長J『失くしたもの』第1章④
長J『失くしたもの』第1章④
4月1日(土)
今週はこちらに来るはずの妻の菜月(なつき)が、昼を過ぎても来ません。そして昼過ぎに電話が有り。
『あなた、ごめんなさい。行こうと思って準備していたけど、急に気分が悪くなってしまって。更年期障害かな?早い人はもう私の歳でも有るって聞くし・・。』
「そうか・・・。それより、もう子供もいないのだし、菜月もこちらで暮らさないか?離れて暮らさなくてもいいだろ?」
妻が仕事を辞めれば、今は子供達にお金が掛かるので、経済的に苦しくなるのは分かっていましたが、なぜか無性に寂しくなった私がそう言うと。
『ごめんね。それは出来ないわ。今の仕事が好きだし、今辞めると会社に迷惑も掛けてしまう。お願い、続けさせて。もう少しで、あなたも戻って来られるでしょ?』
その夜は7時に電話をしましたが、菜月は出ません。その後何回も電話しましたが、結局妻は出ず、携帯の方も電源を切られていて繋がりません。
私はどうしようもない気持ちを抱えながら、これからどうやって証拠を掴むか考えながらベッドに横になりましたが、浮かんでくるのは、菜月の白い裸体が他の男によって貫かれている姿です。妻の菜月が男に跨(またが)り、腰を振っている姿です。
4月2日(日)
やはり悔しさでとうとう眠れず、朝まで何回も電話し続けましたが、妻が電話に出たのは、もう朝の8時を過ぎていました。
「何処かに行っていたのか?夕べ9時頃に電話したが出なかったな。携帯も切られていたし。」
7時から朝まで、何回も電話した事を隠して聞くと。
『・・・ごめんなさい。あなただったの?ちょうどトイレに入っていて、電話が鳴っているので急いで出たけれど間に合わなくて。携帯が切れている?充電不足で電池が切れているのかな?見てみます。・・・それより何か急用でも有ったのですか?』
「いや。急に菜月の声が聞きたくなって・・・。」
『いい歳をして何を言っているの?変な人。』
あの誠実だった妻が、簡単に嘘を言える女になってしまった事へも、強い怒りを覚えました。
4月8日(土)
昼過ぎの新幹線で帰ってきました。夕食は久し振りに2人で外食をして、帰りに車を止めて、キスをしようとしましたが。
『ちょっと。こんな所でやめてよ。人に見られたらどうするの?私達そんなに若くないのに。』
家に帰って風呂に入り、妻の菜月を誘うと。
『あなた。本当にごめんなさい。あれが来ちゃったの・・。』
「いつもは22日前後のはずだろ。本当なのか?」
『ええ。やっぱり更年期かな?不規則になるって聞くし。本当にごめんね。』
私はキスだけでもと思い、強引に菜月に抱き付いてキスをしようとすると、彼女は私の顔を両手で押して、キスを拒みます。
『ごめんね。その気になってしまうから。今度ね・・。』
「もういい。もう寝る。」
私が怒鳴ると、菜月は涙を流しています。《叱ったくらいで泣くなんて!妻は浮気相手を愛してしまい、私とはキスさえも嫌なのだろうか?》と思うと、嫉妬、悔しさ、怒りで体が震えました。
2015/05/04
4月1日(土)
今週はこちらに来るはずの妻の菜月(なつき)が、昼を過ぎても来ません。そして昼過ぎに電話が有り。
『あなた、ごめんなさい。行こうと思って準備していたけど、急に気分が悪くなってしまって。更年期障害かな?早い人はもう私の歳でも有るって聞くし・・。』
「そうか・・・。それより、もう子供もいないのだし、菜月もこちらで暮らさないか?離れて暮らさなくてもいいだろ?」
妻が仕事を辞めれば、今は子供達にお金が掛かるので、経済的に苦しくなるのは分かっていましたが、なぜか無性に寂しくなった私がそう言うと。
『ごめんね。それは出来ないわ。今の仕事が好きだし、今辞めると会社に迷惑も掛けてしまう。お願い、続けさせて。もう少しで、あなたも戻って来られるでしょ?』
その夜は7時に電話をしましたが、菜月は出ません。その後何回も電話しましたが、結局妻は出ず、携帯の方も電源を切られていて繋がりません。
私はどうしようもない気持ちを抱えながら、これからどうやって証拠を掴むか考えながらベッドに横になりましたが、浮かんでくるのは、菜月の白い裸体が他の男によって貫かれている姿です。妻の菜月が男に跨(またが)り、腰を振っている姿です。
4月2日(日)
やはり悔しさでとうとう眠れず、朝まで何回も電話し続けましたが、妻が電話に出たのは、もう朝の8時を過ぎていました。
「何処かに行っていたのか?夕べ9時頃に電話したが出なかったな。携帯も切られていたし。」
7時から朝まで、何回も電話した事を隠して聞くと。
『・・・ごめんなさい。あなただったの?ちょうどトイレに入っていて、電話が鳴っているので急いで出たけれど間に合わなくて。携帯が切れている?充電不足で電池が切れているのかな?見てみます。・・・それより何か急用でも有ったのですか?』
「いや。急に菜月の声が聞きたくなって・・・。」
『いい歳をして何を言っているの?変な人。』
あの誠実だった妻が、簡単に嘘を言える女になってしまった事へも、強い怒りを覚えました。
4月8日(土)
昼過ぎの新幹線で帰ってきました。夕食は久し振りに2人で外食をして、帰りに車を止めて、キスをしようとしましたが。
『ちょっと。こんな所でやめてよ。人に見られたらどうするの?私達そんなに若くないのに。』
家に帰って風呂に入り、妻の菜月を誘うと。
『あなた。本当にごめんなさい。あれが来ちゃったの・・。』
「いつもは22日前後のはずだろ。本当なのか?」
『ええ。やっぱり更年期かな?不規則になるって聞くし。本当にごめんね。』
私はキスだけでもと思い、強引に菜月に抱き付いてキスをしようとすると、彼女は私の顔を両手で押して、キスを拒みます。
『ごめんね。その気になってしまうから。今度ね・・。』
「もういい。もう寝る。」
私が怒鳴ると、菜月は涙を流しています。《叱ったくらいで泣くなんて!妻は浮気相手を愛してしまい、私とはキスさえも嫌なのだろうか?》と思うと、嫉妬、悔しさ、怒りで体が震えました。
2015/05/04
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