長S〖俺が仕掛けた〗第2章2話 07
長S〖俺が仕掛けた〗第2章2話 07
DVDの続きです。『おじゃましま~す。』妻(西條麗子38歳)の声はボリュームをかなり上げないと聞こえにくいぐらいでしたが、何とか聞き取れました。〔どうぞ、散らかっていますけど・・。〕と伊藤健一(28歳)君が出迎えます。麗子はコートを脱ぎながら『うわーぁ!ほんとに散らかっているわね。いかにも若い男の部屋って感じ。』って言います。脱いだコートの下は昨日見た服装とまったく同じでした。
『さぁーてと・・。』妻は買ってきた食材を出すとキッチンに向かいます。
『あれーーぇ、伊藤君。調味料は?お米もないけど・・。』
〔いやー、そういゃあ、ないですね。使わないし、腐っちゃうから・・。〕
『もーっ!しょうがないわね。』
苦笑いしながら妻はタイニングの椅子に腰掛けて、紙に何かを書いて伊藤君に渡しました。
『ねえ、これ買ってきてくれる?』
〔はーい、行ってきます。〕
伊藤君は出かけていき、妻はキッチンに立って準備を始めます。麗子がキッチンに立つと
カメラからは死角になって見えなくなりました。心臓が高鳴っていた私も落ち着いてきて、画像を早送りしながら見ます。
しばらくして伊藤君が買い物から戻りましたが、妻が食事の用意をする後ろでうろうろし
たりする映像ばかりが続きましたので、どんどん早送りさせました。映像を見ながら自分がよからぬ期待をしているのを自覚しましたが、まったくそんな雰囲気はありません。
やがて食事が出来あがり、畳の部屋で向かい合わせで食べている映像が映りましたが、食欲旺盛でバクバク食べている伊藤君の姿が印象的なぐらいです。《やっぱりなにもなかったんだろうな》とホッとしたようなガッカリしたような気持ちでした。
やがて、食事も終わって二人でテレビを見ていた時に、伊藤君がサイドボードを指差しながら言います。
〔そこにお客さんにもらったワインがあるんですよ。麗子さん、よかったら飲みませんか?〕
『へーっ、高級そうなワインね。私ね お酒あまり飲めないけどワインならいただいちゃおうかな。』
ワインを傾ける二人の姿がしばらく続きました。
ワインをゆっくり飲みながら、二人が談笑する映像が続きます。
『あーっ、おいしい。すごく飲みやすいね。後がちょっとこわいけど。』
〔そうですよね。ワインは結構後から酔いがまわりますよ。でもまあ、最後の一杯という
ことで・・。〕
伊藤君は妻のグラスにワインを注ごうとします。
『えーっ、私を酔わそうとしているでしょ(笑)。』
〔まさか、とんでもないですよ!〕
伊藤君は真顔で否定しました。
『あはは・・それよりさ、伊藤君聞いてもいい?』
〔ええ?何ですか?〕
『伊藤君は彼女いるの?』
〔う~ん、いないですよ。いない歴がもう2年かな。〕
『ホント?そんなふうに見えないわ。ねぇ、実はモテるんでしょ。』
妻は少し酔っているのか、テンションが高い感じで伊藤君を質問攻めにしています。
〔全然モテないですよ。僕、これでも奥手なんですよ。〕
『ふ~ん、でも好きな人とかいるでしょ?』
〔ええ・・いますよ。・・内に秘めていますけど・・。〕
伊藤君は麗子から視線をそらしながら言いました。
『なんだーっ、いるんじゃない。じゃあ、さっさと告白しちゃいなさいよ!誰なの?会社の女の子かな?言えないなら私が言ってあげようか?』
すっかり妻に主導権を握られてしまったような伊藤君は、やや言いにくそうに言います。
〔いえ、なんて言うか・・その人、結婚してるんです。だから・・。〕
『へーっ!そうなんだ。叶わぬ恋ってやつね。その人、お客さん?』
〔そうです。今僕の目の前にいます。〕
伊藤君は妻の麗子をまっすぐ見つめながら言いました。
2016/01/26
DVDの続きです。『おじゃましま~す。』妻(西條麗子38歳)の声はボリュームをかなり上げないと聞こえにくいぐらいでしたが、何とか聞き取れました。〔どうぞ、散らかっていますけど・・。〕と伊藤健一(28歳)君が出迎えます。麗子はコートを脱ぎながら『うわーぁ!ほんとに散らかっているわね。いかにも若い男の部屋って感じ。』って言います。脱いだコートの下は昨日見た服装とまったく同じでした。
『さぁーてと・・。』妻は買ってきた食材を出すとキッチンに向かいます。
『あれーーぇ、伊藤君。調味料は?お米もないけど・・。』
〔いやー、そういゃあ、ないですね。使わないし、腐っちゃうから・・。〕
『もーっ!しょうがないわね。』
苦笑いしながら妻はタイニングの椅子に腰掛けて、紙に何かを書いて伊藤君に渡しました。
『ねえ、これ買ってきてくれる?』
〔はーい、行ってきます。〕
伊藤君は出かけていき、妻はキッチンに立って準備を始めます。麗子がキッチンに立つと
カメラからは死角になって見えなくなりました。心臓が高鳴っていた私も落ち着いてきて、画像を早送りしながら見ます。
しばらくして伊藤君が買い物から戻りましたが、妻が食事の用意をする後ろでうろうろし
たりする映像ばかりが続きましたので、どんどん早送りさせました。映像を見ながら自分がよからぬ期待をしているのを自覚しましたが、まったくそんな雰囲気はありません。
やがて食事が出来あがり、畳の部屋で向かい合わせで食べている映像が映りましたが、食欲旺盛でバクバク食べている伊藤君の姿が印象的なぐらいです。《やっぱりなにもなかったんだろうな》とホッとしたようなガッカリしたような気持ちでした。
やがて、食事も終わって二人でテレビを見ていた時に、伊藤君がサイドボードを指差しながら言います。
〔そこにお客さんにもらったワインがあるんですよ。麗子さん、よかったら飲みませんか?〕
『へーっ、高級そうなワインね。私ね お酒あまり飲めないけどワインならいただいちゃおうかな。』
ワインを傾ける二人の姿がしばらく続きました。
ワインをゆっくり飲みながら、二人が談笑する映像が続きます。
『あーっ、おいしい。すごく飲みやすいね。後がちょっとこわいけど。』
〔そうですよね。ワインは結構後から酔いがまわりますよ。でもまあ、最後の一杯という
ことで・・。〕
伊藤君は妻のグラスにワインを注ごうとします。
『えーっ、私を酔わそうとしているでしょ(笑)。』
〔まさか、とんでもないですよ!〕
伊藤君は真顔で否定しました。
『あはは・・それよりさ、伊藤君聞いてもいい?』
〔ええ?何ですか?〕
『伊藤君は彼女いるの?』
〔う~ん、いないですよ。いない歴がもう2年かな。〕
『ホント?そんなふうに見えないわ。ねぇ、実はモテるんでしょ。』
妻は少し酔っているのか、テンションが高い感じで伊藤君を質問攻めにしています。
〔全然モテないですよ。僕、これでも奥手なんですよ。〕
『ふ~ん、でも好きな人とかいるでしょ?』
〔ええ・・いますよ。・・内に秘めていますけど・・。〕
伊藤君は麗子から視線をそらしながら言いました。
『なんだーっ、いるんじゃない。じゃあ、さっさと告白しちゃいなさいよ!誰なの?会社の女の子かな?言えないなら私が言ってあげようか?』
すっかり妻に主導権を握られてしまったような伊藤君は、やや言いにくそうに言います。
〔いえ、なんて言うか・・その人、結婚してるんです。だから・・。〕
『へーっ!そうなんだ。叶わぬ恋ってやつね。その人、お客さん?』
〔そうです。今僕の目の前にいます。〕
伊藤君は妻の麗子をまっすぐ見つめながら言いました。
2016/01/26
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