短Ⅱ12<お願い>第4話
短Ⅱ12<お願い>第4話
〖前話〗
そして、ついに胸を揉みまくっていた江草(一秀:かずひで:45歳)社長の手が胸元からスルッとワンピースの中に入る。すると、この瞬間、妻(鶴見愛美:めぐみ:33歳)が猛烈に抵抗し、社長は慌てて愛美の胸元から手を抜いた。
《いったい、どうなっているんだ?》
妻が叱られるのではないかと不安に思ったが、社長は気分を害した様子も見えず、妻に水割りを作らせながら談笑している。
俺(鶴見章吾:38歳)は身動きも取れずに、ただ息を飲んで見守るしかできなかった。
<本当にそろそろ帰った方が良いんじゃない?ここが変な店じゃないことは、充分に分かったでしょ?>
俺はママの声ではっと我に返る。確かに、このままここに居ても今の俺にはどうすること
もできないだろう。それで帰ろうと腰を浮かしかけた時、「お~!」とか「ヒュ~ヒュ~」という下卑た男の歓声が聞こえてきたような気がして、俺は慌てて妻のテーブルの方を振り向いた。
妻がバンザイしている。両腕を頭上に真っ直ぐ伸ばして・・・剥き出しにされた妻の腋の下を江草社長がニヤつきながら、指でなぞっていた。まるで、腋の毛穴を一つ一つ確認するかのように・・・遠目にも妻が顔を赤らめている・・・学生時代から付き合っているのに妻のこんな表情を見たのは初めてだった。
腋の下を撫でられて、たまらず腕を降ろした愛美(めぐみ)に社長の部下と思われる二人
の男のうちの一人が近づいていく。そして、すぐ隣に座ると妻を身体ごと社長の方に向かせてから手首を掴んで、頭上に高々と挙げさせた。
再び腋の下を全開にさせられた愛美を見て、江草社長が軽く頷くと、部下の男は妻の手首を解放した・・・え?!違った!・・解放したのかと思ったが、違ったのだ。男は、社長に見せ付けるように妻の胸を背後から鷲掴みにする。それでも、愛美(めぐみ)は少し顔を歪めただけで、バンザイし続けていた。
男は少しの間、自由に妻の胸を揉みながら耳元で何か囁いた後、妻から離れて、手拍子を打ち始める。もう一人の男も同じように囃し立てた。江草社長は手拍子につられるように、妻の腋の下に、徐々に顔を寄せていく。その鼻が妻の腋の下に、くっつくくらい、近づけられると手拍子が一層激しくなった。
〈あれ、社長の趣味なのよ。腋舐められるのって女はけっこう恥ずかしいのよね。〉
ママの説明で、俺は耐えられなくなって止めさせようと腰を浮かせる。するとママが俺の太ももに手を置いてきた
〈やめときなさいって。愛美(マナミ:源氏名)ちゃん、今まで1度だって、あんなことさせたことないのよ。いったい誰のために、あんなこと許してると思っているのよ。〉
《お、俺のためか・・・俺のためとでも言うのか・・・》
〈悪いこと言わないから、今日は、もうお帰りなさい。娘さん待ってるよ。〉
《どうにもできないのか・・・》俺は悔しくて気が変になりそうだった
〈あなたが出ていったら、辛いのはマナミちゃんよ。今までの屈辱も無駄になっちゃう。〉
ママの言葉が胸に染みる。愛美は俺や娘のために、自分を押し殺して黙って耐えているのだ。
〈心配しなくて大丈夫よ。この店は本番は絶対ないから!私が責任持つから!〉
風俗の店だから仕方ない。ママの言うとおりだと思った。俺は知らないフリをしていた方がいい。愛美の苦労を無駄にしないためにも、《早く仕事を決めて稼ごう、そして妻に楽をさせよう》と、俺は、ママに促されるように席を立ち、店の出口へ向かった。そして、最後にもう一度だけと、妻のテーブルの方を振り返る。
愛美のテーブルでは、妻だけがたった一人だけ椅子から立ち上がっていた。その場は更にいっそう盛り上がっている。周囲のテーブルの客までが、愛美に注目し、女の子達と一緒に囃し立てていた。
2016/01/18
〖前話〗
そして、ついに胸を揉みまくっていた江草(一秀:かずひで:45歳)社長の手が胸元からスルッとワンピースの中に入る。すると、この瞬間、妻(鶴見愛美:めぐみ:33歳)が猛烈に抵抗し、社長は慌てて愛美の胸元から手を抜いた。
《いったい、どうなっているんだ?》
妻が叱られるのではないかと不安に思ったが、社長は気分を害した様子も見えず、妻に水割りを作らせながら談笑している。
俺(鶴見章吾:38歳)は身動きも取れずに、ただ息を飲んで見守るしかできなかった。
<本当にそろそろ帰った方が良いんじゃない?ここが変な店じゃないことは、充分に分かったでしょ?>
俺はママの声ではっと我に返る。確かに、このままここに居ても今の俺にはどうすること
もできないだろう。それで帰ろうと腰を浮かしかけた時、「お~!」とか「ヒュ~ヒュ~」という下卑た男の歓声が聞こえてきたような気がして、俺は慌てて妻のテーブルの方を振り向いた。
妻がバンザイしている。両腕を頭上に真っ直ぐ伸ばして・・・剥き出しにされた妻の腋の下を江草社長がニヤつきながら、指でなぞっていた。まるで、腋の毛穴を一つ一つ確認するかのように・・・遠目にも妻が顔を赤らめている・・・学生時代から付き合っているのに妻のこんな表情を見たのは初めてだった。
腋の下を撫でられて、たまらず腕を降ろした愛美(めぐみ)に社長の部下と思われる二人
の男のうちの一人が近づいていく。そして、すぐ隣に座ると妻を身体ごと社長の方に向かせてから手首を掴んで、頭上に高々と挙げさせた。
再び腋の下を全開にさせられた愛美を見て、江草社長が軽く頷くと、部下の男は妻の手首を解放した・・・え?!違った!・・解放したのかと思ったが、違ったのだ。男は、社長に見せ付けるように妻の胸を背後から鷲掴みにする。それでも、愛美(めぐみ)は少し顔を歪めただけで、バンザイし続けていた。
男は少しの間、自由に妻の胸を揉みながら耳元で何か囁いた後、妻から離れて、手拍子を打ち始める。もう一人の男も同じように囃し立てた。江草社長は手拍子につられるように、妻の腋の下に、徐々に顔を寄せていく。その鼻が妻の腋の下に、くっつくくらい、近づけられると手拍子が一層激しくなった。
〈あれ、社長の趣味なのよ。腋舐められるのって女はけっこう恥ずかしいのよね。〉
ママの説明で、俺は耐えられなくなって止めさせようと腰を浮かせる。するとママが俺の太ももに手を置いてきた
〈やめときなさいって。愛美(マナミ:源氏名)ちゃん、今まで1度だって、あんなことさせたことないのよ。いったい誰のために、あんなこと許してると思っているのよ。〉
《お、俺のためか・・・俺のためとでも言うのか・・・》
〈悪いこと言わないから、今日は、もうお帰りなさい。娘さん待ってるよ。〉
《どうにもできないのか・・・》俺は悔しくて気が変になりそうだった
〈あなたが出ていったら、辛いのはマナミちゃんよ。今までの屈辱も無駄になっちゃう。〉
ママの言葉が胸に染みる。愛美は俺や娘のために、自分を押し殺して黙って耐えているのだ。
〈心配しなくて大丈夫よ。この店は本番は絶対ないから!私が責任持つから!〉
風俗の店だから仕方ない。ママの言うとおりだと思った。俺は知らないフリをしていた方がいい。愛美の苦労を無駄にしないためにも、《早く仕事を決めて稼ごう、そして妻に楽をさせよう》と、俺は、ママに促されるように席を立ち、店の出口へ向かった。そして、最後にもう一度だけと、妻のテーブルの方を振り返る。
愛美のテーブルでは、妻だけがたった一人だけ椅子から立ち上がっていた。その場は更にいっそう盛り上がっている。周囲のテーブルの客までが、愛美に注目し、女の子達と一緒に囃し立てていた。
2016/01/18
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