中I 『許された性癖』 vol.16
中I 『許された性癖』 vol.16
vol.15
下卑た言葉を喚きたて、妻(和田久美:わだ・くみ:36歳)はパンストに包まれた股間を私(和田隆雄:わだ・たかお:48歳)の顔面で擦りまくる。『あうっ、チンポが奥まで入ってくるぅ! でも挿れられるのは彼だけ・・あなたには触らせるなって言われてるから・・あなたのチンポも触ってあげられないの・・ああっ!』
快感に我を忘れているように見えて、私に〖寝取られマゾ〗の立場を自覚させることも忘れない。一見、夫婦間の性行為が復活したかに思えても、私は一方的にいたぶられているだけ。久美の妄想オナニーのオカズにされているだけに過ぎない。自分は性パートナーではなく、不倫相手と久美の性的興奮を高めるために存在する奉仕者なのだと、否応なく思い知らされた。
同時に感慨深かった。久美が夫の顔を尻に敷き、一方的に擦りつけて快感を得る味を覚えてくれたことが。《Sっ気に目覚めたのだろうか?》今日の行為は当然、不倫相手から指示を受けた上でのことだろうが、久美の積極さを見れば、ただ命令に屈したわけではないのが分かる。
言葉の端々にこそ、相変わらず『彼に言われたから。』との表現を盛り込んでいるが、それはある種の言い訳だろう。不倫にのめり込みたい、夫を性的に従属させたい、そんな本性が久美にも潜んでいるのだ。清楚な仮面の下に隠された魔性を、はっきりと見て取れる。
『ああっ、逝きそう! 彼のチンポで逝っちゃうぅ!』って、久美が妄想オナニーで絶頂が迫っていることを告げた。窒息するかと思うほど、股間を口元へ強力に押し付け、激しく腰を前後させてくる。我慢の限界を越えていた私も、ふさがれた口で大きく呻き、射精することをアピールすると、今度は久美も止めなかった。下着を穿いたまま久美が絶頂を迎える。びくびくと痙攣する久美の股間の下で、ほぼ同時に私の快感も炸裂した。
久美は絶頂の余韻に合わせ、股間を緩やかに前後させていたが、快感が収束してゆくと私の顔面から股間を外し、崩れるように傍らに倒れ込む。脚を開いた拍子にスカートの裾が大きく捲れ上がった。股布が激しく食い込み、外から見ても分かるほど濡れそぼっている。快感の名残を露にしていた妻だったが、余韻が収まるとたちまち普段の羞恥を取り戻した。
久美は膝を閉じて乱れたスカートも直し、下着を覆い隠してしまう。横座りの姿勢になり、スカートの裾を固く押さえたまま、気まずい表情で私を見つめていたが、直ぐに無言で立ち上がり、浴室へ向かっていった。
射精の余韻に痺れながら、私は久美の魅力を再認識している。淫乱な娼婦の顔と清楚な淑女の顔、久美は両極端な顔を備えていた。のみならず、両者が瞬く間に入れ替わる。その変化のスピードにも驚嘆させられた。これが演技だとすれば天才だ。久美自身も演技なのか地なのか、判然としてないのではないか、と思う。冷静さを取り戻したあと、気まずさを露にする久美は、淫乱さを剥き出しにしている時の久美と同じか、それ以上に魅力的だ。それらが演技であっても構わない。たとえ演技でも、極めれば真実と変わらなくなるのだから。
ふたりの性生活は倒錯の度合いを強めていったが、日常生活はそれまでと変わらなかった。前にも述べたように、久美の淑女の面は何ら変化しない。人前では決してベタベタせず、かといって素っ気なくもなかった。ごく自然な態度で接してくれる。外から見れば私達は、世間のどこにでもいる、普通に仲の良い夫婦にしか見えないだろう。特殊な性癖に囚われ、異常なプレイに嵌まっている夫婦だとは、夢想だにしていない筈だ。そのギャップを夫婦して楽しんでいる。久美は特にそう。娼婦の顔がどんどん淫乱になり、私へのいたぶり方が堂に入ってくる一方で、淑女の顔はますます清楚に、良妻の雰囲気をより漂わせるようになっていった。 vol.17へ
2017/07/06
vol.15
下卑た言葉を喚きたて、妻(和田久美:わだ・くみ:36歳)はパンストに包まれた股間を私(和田隆雄:わだ・たかお:48歳)の顔面で擦りまくる。『あうっ、チンポが奥まで入ってくるぅ! でも挿れられるのは彼だけ・・あなたには触らせるなって言われてるから・・あなたのチンポも触ってあげられないの・・ああっ!』
快感に我を忘れているように見えて、私に〖寝取られマゾ〗の立場を自覚させることも忘れない。一見、夫婦間の性行為が復活したかに思えても、私は一方的にいたぶられているだけ。久美の妄想オナニーのオカズにされているだけに過ぎない。自分は性パートナーではなく、不倫相手と久美の性的興奮を高めるために存在する奉仕者なのだと、否応なく思い知らされた。
同時に感慨深かった。久美が夫の顔を尻に敷き、一方的に擦りつけて快感を得る味を覚えてくれたことが。《Sっ気に目覚めたのだろうか?》今日の行為は当然、不倫相手から指示を受けた上でのことだろうが、久美の積極さを見れば、ただ命令に屈したわけではないのが分かる。
言葉の端々にこそ、相変わらず『彼に言われたから。』との表現を盛り込んでいるが、それはある種の言い訳だろう。不倫にのめり込みたい、夫を性的に従属させたい、そんな本性が久美にも潜んでいるのだ。清楚な仮面の下に隠された魔性を、はっきりと見て取れる。
『ああっ、逝きそう! 彼のチンポで逝っちゃうぅ!』って、久美が妄想オナニーで絶頂が迫っていることを告げた。窒息するかと思うほど、股間を口元へ強力に押し付け、激しく腰を前後させてくる。我慢の限界を越えていた私も、ふさがれた口で大きく呻き、射精することをアピールすると、今度は久美も止めなかった。下着を穿いたまま久美が絶頂を迎える。びくびくと痙攣する久美の股間の下で、ほぼ同時に私の快感も炸裂した。
久美は絶頂の余韻に合わせ、股間を緩やかに前後させていたが、快感が収束してゆくと私の顔面から股間を外し、崩れるように傍らに倒れ込む。脚を開いた拍子にスカートの裾が大きく捲れ上がった。股布が激しく食い込み、外から見ても分かるほど濡れそぼっている。快感の名残を露にしていた妻だったが、余韻が収まるとたちまち普段の羞恥を取り戻した。
久美は膝を閉じて乱れたスカートも直し、下着を覆い隠してしまう。横座りの姿勢になり、スカートの裾を固く押さえたまま、気まずい表情で私を見つめていたが、直ぐに無言で立ち上がり、浴室へ向かっていった。
射精の余韻に痺れながら、私は久美の魅力を再認識している。淫乱な娼婦の顔と清楚な淑女の顔、久美は両極端な顔を備えていた。のみならず、両者が瞬く間に入れ替わる。その変化のスピードにも驚嘆させられた。これが演技だとすれば天才だ。久美自身も演技なのか地なのか、判然としてないのではないか、と思う。冷静さを取り戻したあと、気まずさを露にする久美は、淫乱さを剥き出しにしている時の久美と同じか、それ以上に魅力的だ。それらが演技であっても構わない。たとえ演技でも、極めれば真実と変わらなくなるのだから。
ふたりの性生活は倒錯の度合いを強めていったが、日常生活はそれまでと変わらなかった。前にも述べたように、久美の淑女の面は何ら変化しない。人前では決してベタベタせず、かといって素っ気なくもなかった。ごく自然な態度で接してくれる。外から見れば私達は、世間のどこにでもいる、普通に仲の良い夫婦にしか見えないだろう。特殊な性癖に囚われ、異常なプレイに嵌まっている夫婦だとは、夢想だにしていない筈だ。そのギャップを夫婦して楽しんでいる。久美は特にそう。娼婦の顔がどんどん淫乱になり、私へのいたぶり方が堂に入ってくる一方で、淑女の顔はますます清楚に、良妻の雰囲気をより漂わせるようになっていった。 vol.17へ
2017/07/06
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