中P〖妻と部長〗第17話
中P〖妻と部長〗第17話
それから私(伊勢重隆)は自分の馬鹿さ加減に呆然としていた。まだ、真田部長と妻の愛美(まなみ)が性的関係をもった事実はないのだが状況的に判断すると怪しいと思えるだけなのに自分で決めつけていた。全てにやる気を失っていた。そんな時、電話が鳴った。
愛美からだった。時計を見ると10時を回っていた。急いでフロントに行くと愛美と真田部長は既に待っていた。真田部長は私らしいと窘(たしな)めてくれたが愛美は少し怒った顔をしていた。チェックアウトを済ませ、私は改めて2人に謝る。それでも愛美はブツブツ言っていたが真田部長が間に入ってくれたので何とか丸く収まった。
正面玄関を出てから私は車を取りに向かった。チェックアウトの時間が重なったのだろう、車を出すのに五分以上掛かった。正面玄関の辺りで待っている2人は仲睦まじく見える。2人に疑惑を抱いている今、その光景は気分の良いもんじゃない。私の遅刻に不機嫌な愛美は行きと同様に後部座席に座るのだろう。また苦痛の時が続くと思っていた。
ロータリーに車を止めると後部座席のドアが開けられ、真田部長が乗り込んだ。帰りは愛美を先に乗せないのだなと思っていると助手席のドアが開き、愛美が乗り込んでくる。私が驚いた顔をしていると“どうしたの?”って逆に不思議な顔をしている。私は単純に嬉しくなり、エンジンをスタートさせる。ホテルの敷地を出たところで左腕を肘掛けに置いた。少しして、愛美の腕が私の腕の上にそっとおかれた。愛美の手が私の手の上におかれ、指を絡めてきた。嬉しい気持ちのまま真田部長の家に向かう。
真田部長の家に着くと私の車の隣に赤いミニクーパーが止まっていた。見たことがある車だった。間違いがなければ、部長の奥さんの典子さんの車だった。真田部長の車と入れ替えようとして車を降りる。玄関から典子さんが出てきた。真田部長も車から降りてきた。真田部長達は何かよそよそしい感じがする。わからないでもないが…。
私達は自分の車と入れ替えて帰ろうとしたところ、典子さんが上がって言って欲しいと言ってきた。愛美と目を合わせ、考えたが断る理由もなく、少しだけお邪魔することにした。
家に入るとダイニングに通され、お茶とお茶菓子が用意された。最初は何を話していいのか分からず、皆、無言であった。最初に話し出したのは典子さんだった。真田部長に家出?したことを謝罪した。しかし、自分の意見、真田部長の浮気への報復だった事もはっきりと伝えた。真田部長もその事に関しては〔自分が悪かった。〕と謝罪した。それから、典子さんは私達に〚心配をかけて申し訳なかった。〛と言ってきた。
典子さんの謝罪が終わると最初にあった緊迫感と言うか違和感もほぐれ、昔のように和気藹々と話し合った。半時ほど、真田部長宅で過ごし、私達は真田部長宅を後にした。帰り際、典子さんが「また、連絡するわね。」と耳元で囁いた。もちろん、私は頷いた。単純な私は愛美への不安もどこかに飛んでしまい嬉しくなっていた。
家に着くまで愛美と手を繋いでいた。手を繋いでいるだけで股間が元気になる。手を繋いだだけでこんなになるのはいつぶりだろうか?遣る事ばかり考えていた20代以来だろうか?あの頃、手を繋いで歩くのが困難なデートもあったなぁと懐かしむ。暫くして家に到着した。
鍵を開けて、家に入る。たった1日空けただけなのになぜだか懐かしい感じがする。改めて考えると昨夜の出来事が真田部長に嫉妬していたあの時間は一夜の出来事じゃないくらいの時間を過ごしたのだろう。家に帰ってきて、愛美を取り戻せたんだ、そんな感覚に浸っている。私は嬉しくなり、愛美を抱きしめてキスをしていた。
愛美は私からの突然のキスに驚いた様子であったが、すぐに目を閉じ受け入れてくれた。私の舌が愛美の口の中に侵入するといつものように舌を絡めてくる。いつもと同じ行為なのに何故か違和感を覚える。新鮮に感じると言うのとは何かが違う。今までこんな絡め方をしてきただろうか?気のせいだろうかいつもよりキスが巧い感じがする。たった1日で変わるわけがないと勝手に結論付け、納得しながら続ける。
2015/07/19
それから私(伊勢重隆)は自分の馬鹿さ加減に呆然としていた。まだ、真田部長と妻の愛美(まなみ)が性的関係をもった事実はないのだが状況的に判断すると怪しいと思えるだけなのに自分で決めつけていた。全てにやる気を失っていた。そんな時、電話が鳴った。
愛美からだった。時計を見ると10時を回っていた。急いでフロントに行くと愛美と真田部長は既に待っていた。真田部長は私らしいと窘(たしな)めてくれたが愛美は少し怒った顔をしていた。チェックアウトを済ませ、私は改めて2人に謝る。それでも愛美はブツブツ言っていたが真田部長が間に入ってくれたので何とか丸く収まった。
正面玄関を出てから私は車を取りに向かった。チェックアウトの時間が重なったのだろう、車を出すのに五分以上掛かった。正面玄関の辺りで待っている2人は仲睦まじく見える。2人に疑惑を抱いている今、その光景は気分の良いもんじゃない。私の遅刻に不機嫌な愛美は行きと同様に後部座席に座るのだろう。また苦痛の時が続くと思っていた。
ロータリーに車を止めると後部座席のドアが開けられ、真田部長が乗り込んだ。帰りは愛美を先に乗せないのだなと思っていると助手席のドアが開き、愛美が乗り込んでくる。私が驚いた顔をしていると“どうしたの?”って逆に不思議な顔をしている。私は単純に嬉しくなり、エンジンをスタートさせる。ホテルの敷地を出たところで左腕を肘掛けに置いた。少しして、愛美の腕が私の腕の上にそっとおかれた。愛美の手が私の手の上におかれ、指を絡めてきた。嬉しい気持ちのまま真田部長の家に向かう。
真田部長の家に着くと私の車の隣に赤いミニクーパーが止まっていた。見たことがある車だった。間違いがなければ、部長の奥さんの典子さんの車だった。真田部長の車と入れ替えようとして車を降りる。玄関から典子さんが出てきた。真田部長も車から降りてきた。真田部長達は何かよそよそしい感じがする。わからないでもないが…。
私達は自分の車と入れ替えて帰ろうとしたところ、典子さんが上がって言って欲しいと言ってきた。愛美と目を合わせ、考えたが断る理由もなく、少しだけお邪魔することにした。
家に入るとダイニングに通され、お茶とお茶菓子が用意された。最初は何を話していいのか分からず、皆、無言であった。最初に話し出したのは典子さんだった。真田部長に家出?したことを謝罪した。しかし、自分の意見、真田部長の浮気への報復だった事もはっきりと伝えた。真田部長もその事に関しては〔自分が悪かった。〕と謝罪した。それから、典子さんは私達に〚心配をかけて申し訳なかった。〛と言ってきた。
典子さんの謝罪が終わると最初にあった緊迫感と言うか違和感もほぐれ、昔のように和気藹々と話し合った。半時ほど、真田部長宅で過ごし、私達は真田部長宅を後にした。帰り際、典子さんが「また、連絡するわね。」と耳元で囁いた。もちろん、私は頷いた。単純な私は愛美への不安もどこかに飛んでしまい嬉しくなっていた。
家に着くまで愛美と手を繋いでいた。手を繋いでいるだけで股間が元気になる。手を繋いだだけでこんなになるのはいつぶりだろうか?遣る事ばかり考えていた20代以来だろうか?あの頃、手を繋いで歩くのが困難なデートもあったなぁと懐かしむ。暫くして家に到着した。
鍵を開けて、家に入る。たった1日空けただけなのになぜだか懐かしい感じがする。改めて考えると昨夜の出来事が真田部長に嫉妬していたあの時間は一夜の出来事じゃないくらいの時間を過ごしたのだろう。家に帰ってきて、愛美を取り戻せたんだ、そんな感覚に浸っている。私は嬉しくなり、愛美を抱きしめてキスをしていた。
愛美は私からの突然のキスに驚いた様子であったが、すぐに目を閉じ受け入れてくれた。私の舌が愛美の口の中に侵入するといつものように舌を絡めてくる。いつもと同じ行為なのに何故か違和感を覚える。新鮮に感じると言うのとは何かが違う。今までこんな絡め方をしてきただろうか?気のせいだろうかいつもよりキスが巧い感じがする。たった1日で変わるわけがないと勝手に結論付け、納得しながら続ける。
2015/07/19
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