名I〖愛する人〗第2節1章第3話 [秋3]19
名I〖愛する人〗第2節1章第3話 [秋3]19
前話18
とある秋の日のこと。仕事の昼休みにゴルフ仲間の佐野研二から電話がかかってくる。
〔再来週の土曜日空いてるか? 久しぶりにゴルフでもどうだ、俺とお前と古賀裕哉の3人でさ。〕
(その日は、特に用事がなかったはず・・・)
僕(寺川匠真:たくま:36歳)は「ああ、いいね・・・じゃあ予約をしておくよ・・・。」とそこまで言ってから、そう言えば、先日、自分の会社の同僚の一人(三好祐輔)が、〚そろそろゴルフでも一緒に行かないか?〛と言っていたのを思い出す・・・。「あっ、と・・・俺の知り合いを入れてもいいか?」と付け加えた。〔知り合い?・・ああ、いいよ、任せる・・・予約の方ヨロシク・・じゃあな。〕
すぐに、三好に電話をかける。しかし、あいにくその同僚は、[その日は都合が悪いんだ。すまんな。]と残念そうに言った。電話を切った後、他に行けそうな僕の知り合いを思い巡らせていた時に、ふっ、と面白そうなことを思いつく。それでその日、帰宅してから妻(寺川絵里:えり:34歳)に「再来週の土曜日、久しぶりにゴルフでもどう?」と聞いてみたら、『ゴルフ?・・・いいわよ・・本当、すごい久し振りね・・うーん・・でも、まずいわ・・・練習しなきゃ。』って絵里は張り切りだした。
妻の絵里に初めてゴルフを勧めたのは、僕だった。付き合っている時に、《二人で一緒にできる趣味を持つのは、いいのではないか》と思ったからだ。当時、彼女(北島絵里)を本気にさせようと思い、ゴルフ道具一式をプレゼントしてみる。その後、何度かゴルフ練習場デートをしたが、絵里の方から、『むつかしいわね・・男の人ばかりだし・・・わたしには、ちょっと向いてないみたい。』と言い出し、あまり興味をしめさなくなり、結局、《二人でコースを回る》という僕の目標はなくなってしまう。
それが結婚をしてから数年経ったある日のこと。僕(寺川匠真)が家の中でパターの練習をしていた時、それを、じーっと見ていた妻(寺川絵里)が突然『ゴルフ・・もう一回してみよっかな・・・。』って言いだす。《『わたしには向いてない』、とか言ってたくせに、急にどうした?》と僕は思ったが、代わりに「いいんじゃない。健康にもいいし・・また、教えてあげるよ。」と言う言葉が口からでてきた。
『フフッ・・ありがと・・それ、簡単そうね・・。』
「これ?・・やってみる?」
『・・・この棒で、その球を、あそこの穴に入れればいいのよね?』
って妻がパッティング練習マットのカップを指差しながら僕に聞く。それが僕にはなんだか、エロチックに聞こえたが、妻は、いたって真面目に言っている様子。
「うん、そう・・・・。でも・・・どうしてまたやる気になったんだい?」
『うーん、あのね何だかゴルフが女子のあいだで流行ってるみたいだし・・ネットで見てたら、ゴルフの服にオシャレでカワイイのがいっぱいあって・・ちょうど道具もあるし・・・。』
「ははっ・・そういうことか・・・で、どんなの?」
『見て見て、これとか・・すごいカワイイでしょ・・。』
って嬉しそうにPC画面の画像を指差すのです。妻はどうやら、最近のレディスゴルフウェアの可愛さに釣られたようだった。確かにその頃からレディスゴルフウェアの充実ぶりが、若い女の子のゴルフ人気に伴って、10年前とは比べ物にならないほど洗練されかつ可愛いくなっていた。
2016/04/19
前話18
とある秋の日のこと。仕事の昼休みにゴルフ仲間の佐野研二から電話がかかってくる。
〔再来週の土曜日空いてるか? 久しぶりにゴルフでもどうだ、俺とお前と古賀裕哉の3人でさ。〕
(その日は、特に用事がなかったはず・・・)
僕(寺川匠真:たくま:36歳)は「ああ、いいね・・・じゃあ予約をしておくよ・・・。」とそこまで言ってから、そう言えば、先日、自分の会社の同僚の一人(三好祐輔)が、〚そろそろゴルフでも一緒に行かないか?〛と言っていたのを思い出す・・・。「あっ、と・・・俺の知り合いを入れてもいいか?」と付け加えた。〔知り合い?・・ああ、いいよ、任せる・・・予約の方ヨロシク・・じゃあな。〕
すぐに、三好に電話をかける。しかし、あいにくその同僚は、[その日は都合が悪いんだ。すまんな。]と残念そうに言った。電話を切った後、他に行けそうな僕の知り合いを思い巡らせていた時に、ふっ、と面白そうなことを思いつく。それでその日、帰宅してから妻(寺川絵里:えり:34歳)に「再来週の土曜日、久しぶりにゴルフでもどう?」と聞いてみたら、『ゴルフ?・・・いいわよ・・本当、すごい久し振りね・・うーん・・でも、まずいわ・・・練習しなきゃ。』って絵里は張り切りだした。
妻の絵里に初めてゴルフを勧めたのは、僕だった。付き合っている時に、《二人で一緒にできる趣味を持つのは、いいのではないか》と思ったからだ。当時、彼女(北島絵里)を本気にさせようと思い、ゴルフ道具一式をプレゼントしてみる。その後、何度かゴルフ練習場デートをしたが、絵里の方から、『むつかしいわね・・男の人ばかりだし・・・わたしには、ちょっと向いてないみたい。』と言い出し、あまり興味をしめさなくなり、結局、《二人でコースを回る》という僕の目標はなくなってしまう。
それが結婚をしてから数年経ったある日のこと。僕(寺川匠真)が家の中でパターの練習をしていた時、それを、じーっと見ていた妻(寺川絵里)が突然『ゴルフ・・もう一回してみよっかな・・・。』って言いだす。《『わたしには向いてない』、とか言ってたくせに、急にどうした?》と僕は思ったが、代わりに「いいんじゃない。健康にもいいし・・また、教えてあげるよ。」と言う言葉が口からでてきた。
『フフッ・・ありがと・・それ、簡単そうね・・。』
「これ?・・やってみる?」
『・・・この棒で、その球を、あそこの穴に入れればいいのよね?』
って妻がパッティング練習マットのカップを指差しながら僕に聞く。それが僕にはなんだか、エロチックに聞こえたが、妻は、いたって真面目に言っている様子。
「うん、そう・・・・。でも・・・どうしてまたやる気になったんだい?」
『うーん、あのね何だかゴルフが女子のあいだで流行ってるみたいだし・・ネットで見てたら、ゴルフの服にオシャレでカワイイのがいっぱいあって・・ちょうど道具もあるし・・・。』
「ははっ・・そういうことか・・・で、どんなの?」
『見て見て、これとか・・すごいカワイイでしょ・・。』
って嬉しそうにPC画面の画像を指差すのです。妻はどうやら、最近のレディスゴルフウェアの可愛さに釣られたようだった。確かにその頃からレディスゴルフウェアの充実ぶりが、若い女の子のゴルフ人気に伴って、10年前とは比べ物にならないほど洗練されかつ可愛いくなっていた。
2016/04/19
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