠介からはまとまった一時金と毎月の生活費が支払われているので、そこから支出をする。
それから・・・やはりベッドを買う事にした。パイプベッドではなく、ちゃんとしたセミダブルを。それに合わせ、布団も購入。やっぱ毎晩一緒に寝るわけには・・・「たまにならいいから。」と言うと、千春ちゃんは不服そうだったが、すぐに『は~い・・・。』と返事をした。本当に、可愛い子だと思う。
養子縁組が済むまで、千春ちゃんを前の中学校まで送るのが日課となる。それは新学期までは、前の中学校に通わせようと思ったからだ。「縁組は春休みまで待ってやれよ。」と、峰岸を説得した。突然転校とか、突然名前が変わるとかは、いくら何でも可哀想だ。
千春ちゃんの日課は、俺が「しなくていいよ。」と言うのに、炊事洗濯をきちんとこなした。どんなに遅く帰っても、いつも起きて待っていた。(勉強しながら)将来はきっといい奥さんになると思う。
そして春休み・・・晴れて千春ちゃんは、「篠田千春」となる。転校の手続きも無事に済んだ。 それで判ったのだが千春ちゃんは、本当に成績優秀だった。公立ならば、この辺の高校はどこでも受かるって感じ。だが当の千春ちゃん、俺に気遣って、中学卒業したら働くつもりだったらしい。
「娘がね・・・親に気を遣うもんじゃない!娘なんだから甘えなさい!」
そう言うと、千春ちゃんは目にいっぱい涙を溜め、『ありがとう。』と抱きついてくる。《これには、ちょっと・・・ほんの少しだけ・・・ドキドキした・・・》ただ正直に言えば・・・いい父娘関係を築いていけると、俺は感じていた。
2015/10/07
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夏がどうにも、身体に本当悪影響を及ぼす 高温多湿です。
じっとり べっとり 何もしないでも汗が止まりません。
だから皆 エアコンに頼ります。しかし高齢者の一部には
エアコンの風が 嫌いというか嫌がる人がいて 家の中で
「熱中症」で亡くなるひともいます。
四季があるからいいと言いますが、できれば夏がもう少し
短ければと個人的には思っています・・・。
秋は 良い季節です。 最初は暑い夏から 乾燥した空気。
終わりは 冬に向かって 物悲しくなる空。
さて、いま色々と 発表の仕方を 変えています。 短編は
出来るだけ 集中的に 掲載していこうと 間があくと おもしろみに
欠けるような 気がします。
今後も Mr. Jeongさんには ご指摘を受ければ 幸いです。 実際、励みに
なっていますので よろしくお願い致します。 잘 부탁해요