長S〖俺が仕掛けた〗第1章4話 04
長S〖俺が仕掛けた〗第1章4話 04
そこで私(西條孝雄41歳)は伊藤健一君(28歳)に次の条件を出しました。
「伊藤君はビデオカメラを持っているかい?」
〔ええ、持っていますよ。ハンディタイプのですけど・・・。〕
「それでいいよ。そいつで妻にわからないように撮影できるかな? 君と妻(麗子38歳)が部屋でいっしょにいるところを見たいんだ。もし、それができるなら俺は了承するよ。」
〔ビデオ報告ってことですね。了解しました。必ずしますよ。部屋が結構散らかっていますから、カメラを見えないようにセットできると思います。後は麗子さん次第ということですね。今からでもメールしてみます。〕
伊藤君の声は弾んでいます。妻は果たして何と返事するのだろうか、行って欲しいようなそうでないような複雑な気持ちでしたが、やはり行って欲しい気持ちの方が勝っていました。そして、麗子は伊藤君のメール、『え~っ本当に自炊するの?怪しいな?じゃぁ、わたしが指導のために健一君の家に行ってあげるわ。それでいつにする?』という返信があり、結局のところ翌々日に妻が伊藤君のマンションに行くことになりました。
《妻の麗子が伊藤君のマンションに一人で行く》、それは私が今まで感じたことのない複雑な心境でした。伊藤君は〔妻に指一本触れない。〕と誓います。《しかし、そうは言っても果たしてそれで終わるのか?仮にアルコールが入ればまた状況が変わるのでないか?そうなってほしい気持ちもあり、指一本触れないと言ったところで何かの拍子に身体が触れ合ったら、そのまま深い関係に陥るのではないか・・》と私は心の中であれこれと考えていました。
しかし、私の心配と期待をよそに妻はあっけなく伊藤君のことを話してくれました。
『明後日ね。わたし、伊藤君のお家に行って一緒に食事を作ってあげようと思うの。』
夕食を済ませて居間でテレビを見ながらくつろいでいた時に、麗子がそう話しかけてきたのです。私は一瞬ビクッとしましたが、何も知らない振りをしてつぎのように言います。
「ほーぉ、食事をか?」
『うん、聞いていると食生活がすごくひどいのよね。コンビニ弁当とか簡単なものだけで済ませているから。伊藤君、今はまだ若いからいいけど、そのうちきっと身体を壊しちゃうからね。自分で何か出来るようにしてあげないと。』
「そうだな、今の若い子のはひどいんだろうな。まあ、それはいいことじゃないか。」
適当に話を合わせておきましたが、隠そうともせず私に言うぐらいですから妻自身に変な意識はまったくなかったと思います。それだけに、正直に話してくれてホッとした反面、少し残念な気持ちもありました。
そして当日の昼過ぎに伊藤君からメールが届きます。
≪西條さん 今日は麗子さんにお世話になります。今、夕方6時ぐらいに買い物してから行くからって電話をいただきました。ビデオの方も昨晩確認して見えにくい位置にセットしましたし、4時間は撮影できます。僕もなんだかソワソワして落ち着かなくて、4時ぐらいに早退して麗子さんをお待ちしようと思っています。お約束は必ず守りますよ。麗子さんが帰られた後にご連絡させていただきます。≫
伊藤君のメールは何だか馬鹿丁寧で、彼が緊張しているのが分かる文面です。そういう私も午後からは仕事が手につかず、どこか上の空だったように思います。やらなければいけない仕事もたくさんあったのですが、午後5時には会社を出て、6時前ぐらいには家に帰ってしまいました。
2015/08/28
そこで私(西條孝雄41歳)は伊藤健一君(28歳)に次の条件を出しました。
「伊藤君はビデオカメラを持っているかい?」
〔ええ、持っていますよ。ハンディタイプのですけど・・・。〕
「それでいいよ。そいつで妻にわからないように撮影できるかな? 君と妻(麗子38歳)が部屋でいっしょにいるところを見たいんだ。もし、それができるなら俺は了承するよ。」
〔ビデオ報告ってことですね。了解しました。必ずしますよ。部屋が結構散らかっていますから、カメラを見えないようにセットできると思います。後は麗子さん次第ということですね。今からでもメールしてみます。〕
伊藤君の声は弾んでいます。妻は果たして何と返事するのだろうか、行って欲しいようなそうでないような複雑な気持ちでしたが、やはり行って欲しい気持ちの方が勝っていました。そして、麗子は伊藤君のメール、『え~っ本当に自炊するの?怪しいな?じゃぁ、わたしが指導のために健一君の家に行ってあげるわ。それでいつにする?』という返信があり、結局のところ翌々日に妻が伊藤君のマンションに行くことになりました。
《妻の麗子が伊藤君のマンションに一人で行く》、それは私が今まで感じたことのない複雑な心境でした。伊藤君は〔妻に指一本触れない。〕と誓います。《しかし、そうは言っても果たしてそれで終わるのか?仮にアルコールが入ればまた状況が変わるのでないか?そうなってほしい気持ちもあり、指一本触れないと言ったところで何かの拍子に身体が触れ合ったら、そのまま深い関係に陥るのではないか・・》と私は心の中であれこれと考えていました。
しかし、私の心配と期待をよそに妻はあっけなく伊藤君のことを話してくれました。
『明後日ね。わたし、伊藤君のお家に行って一緒に食事を作ってあげようと思うの。』
夕食を済ませて居間でテレビを見ながらくつろいでいた時に、麗子がそう話しかけてきたのです。私は一瞬ビクッとしましたが、何も知らない振りをしてつぎのように言います。
「ほーぉ、食事をか?」
『うん、聞いていると食生活がすごくひどいのよね。コンビニ弁当とか簡単なものだけで済ませているから。伊藤君、今はまだ若いからいいけど、そのうちきっと身体を壊しちゃうからね。自分で何か出来るようにしてあげないと。』
「そうだな、今の若い子のはひどいんだろうな。まあ、それはいいことじゃないか。」
適当に話を合わせておきましたが、隠そうともせず私に言うぐらいですから妻自身に変な意識はまったくなかったと思います。それだけに、正直に話してくれてホッとした反面、少し残念な気持ちもありました。
そして当日の昼過ぎに伊藤君からメールが届きます。
≪西條さん 今日は麗子さんにお世話になります。今、夕方6時ぐらいに買い物してから行くからって電話をいただきました。ビデオの方も昨晩確認して見えにくい位置にセットしましたし、4時間は撮影できます。僕もなんだかソワソワして落ち着かなくて、4時ぐらいに早退して麗子さんをお待ちしようと思っています。お約束は必ず守りますよ。麗子さんが帰られた後にご連絡させていただきます。≫
伊藤君のメールは何だか馬鹿丁寧で、彼が緊張しているのが分かる文面です。そういう私も午後からは仕事が手につかず、どこか上の空だったように思います。やらなければいけない仕事もたくさんあったのですが、午後5時には会社を出て、6時前ぐらいには家に帰ってしまいました。
2015/08/28
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