中P〖妻と部長〗第8話
中P〖妻と部長〗第8話
ポケットを捜したが携帯電話は見つからなかった。部屋に携帯電話を忘れてしまったようだった。急にゴソゴソと動き出した私に、左隣に座っている涼子が声を掛けてくる。
〚どうかしたの?〛
「いや、携帯忘れたのを思い出して…。」
〚え、そんなのいいわよ。携帯がなくても連絡先は教えるわよ。〛
「うん。ありがとう。助かるよ。」と私は笑顔で答えたがソワソワしていた。
〚まだ、何かあるの?〛
「友達から電話もらう事になっているんだけど…。ところで今何時なのかな?」
涼子が紙のコースターの裏に部屋番号と携帯番号を書いていると若いバーテンダーが「10時15分です。」と答えた。
「まずい。電話が掛かっているかもしれない。そろそろ部屋に戻らないといけない。」
「そうなの?」と悲しい声で2人が言った。私は伝票にサインをして立ち上がると涼子もそれに続き、私を入口まで送ってくれた。ドアの前で振り返り麻紀にも「おやすみ。」と言い、それからドアを開けて店から出ると涼子ももじもじしながら店から出てきた。
涼子は私に紙のコースターを渡してくる。そして、いきなり抱きついてキスをしてきた。(欲求不満なのだろうか?)自ら舌を入れて、口の中で舌を絡める激しいものだった。1分程していただろうか?激しいキスを終えると私はエレベーターに向かった。二組のカップルに見られていたようで恥ずかしかったが涼子とやれないかもしれない残念感の方が大きかった。
部屋に戻ると携帯電話はテーブルの上に置いてあった。点滅しているように見えないので見た感じ着信やメールはなさそうだ。携帯電話を手に取り、画面を見たが着信もメールも着ていない。パーティーが終了して一時間余り経っている。(何をしているのだ?)怒りが込み上げてきた。
もう少し電話を待とうかとも思ったが電話をする事にした。なぜだかドキドキする。もし電源が切られていたら、もし電話に出なかったら、もし真田部長に何かをされながら電話に出たら、そんなことが頭をよぎり、恐る恐る発信ボタンを押す。
“トゥルルル、トゥルルル、…”と受話器から呼び出し音が響く。一応、繋がるようだ。果たして、電話に出るのか?出ないのか?緊張の時間が過ぎていく。呼び出し音だけが耳に入る。繋がったと思い、話し掛ける。「もしもし、愛美か?」受話器の向こうから留守電に切り替わる機械的なメッセージが聞こえてきた。私は溜め息をつきながら、電話を切る。それからストーカーのように何度も電話を掛けたが繋がらなかった。
何度電話を掛けても同じ結果が続いた。掛け始めてから10分近く経っている。電話を掛けるのを諦めようかとしていた。ポケットに手をやると先ほどバーで出会った涼子と名乗る女性から受け取った紙のコースターに触れた。コースターを取り出して見てみると部屋番号と携帯番号が書いてあり、更に〚必ず連絡ください。何時でも待っています。〛と書かれている。
2015/04/09
ポケットを捜したが携帯電話は見つからなかった。部屋に携帯電話を忘れてしまったようだった。急にゴソゴソと動き出した私に、左隣に座っている涼子が声を掛けてくる。
〚どうかしたの?〛
「いや、携帯忘れたのを思い出して…。」
〚え、そんなのいいわよ。携帯がなくても連絡先は教えるわよ。〛
「うん。ありがとう。助かるよ。」と私は笑顔で答えたがソワソワしていた。
〚まだ、何かあるの?〛
「友達から電話もらう事になっているんだけど…。ところで今何時なのかな?」
涼子が紙のコースターの裏に部屋番号と携帯番号を書いていると若いバーテンダーが「10時15分です。」と答えた。
「まずい。電話が掛かっているかもしれない。そろそろ部屋に戻らないといけない。」
「そうなの?」と悲しい声で2人が言った。私は伝票にサインをして立ち上がると涼子もそれに続き、私を入口まで送ってくれた。ドアの前で振り返り麻紀にも「おやすみ。」と言い、それからドアを開けて店から出ると涼子ももじもじしながら店から出てきた。
涼子は私に紙のコースターを渡してくる。そして、いきなり抱きついてキスをしてきた。(欲求不満なのだろうか?)自ら舌を入れて、口の中で舌を絡める激しいものだった。1分程していただろうか?激しいキスを終えると私はエレベーターに向かった。二組のカップルに見られていたようで恥ずかしかったが涼子とやれないかもしれない残念感の方が大きかった。
部屋に戻ると携帯電話はテーブルの上に置いてあった。点滅しているように見えないので見た感じ着信やメールはなさそうだ。携帯電話を手に取り、画面を見たが着信もメールも着ていない。パーティーが終了して一時間余り経っている。(何をしているのだ?)怒りが込み上げてきた。
もう少し電話を待とうかとも思ったが電話をする事にした。なぜだかドキドキする。もし電源が切られていたら、もし電話に出なかったら、もし真田部長に何かをされながら電話に出たら、そんなことが頭をよぎり、恐る恐る発信ボタンを押す。
“トゥルルル、トゥルルル、…”と受話器から呼び出し音が響く。一応、繋がるようだ。果たして、電話に出るのか?出ないのか?緊張の時間が過ぎていく。呼び出し音だけが耳に入る。繋がったと思い、話し掛ける。「もしもし、愛美か?」受話器の向こうから留守電に切り替わる機械的なメッセージが聞こえてきた。私は溜め息をつきながら、電話を切る。それからストーカーのように何度も電話を掛けたが繋がらなかった。
何度電話を掛けても同じ結果が続いた。掛け始めてから10分近く経っている。電話を掛けるのを諦めようかとしていた。ポケットに手をやると先ほどバーで出会った涼子と名乗る女性から受け取った紙のコースターに触れた。コースターを取り出して見てみると部屋番号と携帯番号が書いてあり、更に〚必ず連絡ください。何時でも待っています。〛と書かれている。
2015/04/09
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