長S〖俺が仕掛けた〗第1章2話 02
長S〖俺が仕掛けた〗第1章2話 02
その後、妻の西條麗子(38歳)は伊藤健一君と時々メールのやりとりをしていたようでしたが、伊藤君を男として意識するような感じもなく、メールの内容も私(西條孝雄41歳)に話すほどでした。
妻から聞いた話ですが、伊藤君は28歳で独身です。マンションで一人暮らしをしているとのことでした。両親が数年前に離婚し、お父さんは伊藤君より年下の女性と再婚したらし
いのですが、一緒に暮らす気にもなれず独立したらしいです。
実のお母さんとは音信不通で、なかなか複雑な家庭環境で育ったようでした。しかし、伊
藤君はそんなことを感じさせない明るい好青年でしたが、私自身特に興味があるわけでもなかったので、妻の話も適当に聞き流していました。
そして、今年の1月の末ぐらいのある日、その伊藤君と話をする機会がありました。それは、オイル交換のため伊藤君の店の隣に併設している整備工場に車を持って行った時のことです。少し時間があったので、店舗の中でパンフレットを眺めていた時、伊藤君が私に話かけてきました。
〔西條さん、ご無沙汰しています。〕
伊藤君はいつもの通り明るくハキハキとしていました。
「やぁ、どうも。車は売れているかい?」
〔ええ、おかげさまで。今月の月間目標も軽くクリアです。先月は奥さんにも大変お世話
になりました。お車の調子はいかがですか?〕
「う~ん、調子はいいんじゃないかな・・。」
〔そうですか、もし何かありましたら、何なりとお申し付けください。〕
そこで、私はメールのことを思い出し、この件でちょっと伊藤君をからかってやろうと思いました。
「ああ、何かあれば妻が直接連絡するさ。メールの交換もしているんだろ?」
すると伊藤君は一瞬しまったという表情になり、深々と頭を下げます。
〔申し訳ございません。西條さんに何も言わずに勝手に奥さんと連絡取り合ったりして、
失礼なことをしました。本当に申し訳ございません。〕
あまりに伊藤君が大袈裟に謝罪するので、逆に可笑しくなってしまいました。
「はははっ・・俺は怒ってるんじゃないよ(笑)いいじゃないか 若い子とメールができて家内も喜んでいるさ。」
〔そうですが、でも西條さんのご気分を害したんじゃ・・・。〕
「大丈夫!大丈夫!気にしてないから、それより家内を一度デートにでも誘ってくれ。」
伊藤君が実に申し訳なさそうにしているので、私は慰めるつもりで言いました。
私の言葉を聞いて伊藤君も明るい表情が戻っていきました。
〔えっ?いいんですか?ありがとうございます。奥さんとメールしていると本当に楽しいんですよ。僕の話もいろいろ聞いてもらえるんで・・・。〕
私は伊藤君の家庭事情を思い出しました。妻は伊藤君の悩みをいろいろ聞いてやっているのかもしれません。
「まあ、あんなおばさんでよけければ相手にしてやってくれ。」
〔いやー、うれしいです。〕
私はある考えがひらめきました。
「但し・・だけど・・ひとつ条件が・・。」
〔えっ、何でしょうか?〕
「俺には絶対報告することだ。いいかな、できるかい?」
〔はい、わかりました。じゃあ、早速これから奥さんとのメールのやりとりは全部西條さんに転送します。〕
「よしっ、決まりだな。家内には内緒だぞ!」
〔ええ、了解しました。男同士の固い約束ですね。〕
それから、伊藤君は妻とのメールをすべて私に転送するようになったのです。
2015/08/12
その後、妻の西條麗子(38歳)は伊藤健一君と時々メールのやりとりをしていたようでしたが、伊藤君を男として意識するような感じもなく、メールの内容も私(西條孝雄41歳)に話すほどでした。
妻から聞いた話ですが、伊藤君は28歳で独身です。マンションで一人暮らしをしているとのことでした。両親が数年前に離婚し、お父さんは伊藤君より年下の女性と再婚したらし
いのですが、一緒に暮らす気にもなれず独立したらしいです。
実のお母さんとは音信不通で、なかなか複雑な家庭環境で育ったようでした。しかし、伊
藤君はそんなことを感じさせない明るい好青年でしたが、私自身特に興味があるわけでもなかったので、妻の話も適当に聞き流していました。
そして、今年の1月の末ぐらいのある日、その伊藤君と話をする機会がありました。それは、オイル交換のため伊藤君の店の隣に併設している整備工場に車を持って行った時のことです。少し時間があったので、店舗の中でパンフレットを眺めていた時、伊藤君が私に話かけてきました。
〔西條さん、ご無沙汰しています。〕
伊藤君はいつもの通り明るくハキハキとしていました。
「やぁ、どうも。車は売れているかい?」
〔ええ、おかげさまで。今月の月間目標も軽くクリアです。先月は奥さんにも大変お世話
になりました。お車の調子はいかがですか?〕
「う~ん、調子はいいんじゃないかな・・。」
〔そうですか、もし何かありましたら、何なりとお申し付けください。〕
そこで、私はメールのことを思い出し、この件でちょっと伊藤君をからかってやろうと思いました。
「ああ、何かあれば妻が直接連絡するさ。メールの交換もしているんだろ?」
すると伊藤君は一瞬しまったという表情になり、深々と頭を下げます。
〔申し訳ございません。西條さんに何も言わずに勝手に奥さんと連絡取り合ったりして、
失礼なことをしました。本当に申し訳ございません。〕
あまりに伊藤君が大袈裟に謝罪するので、逆に可笑しくなってしまいました。
「はははっ・・俺は怒ってるんじゃないよ(笑)いいじゃないか 若い子とメールができて家内も喜んでいるさ。」
〔そうですが、でも西條さんのご気分を害したんじゃ・・・。〕
「大丈夫!大丈夫!気にしてないから、それより家内を一度デートにでも誘ってくれ。」
伊藤君が実に申し訳なさそうにしているので、私は慰めるつもりで言いました。
私の言葉を聞いて伊藤君も明るい表情が戻っていきました。
〔えっ?いいんですか?ありがとうございます。奥さんとメールしていると本当に楽しいんですよ。僕の話もいろいろ聞いてもらえるんで・・・。〕
私は伊藤君の家庭事情を思い出しました。妻は伊藤君の悩みをいろいろ聞いてやっているのかもしれません。
「まあ、あんなおばさんでよけければ相手にしてやってくれ。」
〔いやー、うれしいです。〕
私はある考えがひらめきました。
「但し・・だけど・・ひとつ条件が・・。」
〔えっ、何でしょうか?〕
「俺には絶対報告することだ。いいかな、できるかい?」
〔はい、わかりました。じゃあ、早速これから奥さんとのメールのやりとりは全部西條さんに転送します。〕
「よしっ、決まりだな。家内には内緒だぞ!」
〔ええ、了解しました。男同士の固い約束ですね。〕
それから、伊藤君は妻とのメールをすべて私に転送するようになったのです。
2015/08/12
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