長S〖俺が仕掛けた〗第2章3話 08
長S〖俺が仕掛けた〗第2章3話 08
伊藤健一(28歳)君の言葉(〔今僕の目の前にいます。〕)に妻(西條麗子38歳)は凍りついたように動かなくなります。しかし、それはまったくの一瞬のことで、気まずい雰囲気をかき消すようにこう言いました。
『あはっ(笑)。どうもありがとう。うれしいわ、そんなこと言ってくれて。今日食事を作ってあげたご褒美かな。』
〔あっ、いや、あの・・麗子さん・・・。〕
伊藤君は何か言おうとしましたが、妻はそれ以上聞いてはいけないと思ったのか立ち上がります。『もうこんな時間だわ。伊藤君、私そろそろ帰るね。』妻の麗子はコートを着ると、出口へ向かって歩き始めました。伊藤君が“告白”をしてから一気に流れが変わったような感じです。
慌てて伊藤君は妻の後ろに歩み寄って言いました。
〔麗子さん、あのぅ・・また、来ていただけますよね?〕
戸口から出ていこうとしていた妻は振り向いて、笑みを浮かべながら言います。
『そうね~、じゃあ次は伊藤君の手料理をご馳走になりに来るわね、じゃあね。』
麗子は手を振りながら出ていきました。しばらくじっとしたままの伊藤君の後姿が映っていましたが、 DVDはそこで終わったのです。
私(西條孝雄:41歳)は心の中で良からぬことを期待をして、ドキドキしながら見ていたのですが、いささか拍子抜けの内容でしたが、何となく爽やかなドラマのような感じがしました。
私は感想を聞きたがっていた伊藤君に連絡を取ります。
「あっ、伊藤君、今いいかな?DVD早速見せてもらったよ。」
あまりに早く私が電話をしてきたことに伊藤君はびっくりした様子でした。
〔えっ!もうご覧になられたんですか!?それで、いかがでした?〕
「いやいや、伊藤君の言っていたように本当にびっくりしたよ。一昔前にあった青春ドラ
マみたいだったな(笑)。」
〔すみません、西條さんにびっくりしますよなんて言ってしまって、お恥ずかしいです。最後の言葉はちょっと余計でしたね。〕
伊藤君は申し訳なさそうに言いました。
「いや、いいじゃないか。一回りも年下の男に好きだと言われて怒る女なんていないさ。 それにまた行くようなことを言っていたし、妻も満更じゃないみたいだな。それにしても、伊藤君は律儀だなあ~。」
〔えっ、どうしてですか?〕
「だって本当に指一本、妻に触れなかったからなあ。」
〔ええ、でもそれは約束でしたから当然ですよ。まして、西條さんの奥さんですから・・。〕
「本当は触ってみたかったんだろ?」
ここで私は意地悪な質問をしました。それは伊藤君の本音を聞いてみたかったのです。伊藤君はしばらく沈黙していましたが、ゆっくりと言葉を選ぶように言いました。
〔それは、僕も男ですから。西條さんには失礼を承知で申し上げますと・・麗子さんを抱きしめたかったです・・・すみません。〕
「謝ることはないよ。そんなに妻のことを好きなら・・・次は伊藤君の思いのままにしてみろよ!」
そのとき、自分でも信じられないような言葉がつい出てしまいました。今まで41年の人生で思いもよらなかった〖寝取られ願望〗のようなものが、私の中でフツフツと沸いていたのです。
〔えっ・・でも、それは・・いくらなんでも・・・。〕
「但し、よく聞いてくれ!あくまで妻の意思を尊重すること。それに、無理強いはだめだ。それから、ビデオ報告はおれに必ずすること。いいかな?」
私は一応くぎを刺しておきます。それで伊藤君はしばらく迷っている感じでした。
〔ありがどうございます。西條さんのご好意に感謝します。・・でも、どうしてなんですか?
西條さんにとって大事な奥さんが、もし僕と・・なんて言うか・・万が一、男と女の関係になってしまったら・・。〕
「う~ん、うまく言えないけどなあ。妻は結婚してから俺以外の男性とは付き合っていないはずだから、本当に迫られたらどうするのか見たいし、おれには正直、〖寝取られ願望〗みたいなのもあるし・・ただ、こんなことは誰にも言えることでないからね。伊藤君が律儀で誠実な男であることはよくわかったから・・・妻に乱暴をしたり無茶なことはしないだろうと思っているよ。」
〔そうですか、わかりました。突然で、まだ心の整理ができませんので今は何とも言えないのですが、西條さんが良いなら、また麗子さんをお招きしたいと思います。〕
果たして伊藤健一(28歳)君はどうするだろうか?しばらく私(西條孝雄:41歳)は静観しようと思いました。
2016/02/05
伊藤健一(28歳)君の言葉(〔今僕の目の前にいます。〕)に妻(西條麗子38歳)は凍りついたように動かなくなります。しかし、それはまったくの一瞬のことで、気まずい雰囲気をかき消すようにこう言いました。
『あはっ(笑)。どうもありがとう。うれしいわ、そんなこと言ってくれて。今日食事を作ってあげたご褒美かな。』
〔あっ、いや、あの・・麗子さん・・・。〕
伊藤君は何か言おうとしましたが、妻はそれ以上聞いてはいけないと思ったのか立ち上がります。『もうこんな時間だわ。伊藤君、私そろそろ帰るね。』妻の麗子はコートを着ると、出口へ向かって歩き始めました。伊藤君が“告白”をしてから一気に流れが変わったような感じです。
慌てて伊藤君は妻の後ろに歩み寄って言いました。
〔麗子さん、あのぅ・・また、来ていただけますよね?〕
戸口から出ていこうとしていた妻は振り向いて、笑みを浮かべながら言います。
『そうね~、じゃあ次は伊藤君の手料理をご馳走になりに来るわね、じゃあね。』
麗子は手を振りながら出ていきました。しばらくじっとしたままの伊藤君の後姿が映っていましたが、 DVDはそこで終わったのです。
私(西條孝雄:41歳)は心の中で良からぬことを期待をして、ドキドキしながら見ていたのですが、いささか拍子抜けの内容でしたが、何となく爽やかなドラマのような感じがしました。
私は感想を聞きたがっていた伊藤君に連絡を取ります。
「あっ、伊藤君、今いいかな?DVD早速見せてもらったよ。」
あまりに早く私が電話をしてきたことに伊藤君はびっくりした様子でした。
〔えっ!もうご覧になられたんですか!?それで、いかがでした?〕
「いやいや、伊藤君の言っていたように本当にびっくりしたよ。一昔前にあった青春ドラ
マみたいだったな(笑)。」
〔すみません、西條さんにびっくりしますよなんて言ってしまって、お恥ずかしいです。最後の言葉はちょっと余計でしたね。〕
伊藤君は申し訳なさそうに言いました。
「いや、いいじゃないか。一回りも年下の男に好きだと言われて怒る女なんていないさ。 それにまた行くようなことを言っていたし、妻も満更じゃないみたいだな。それにしても、伊藤君は律儀だなあ~。」
〔えっ、どうしてですか?〕
「だって本当に指一本、妻に触れなかったからなあ。」
〔ええ、でもそれは約束でしたから当然ですよ。まして、西條さんの奥さんですから・・。〕
「本当は触ってみたかったんだろ?」
ここで私は意地悪な質問をしました。それは伊藤君の本音を聞いてみたかったのです。伊藤君はしばらく沈黙していましたが、ゆっくりと言葉を選ぶように言いました。
〔それは、僕も男ですから。西條さんには失礼を承知で申し上げますと・・麗子さんを抱きしめたかったです・・・すみません。〕
「謝ることはないよ。そんなに妻のことを好きなら・・・次は伊藤君の思いのままにしてみろよ!」
そのとき、自分でも信じられないような言葉がつい出てしまいました。今まで41年の人生で思いもよらなかった〖寝取られ願望〗のようなものが、私の中でフツフツと沸いていたのです。
〔えっ・・でも、それは・・いくらなんでも・・・。〕
「但し、よく聞いてくれ!あくまで妻の意思を尊重すること。それに、無理強いはだめだ。それから、ビデオ報告はおれに必ずすること。いいかな?」
私は一応くぎを刺しておきます。それで伊藤君はしばらく迷っている感じでした。
〔ありがどうございます。西條さんのご好意に感謝します。・・でも、どうしてなんですか?
西條さんにとって大事な奥さんが、もし僕と・・なんて言うか・・万が一、男と女の関係になってしまったら・・。〕
「う~ん、うまく言えないけどなあ。妻は結婚してから俺以外の男性とは付き合っていないはずだから、本当に迫られたらどうするのか見たいし、おれには正直、〖寝取られ願望〗みたいなのもあるし・・ただ、こんなことは誰にも言えることでないからね。伊藤君が律儀で誠実な男であることはよくわかったから・・・妻に乱暴をしたり無茶なことはしないだろうと思っているよ。」
〔そうですか、わかりました。突然で、まだ心の整理ができませんので今は何とも言えないのですが、西條さんが良いなら、また麗子さんをお招きしたいと思います。〕
果たして伊藤健一(28歳)君はどうするだろうか?しばらく私(西條孝雄:41歳)は静観しようと思いました。
2016/02/05
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