長J『失くしたもの』第2章③ 12
長J『失くしたもの』第2章③ 12
5月21日(日)
妻の菜月(なつき)は夜10時に帰ってきて私に驚き、何か言い掛けましたが私(平井慶介)が思い切り頬を張ると、全てがばれた事を悟ったのか泣き崩れましたが、更に服を剥ぎ取ろうとすると、狂ったように泣きながらそれを拒みました。
「誰と温泉に行っていた?!お前がその様な女だったとは。嘘で固めて裏切り続けやがって!汚れた身体を見せてみろ!クソー!」そう言いつつ、ブラウスと黒いブラジャーを剥
ぎ取ると、乳房に何箇所かキスマークや噛まれた痕のような物が赤く残っています。さら
によく見ると、手首や足首も微かに赤くなっていたので、私の脳裏には、温泉旅館の部屋で、菜月が縛られた格好で顔も分からない男に責められている姿が浮かび、悔しくて、また妻を平手で殴りました。
5月22日(月)
2時間以上も私は妻の菜月に罵声を浴びせ続けていて、正気に戻ったのは0時を過ぎていました。菜月の顔を見ると当然に腫れていて、口の中を切って唇から血が垂れています。少し落ち着いた私はハンカチを出して血を拭き取るように言い、問い正しました。
「相手は誰だ?そいつも徹底的にやってやる!相手の名前を言え!」
妻も2時間泣き続けたので少し落ち着いたのか、涙は流していますが割と冷静な口調で。
『ごめんなさい。彼の名前だけは言えません。ごめんなさい!ごめんなさい!』
「まだ、そいつを庇うのか?頭に来た!」
また手は上げましたが腫れた顔を見て、もう殴れませんでした。
『それだけは言えません。どのような罰も受けます。許して下さい。彼の事だけは言えません。』
「そうか。それならどの様な手を使っても必ず調べて、そいつを地獄に落としてやる。」
私は聞きたい事がまだ沢山あったのですが、妻の菜月がまた激しく泣き出したので、落ち着くのを待ち、質問を再開する。
「相手の事は置いておいて、どうしてあの先生と浮気したと嘘をついた?どうしてあのようにスラスラと嘘をつけた?正直に話せ。」
『それは・・・彼が・・・。』
「話を聞いても聞かなくても、もう菜月とは終わりかもしれない。でも知りたい。」
『別れるのは嫌です。許して下さい。離婚は嫌です。ごめんなさい!ごめんなさい!』
「それなら尚の事、正直に話してくれ。」
菜月はぽつりぽつりと語りだす。『彼は・・以前奥様に浮気された事があって、奥様が相手を愛してしまった事、相手とのセックスが気持ち良かった事、会う度に何度も関係を持った事を聞き出し、凄くショックを受けた。』
『あなたが興信所に行っている間、先生(鈴木健一)のが小さくて感じなかった事や、同情からで相手を愛していない事、会ってもあまり関係を持たなかった事にすれば、あなたは必ず許してくれる。その上歳が離れているので、別れて相手と結婚する心配もしないだろう。』
「相手を庇い、ばれる心配があっても続けていたと言う事は、相手が好きなのか?俺の事を嫌いになったのか?」
『違います。あなたを愛しています。こんな事をしておいて・・・でも家庭も壊したく無かった。あなたに不満はありません。本当です。あなたが好きです。』
「では何故こんな事に?どうして俺を裏切る?」
『ごめんなさい。わたしにも分かりません。あなたを愛しているのに・・・どうしてだか分からないです。あなたを好きなのに・・・彼の事も・・・。ごめんなさい。ごめんなさい。』
妻が『彼の事も好きだ』と言い掛けたと思い、言いようの無い寂しさに襲われました。こ
の後何度も菜月を問い詰めましたが、結局相手の事は言わずに朝を迎えます。私は会社に嘘をついて何日か休む事を電話し、少し休もうと横になった時に妻の携帯が鳴り、それは妻の上司からのようで、『今日は休みますので。』とお願いしていました。菜月の顔は腫れて少し青あざになってきたので、しばらくは行けないなと思いました。
私は横になると疲れからかすぐに眠ってしまい、目が覚めたのは夕方でした。妻は腫れた顔をタオルで冷やしながら泣いていて、寝ていないようです。鈴木健一君に連絡を取ると、私と会うことを意外とあっさり承諾してくれ、妻を家に残して会いに行った。
2015/06/15
5月21日(日)
妻の菜月(なつき)は夜10時に帰ってきて私に驚き、何か言い掛けましたが私(平井慶介)が思い切り頬を張ると、全てがばれた事を悟ったのか泣き崩れましたが、更に服を剥ぎ取ろうとすると、狂ったように泣きながらそれを拒みました。
「誰と温泉に行っていた?!お前がその様な女だったとは。嘘で固めて裏切り続けやがって!汚れた身体を見せてみろ!クソー!」そう言いつつ、ブラウスと黒いブラジャーを剥
ぎ取ると、乳房に何箇所かキスマークや噛まれた痕のような物が赤く残っています。さら
によく見ると、手首や足首も微かに赤くなっていたので、私の脳裏には、温泉旅館の部屋で、菜月が縛られた格好で顔も分からない男に責められている姿が浮かび、悔しくて、また妻を平手で殴りました。
5月22日(月)
2時間以上も私は妻の菜月に罵声を浴びせ続けていて、正気に戻ったのは0時を過ぎていました。菜月の顔を見ると当然に腫れていて、口の中を切って唇から血が垂れています。少し落ち着いた私はハンカチを出して血を拭き取るように言い、問い正しました。
「相手は誰だ?そいつも徹底的にやってやる!相手の名前を言え!」
妻も2時間泣き続けたので少し落ち着いたのか、涙は流していますが割と冷静な口調で。
『ごめんなさい。彼の名前だけは言えません。ごめんなさい!ごめんなさい!』
「まだ、そいつを庇うのか?頭に来た!」
また手は上げましたが腫れた顔を見て、もう殴れませんでした。
『それだけは言えません。どのような罰も受けます。許して下さい。彼の事だけは言えません。』
「そうか。それならどの様な手を使っても必ず調べて、そいつを地獄に落としてやる。」
私は聞きたい事がまだ沢山あったのですが、妻の菜月がまた激しく泣き出したので、落ち着くのを待ち、質問を再開する。
「相手の事は置いておいて、どうしてあの先生と浮気したと嘘をついた?どうしてあのようにスラスラと嘘をつけた?正直に話せ。」
『それは・・・彼が・・・。』
「話を聞いても聞かなくても、もう菜月とは終わりかもしれない。でも知りたい。」
『別れるのは嫌です。許して下さい。離婚は嫌です。ごめんなさい!ごめんなさい!』
「それなら尚の事、正直に話してくれ。」
菜月はぽつりぽつりと語りだす。『彼は・・以前奥様に浮気された事があって、奥様が相手を愛してしまった事、相手とのセックスが気持ち良かった事、会う度に何度も関係を持った事を聞き出し、凄くショックを受けた。』
『あなたが興信所に行っている間、先生(鈴木健一)のが小さくて感じなかった事や、同情からで相手を愛していない事、会ってもあまり関係を持たなかった事にすれば、あなたは必ず許してくれる。その上歳が離れているので、別れて相手と結婚する心配もしないだろう。』
「相手を庇い、ばれる心配があっても続けていたと言う事は、相手が好きなのか?俺の事を嫌いになったのか?」
『違います。あなたを愛しています。こんな事をしておいて・・・でも家庭も壊したく無かった。あなたに不満はありません。本当です。あなたが好きです。』
「では何故こんな事に?どうして俺を裏切る?」
『ごめんなさい。わたしにも分かりません。あなたを愛しているのに・・・どうしてだか分からないです。あなたを好きなのに・・・彼の事も・・・。ごめんなさい。ごめんなさい。』
妻が『彼の事も好きだ』と言い掛けたと思い、言いようの無い寂しさに襲われました。こ
の後何度も菜月を問い詰めましたが、結局相手の事は言わずに朝を迎えます。私は会社に嘘をついて何日か休む事を電話し、少し休もうと横になった時に妻の携帯が鳴り、それは妻の上司からのようで、『今日は休みますので。』とお願いしていました。菜月の顔は腫れて少し青あざになってきたので、しばらくは行けないなと思いました。
私は横になると疲れからかすぐに眠ってしまい、目が覚めたのは夕方でした。妻は腫れた顔をタオルで冷やしながら泣いていて、寝ていないようです。鈴木健一君に連絡を取ると、私と会うことを意外とあっさり承諾してくれ、妻を家に残して会いに行った。
2015/06/15
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