『美鈴(みすず)』 1章その16
名C美鈴(みすず)その16
落ち着かない気持ちを抑える為に早い時間から飲み始めたので、美鈴からの電話を切った後、安心したのと酔ったため、うとうととソファで眠ってしまいました。
どれくらい寝ったのか解らないが体の痛みで目が覚めました。不自然な体勢で眠り込んだから背中が痛む。しばらく動けずにいたがようやく体を起こした。でも脳がなかなか活動せずに、ふらふらと冷蔵庫まで歩いて行き冷えた麦茶が入ったポットからコップに注ぎ飲み干すと何故ソファで寝ていたのかを思い出した。
リビングの時計を見ると午前1時半を過ぎている。慌ててスマホを確認すると、美鈴からの着信もメールも届いていなかった。一瞬、「ひょっとして今ごろ・・・。」と思いましたが、遅く始まった映画だと映画が終わってから少し話をしていてもこれくらいの時間になるかと思い返し、今度は冷蔵庫から缶ビールをだして飲み干しました。
2時になっても連絡はありませんでした。自分勝手な想いで美鈴を送り出したのに、いざ美鈴が連絡を寄越さないことに、一気に私の頭に血が上り美鈴のスマホに電話をしました。30秒ほどコールしても美鈴が電話にでません。私はイライラしながらスマホを鳴らし続けました。なぜ出ないのかがわかりません。諦めかけた頃に美鈴が電話に出ました。
美鈴は『もしもし・・・。』って少し酔っているような声です。
「こんな時間まで何処で何をしているんだ!!」と怒鳴ってしまいました。
『ごめんなさい。今家に帰るタクシーの中。もう少しで家に着くから・・・」
そんな美鈴の声の後ろから車のハザードランプ(路上駐車のために停止する際のランプ)の点滅音がカチカチカチと聞こえてきました。(もしかしたら酔っていたので聞き違えていたかも知れないがその時はそう思った。)
「どうしてタクシーに乗っているのにカチカチ聞こえてくるんだ?」
『え??・・・・今曲がるところだよ。』
「嘘を付くなよ!その音は方向指示器じゃないだろ!」
『どうしてそんなこと言うの?』
「もういいよ!勝手にしろ!!」そう言って私は電話を一方的に切りました。
5分もしないうちに美鈴は家に帰って来ました。
『ただいま~~ゴメンネ遅くなりました~~』美鈴は少々酔っていました。
「なんで直ぐに帰って来られるんだ?」
『なんでって・・・家の近所までに着いていたから・・・』
「嘘を付いているだろ!木嶋の車で送ってもらって家の近くで話でもしていたんだろ?!」
『パパおかしいよ?どうしてそんなことを言うの?』
「君が嘘を付くからだよ!」
『嘘なんて付いてないわ!』
「じゃあ帰る前に電話するって言っておいてなぜ電話もしないで帰って来るんだ!」
『遅くなってパパが寝ていると悪いって思ったからだよ!』
「もういい!嘘は付かないって約束だろ!」
『わたし嘘なんて付いてない!』
自分の小ささから来る嫉妬だけの怒りで、私達のいい争いがお互いの歯車を少し狂わせたはじまりでした。
落ち着かない気持ちを抑える為に早い時間から飲み始めたので、美鈴からの電話を切った後、安心したのと酔ったため、うとうととソファで眠ってしまいました。
どれくらい寝ったのか解らないが体の痛みで目が覚めました。不自然な体勢で眠り込んだから背中が痛む。しばらく動けずにいたがようやく体を起こした。でも脳がなかなか活動せずに、ふらふらと冷蔵庫まで歩いて行き冷えた麦茶が入ったポットからコップに注ぎ飲み干すと何故ソファで寝ていたのかを思い出した。
リビングの時計を見ると午前1時半を過ぎている。慌ててスマホを確認すると、美鈴からの着信もメールも届いていなかった。一瞬、「ひょっとして今ごろ・・・。」と思いましたが、遅く始まった映画だと映画が終わってから少し話をしていてもこれくらいの時間になるかと思い返し、今度は冷蔵庫から缶ビールをだして飲み干しました。
2時になっても連絡はありませんでした。自分勝手な想いで美鈴を送り出したのに、いざ美鈴が連絡を寄越さないことに、一気に私の頭に血が上り美鈴のスマホに電話をしました。30秒ほどコールしても美鈴が電話にでません。私はイライラしながらスマホを鳴らし続けました。なぜ出ないのかがわかりません。諦めかけた頃に美鈴が電話に出ました。
美鈴は『もしもし・・・。』って少し酔っているような声です。
「こんな時間まで何処で何をしているんだ!!」と怒鳴ってしまいました。
『ごめんなさい。今家に帰るタクシーの中。もう少しで家に着くから・・・」
そんな美鈴の声の後ろから車のハザードランプ(路上駐車のために停止する際のランプ)の点滅音がカチカチカチと聞こえてきました。(もしかしたら酔っていたので聞き違えていたかも知れないがその時はそう思った。)
「どうしてタクシーに乗っているのにカチカチ聞こえてくるんだ?」
『え??・・・・今曲がるところだよ。』
「嘘を付くなよ!その音は方向指示器じゃないだろ!」
『どうしてそんなこと言うの?』
「もういいよ!勝手にしろ!!」そう言って私は電話を一方的に切りました。
5分もしないうちに美鈴は家に帰って来ました。
『ただいま~~ゴメンネ遅くなりました~~』美鈴は少々酔っていました。
「なんで直ぐに帰って来られるんだ?」
『なんでって・・・家の近所までに着いていたから・・・』
「嘘を付いているだろ!木嶋の車で送ってもらって家の近くで話でもしていたんだろ?!」
『パパおかしいよ?どうしてそんなことを言うの?』
「君が嘘を付くからだよ!」
『嘘なんて付いてないわ!』
「じゃあ帰る前に電話するって言っておいてなぜ電話もしないで帰って来るんだ!」
『遅くなってパパが寝ていると悪いって思ったからだよ!』
「もういい!嘘は付かないって約束だろ!」
『わたし嘘なんて付いてない!』
自分の小ささから来る嫉妬だけの怒りで、私達のいい争いがお互いの歯車を少し狂わせたはじまりでした。
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