『美鈴(みすず)』 1章その6
名C美鈴(みすず)その6
「名刺なんてくれたんだ?」と私が言うと、『うん・・・頂いたの・・。』、「今度電話でもしてくださいってか?」と茶化しても、美鈴は『うん・・・そうかな・・。』って俯(うつむ)く。「結局は何も無かったの?」と尋ねる。『・・・・・』返事がない。「どうなんだよ?」、『・・・少しあったかな・・・。』って答えた。
「少しって?」と私。『うん・・・少しね。』
「少しってなんだよ?」
『パパ、明日土曜日だから・・・一緒にドライブでも行こうよ。その時にゆっくり話すから・・・それじゃダメかな?』
美鈴の表情が、さっきまでの酔って私を弄(もてあそ)ぶような表情の美鈴ではなく、少し目が潤んでいるように真剣な眼差しで私を見つめる姿がありました。私は妻の表情を見て「いいよ。じゃぁ明日ゆっくり話してくれよ。」そのときにそれ以上は訊くことは出来ませんでした。
次の日10時近くに『パパ~~起きてよ~』って美鈴の声で目を覚ましました。『もぉ~ゆっくり寝てるんだから~コーヒーでいい?といつもと変わらない美鈴がそこにいました。「花帆は?」と美鈴に聞くと『部活で学校に出かけたわよ。』ってコーヒーを私の所へと持って来てそう言いました。
私が「なぁ~ 夕べはどうだったんだ?」と訊くと美鈴から少し表情が暗くなったような気がしました。私の問いかけに答えずに美鈴は洗物をしています。「どうだったんだよ?」美鈴の手が止まり水道の蛇口を止めて、私の方を振り返って言いました。
『パパが期待しているような事はなかったよ。』、「エッチはしなかったのか?」すると美鈴が『・・・エッチって?どこまでがエッチなの?』、「胸でも触られた?」の問いには『・・・』
「何処かを触られたの?」に美鈴が『パパ怒らない?』私は「怒らないさ。」、『本当に怒らない?』、「あぁ・・約束をする。」
美鈴は覚悟を決めて『・・・キスをされた・・・。』
「キスされた?」
『ねぇパパ。ドライブへ行こう?』
「わかったよ。」
美鈴は昨日の事で何か後悔しているのか?それとも私に言いにくいことを隠しているのか?そんな気がしました。私は美鈴が答えた〖キスをされた〗って言葉に異様に興奮をしました。美鈴は珍しく黒のワンピースを着て、綺麗に化粧までして出かける準備を整えていました。
私たちは車に乗り込み、行く当ても無くゆっくりと車を走らせました。
「どこか行きたい所でもあるのか?」
『ううん。何処でもいいよ。なんとなく昔パパとよくドライブしたから行きたくなっただけ・・。』
「ママ何かおかしいよ?昨日はセックスをしてないんだろ?」
『してないよ。』って美鈴が答えた。
「じゃぁどうして急にドライブへ行きたくなったりしたんだ?」
『パパはそれで平気なの?』
丁度、赤信号で車をとめたので、助手席の美鈴の顔を見ながら、
「平気って何が?」
『私がパパ以外の人とキスしても・・・。』
「平気じゃないさ!凄く嫉妬して興奮している。」
『私ね・・・出来なかったの・・・。』信号が青になり車を発車させる。
「エッチを?出来なかった?どうして?」
『あれからね。藤堂さんの知っているバーに二人で行ったのね。そこはあのお店(御影)よりもっとムードがあるっていうかな~何かテレビのドラマにでも出て来そうなお店だった。』
「そうなんだ。おしゃれなお店だったんだね?」
『うん。お客さんの殆どがカップルだったから。』
「そっか~ママもそんなお店に行けてよかったじゃない?」
『それに藤堂さんと色んなお話して楽しかったの・・・。』
「名刺なんてくれたんだ?」と私が言うと、『うん・・・頂いたの・・。』、「今度電話でもしてくださいってか?」と茶化しても、美鈴は『うん・・・そうかな・・。』って俯(うつむ)く。「結局は何も無かったの?」と尋ねる。『・・・・・』返事がない。「どうなんだよ?」、『・・・少しあったかな・・・。』って答えた。
「少しって?」と私。『うん・・・少しね。』
「少しってなんだよ?」
『パパ、明日土曜日だから・・・一緒にドライブでも行こうよ。その時にゆっくり話すから・・・それじゃダメかな?』
美鈴の表情が、さっきまでの酔って私を弄(もてあそ)ぶような表情の美鈴ではなく、少し目が潤んでいるように真剣な眼差しで私を見つめる姿がありました。私は妻の表情を見て「いいよ。じゃぁ明日ゆっくり話してくれよ。」そのときにそれ以上は訊くことは出来ませんでした。
次の日10時近くに『パパ~~起きてよ~』って美鈴の声で目を覚ましました。『もぉ~ゆっくり寝てるんだから~コーヒーでいい?といつもと変わらない美鈴がそこにいました。「花帆は?」と美鈴に聞くと『部活で学校に出かけたわよ。』ってコーヒーを私の所へと持って来てそう言いました。
私が「なぁ~ 夕べはどうだったんだ?」と訊くと美鈴から少し表情が暗くなったような気がしました。私の問いかけに答えずに美鈴は洗物をしています。「どうだったんだよ?」美鈴の手が止まり水道の蛇口を止めて、私の方を振り返って言いました。
『パパが期待しているような事はなかったよ。』、「エッチはしなかったのか?」すると美鈴が『・・・エッチって?どこまでがエッチなの?』、「胸でも触られた?」の問いには『・・・』
「何処かを触られたの?」に美鈴が『パパ怒らない?』私は「怒らないさ。」、『本当に怒らない?』、「あぁ・・約束をする。」
美鈴は覚悟を決めて『・・・キスをされた・・・。』
「キスされた?」
『ねぇパパ。ドライブへ行こう?』
「わかったよ。」
美鈴は昨日の事で何か後悔しているのか?それとも私に言いにくいことを隠しているのか?そんな気がしました。私は美鈴が答えた〖キスをされた〗って言葉に異様に興奮をしました。美鈴は珍しく黒のワンピースを着て、綺麗に化粧までして出かける準備を整えていました。
私たちは車に乗り込み、行く当ても無くゆっくりと車を走らせました。
「どこか行きたい所でもあるのか?」
『ううん。何処でもいいよ。なんとなく昔パパとよくドライブしたから行きたくなっただけ・・。』
「ママ何かおかしいよ?昨日はセックスをしてないんだろ?」
『してないよ。』って美鈴が答えた。
「じゃぁどうして急にドライブへ行きたくなったりしたんだ?」
『パパはそれで平気なの?』
丁度、赤信号で車をとめたので、助手席の美鈴の顔を見ながら、
「平気って何が?」
『私がパパ以外の人とキスしても・・・。』
「平気じゃないさ!凄く嫉妬して興奮している。」
『私ね・・・出来なかったの・・・。』信号が青になり車を発車させる。
「エッチを?出来なかった?どうして?」
『あれからね。藤堂さんの知っているバーに二人で行ったのね。そこはあのお店(御影)よりもっとムードがあるっていうかな~何かテレビのドラマにでも出て来そうなお店だった。』
「そうなんだ。おしゃれなお店だったんだね?」
『うん。お客さんの殆どがカップルだったから。』
「そっか~ママもそんなお店に行けてよかったじゃない?」
『それに藤堂さんと色んなお話して楽しかったの・・・。』
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