壊れかけた二人 第12章②
12-②
俺は詩織に手を引っ張られながら翔太に振り返って、「じゃあ後でな」と言うと、翔太は「うーい」と既に足を崩してTVを付けている。
寝室に入ると詩織は速攻で部屋の鍵をかけて、「むふふ」って感じで笑いながら俺の首に腕を回して背伸びしてキスをしてきたのでそのままセックスに突入した。
ただ、あんまり激しくすると結構音が下にも漏れるの俺は知っているから、いつもよりさらにゆっくりと、優しく抱いた。詩織は少し焦れったかったのか、正常位の時に下から腰を自分から押し付けてきた。
そんな中、突然ガチャガチャとドアノブを回す音がした。いつの間に翔太が2階に来たのかやはり全
然わからなかった。翔太の「え~、なんだよ~鍵かけるなよ」と悔しがる声がする。「仲間はずれ反対!」
と叫ぶ翔太。
詩織は“してやったり”、って感じでにんまりした。『ほっとこ。ね?』と言って、正常位で繋がりながらキスを要求する。暫くすると諦めたのか、翔太が戻っていったようで静かになった。それから更に1分くらいして、少しずつ二人とも絶頂に盛り上がってきたところに突然階下の家電(固定電話)が鳴った。
その時21時近くだったから俺は少し驚いた。夜の電話はいい気がしないのだ。詩織と顔を一瞬見合わせて〔仕方ないな・・・〕って無言で意思疎を通して、セックスを中断して俺が電話を取りに行った。
(一応、寝室の電話に転送は可能だがこの日は切り替えてなかった。)
リビングルームに行くと翔太はソファにくつろぎながらTVを観ている。「電話鳴ってんぞー」「ああ」受話器を取ると無言電話だった。気味悪いと思ったら後ろからくすくすと笑い声がする。
翔太がスマートフォンを片手で上げてニヤニヤしている。「お前かよ~」翔太が、「わりい。なんか我慢できなくて」「お前そんなにしたいのか?」「もう、めちゃくちゃしたい」と翔太は懇願する。
俺は呆れながらも、中断させられて少し萎えていたので、「それじゃ行って来いよ」と順番を翔太に譲る。翔太が「了解。詩織ちゃんには適当に嘘ついとくな」と浮き浮きした様子で、それでも忍び足で階段を上がっていく。俺は例の真下の部屋に移動する。
俺が部屋に入ると同時くらいに上からガチャ、と寝室の扉が開く音がした。最初俺だと思った詩織が『あ、どうだった・・・って・・・うわ!』と驚く。翔太は「うわっーて何だよ!うわっーて」
『ちょっと何?出てってよ。』と詩織が抗議。
「まぁまぁまぁ」
『まぁまぁじゃなくて。』
「拓海ちょっと電話長くなりそうだったからさ」と翔太は適当に嘘をつく。
詩織が『電話は誰?』
「拓海のとこの○○課長だったよ」と重ねての嘘
『○○課長?』
「なんか発注がどうとか。結構時間かかりそうな感じだった」
『ふーん』
「憶えてる?○○課長」
『おぼろげ』
「ま、そんなわけでさ。詩織が寂しい思いをしてるだろうなって思って。」
詩織は『はいそこ、勝手に座らない。』とくすくす笑う。
「いやでも、かなり真剣っぽかったからマジで長くなりそうだった」と翔太
『そうなんだ?まぁこんな時間に電話してくるくらいだしね。』
「そうそう」
『・・・ふーん』
無言になる二人。不思議だけど部屋の前よりも、この真下の部屋のが何故かよく聞こえる気がする。無言のまま、“ちゅっ、ちゅっ”とキスの音がはっきり聞こえてきた。『あん、だーめ。やーだ』と詩織。でも同時に“ちゅっ、ちゅっ”って音がする。翔太が「大丈夫だよ時間かかるって」と言う。
『・・・えー・・・』そのあとしばらくごそごそした音と『・・・ん』と詩織の吐息
「拓海はもういったん?」
『まだ・・・だけど・・・ん、やぁ・・・ん』
「詩織は?」
『あっ、ん・・・し、しらない・・・』
その後くちゅくちゅと手マンっぽい感じの音がした。
「すげ~なんかめっちゃ濡れてるじゃん」
『あっ、あっ・・・たっくんが、上手だから・・・あっ、んっ』
“くちゅくちゅ”って音が一気激しくなった。
『あっ!あっ!あっ!・・・あっだめっ!・・・はっ、あぁっ!』って詩織がはっきり喘ぎだす。その声が止むと、詩織のはぁはぁ息を荒げる。詩織は掠れた声で『・ねぇ・・・翔』と甘えるような声を出す。
「んー?」
『・・・ほ、ほしい・・・』
「うん」
ぎっ、ぎっ、とベッドの上を移動するような音。10秒くらい無音の間が空いた。多分その時に翔太がコンドームを着けていたのだと思う。
詩織が『ほ、本当に時間掛かりそうだった?』と翔太に尋ねた。
「結構真剣に話し込んでいたからな」
『たっくんが来たら、絶対やめてね。』
「あいあい」
『絶対、だよ・・・ちゃんと階段の音を聞いていてね。』
「わかったって」
また、ぎっ、ぎっ、とベッドの上を移動する音。
『・・・口でしなくて、いいの?』
「あー・・・とりあえず挿れたい」
『ん・・・あっ・・・・・・やだ・・・おっ、きぃ・・・』天井がぎしぎしぎし、と軋み出した。
「おっきい?」
『太い・・・んだって、もう・・・・・・あっ、あっ、あっ、あっ』
すぐにぎしぎし軋む音がより一層激しくなった
『あん!あんっ!あんっ!あっ、だめ!いいっ!いいっ!ああっ!
もう・・・!あっ!いくっ・・・いくっ!いくっ!あっ、だめいくっ!!!』
挿入してすぐだった。(1分も経ってなかったと思う)俺とのセックスが中途半端ってのもあったと
思う。なんだか俺が二人のお膳立てをしたみたいで癪(しゃく)にさわるとこもあったけどちんこは痛いほど勃起してきたので、我慢が出来ずに部屋を出た。その際に聞こえてきた会話。
「詩織・・・掴(つか)んで・・・そう。気持ち良い?」
『きも・・・ちいいぃ』
階段を一歩上がるたびに、ベッドのぎしぎし軋む音と詩織が喘ぐ声が明確に聞こえてくる。
俺はその度に泣きそうになるくらい心臓がドキドキした。寝室の前までくると、さっきまでとは違う
リズムでベッドが軋んでいる。『あぁっ!んっ、はぁっ!・・・あぁっ!いいっ、あっ、いいっ!!!』
詩織の蕩(とろ)けきった声もはっきりと聞こえる。
俺はそれに気付かない振りをして、一気に寝室に入った。(電話が終わって、何気なく戻った感じを装う)二人がセックスをしている姿を見るのはこれが2度目だけど、やっぱりその光景だけで射精しそうなくらいの衝動がきた。
興奮とかそういうレベルじゃなくて、銃で撃たれるとかナイフで刺されると言った方が近いかも(実際には経験がないけれど)。本当死にそうなくらい心が痛くて苦しかった。でも何故かちんこだけが心とは別の意識持っているみたいにガッチガチになる。
詩織と翔太は対面座位で繋がっていた。詩織の両手足は翔太の身体をがっちりとホールドしている。
両足で翔太の腰を、ぎゅっと捕まえながら、両手は翔太の首を抱きしめていた。密着しながらも翔太の片手は詩織の胸を揉んでいる。
もう片方の手は詩織の後頭部を抑え、そしてキスをしていた。お互い舌を出し切るまで出して、擦り合わせるみたいにベロチューをしている。そして何より、明らかに詩織は自ら腰を振っていた。
そんな状態で俺を見た詩織と翔太は対照的な反応を示す。翔太はなぜかニヤニヤしていた。詩織は「や、やだっ」と泣きそうな顔をしながら、翔太の胸を押して、そして二人は離れた。「なんだよー。いいじゃん続きしようぜ」と言う翔太。詩織は『やだやだやだやだ!・・・・・・やだっ!』と凄い剣幕でそれを拒否してシーツにくるまった。
詩織曰く『このプレイに参加しているのは、夫の拓海を愛しているからこそである。そんな拓海の前で蕩けきった裸身をさらけ出すなんて出来ない。例え、拓海が「見せてほしい」と頼んだとしてもです。』
翔太は苦笑いでそれを眺めながら「じゃ、俺また下に戻るわ」とその場で立ち上がった。俺に対して「終わったら教えて」「シャワー借りるな」などと言い残した。
俺が「お、おう」と返事をすると、シーツにくるまって白団子みたいになっている詩織をぽんぽん、と叩いて、翔太は「また後でな」と言って寝室を出ていった。
俺は、まださっきの光景のショックで呆然としていた。ようやく我に返ると反動ですごい興奮に襲わ
れる。目の前にいる大好きな女とセックスをしたくて仕方なかった。
“はぁはぁ”言いながら俺は「詩織!詩織!」と迫った。シーツを剥ぎ取ると、詩織も手を伸ばして俺を必死に抱き寄せてくる。二人は倒れこみながら、お互いの爪が食い込む程の勢いで抱き合いながら必死でキスをし合った。それでそのままの流れで挿入をした。
その時に驚く発見があった。今までも翔太とした後は俺としていたのだけど、詩織がシャワーを浴び直したり、少し喋ったりもして翔太とセックスをした後と俺がするまでの時間は多少はあった。今回みたいな、本当の意味での直後は初めてだったのだが、明らかに詩織の膣が、ゆるくなっている気がする。
俺が挿れて動いても、いつもみたいに纏(まと)わりついてくる感覚が全然無い。生で挿れているのに、詩織の気持ちよさを感じることが出来なくて、それが逆にすごく興奮材料になり、俺はすぐに射精をしてしまった。多分30秒も経たなかったと思う。
俺が「あ、う・・・ごめん」と謝る。詩織も興奮からの荒い息遣いではぁはぁ言いながら、『う、ううん・・・ありがとう。』と何故か俺にお礼を言ってきた。射精をしきったちんこは詩織の中で萎えていったのだけど、それでも俺の性欲が収まらない。
肉欲っていうのじゃなくて、ただひたすら詩織が愛おしいって感じの性欲で、ずっと詩織と繋がっていたくて、しばらくそのままでいた。1分くらいそのまま繋がっていた。そろそろ離れたほうがいいかなって思って腰を引いたら詩織のほうから優しく両腕で、俺の背中をぎゅっとしてきた。
『まだ・・・もう少し』って囁(ささや)いてきた。そして繋がったままキスを繰り返す。俺が「ごめん。早かったね」って笑うと詩織も首を横にふるふる振りながら笑いながら、『たっくんが欲しかったから、嬉しい・・・やばい・・・本当嬉しい。』と言った。
その後は何度も俺が離れようとする度に、詩織が『ま~だ~』と甘える口調で言ってきて離してくれ
なかった。結局は何分間もそのままでキスをし合っていた。
その後でようやく詩織が俺を解放してくれる。それから二人並んで寝そべって俺が無言で詩織の頭を撫でたりしていたら、詩織から耳とか鼻を甘噛みしてきたりすごくラブラブな時間を過ごした。
そのときに俺が「・・・見られるのは駄目か?」って言ったら詩織が『・・・うん。やっぱり恥ずかしい。』って寂しそうに呟いた。仕方なく俺だけベッドから立ち上がって寝室から出ようとしてドアノブに手をかけて振り返ると詩織はベッドに寝そべってシーツから顔だけ出して俺を見ていた。
“ふっ”、と微笑むと両手を俺に向けて突き出しながら、『・・・ちゅう』って子供みたいな声で言ってくる。その仕草があまりに可愛くて俺は足早に詩織の許に戻ってキスをした。それで何度かキスをして、名残惜しかったけどまた寝室を出ようとすると俺の足を指で突いてきた。
『・・・また後で、しようね?』と詩織。
「ああ」って俺が答えると
『いっぱい、いっぱい、だよ?』って、言ってきたので、そこでまた俺は戻って詩織にキスをした。
寝室を出てリビングルームに行くと翔太が俺の方見て「お!終わった?」と聞いてきた。
「ああ」と俺がこたえる。翔太が「んじゃ。ごちになってきます」と俺に頭を下げて、階段を上がって行く。それを見送って、リビングルームで休憩をした。
12-②
俺は詩織に手を引っ張られながら翔太に振り返って、「じゃあ後でな」と言うと、翔太は「うーい」と既に足を崩してTVを付けている。
寝室に入ると詩織は速攻で部屋の鍵をかけて、「むふふ」って感じで笑いながら俺の首に腕を回して背伸びしてキスをしてきたのでそのままセックスに突入した。
ただ、あんまり激しくすると結構音が下にも漏れるの俺は知っているから、いつもよりさらにゆっくりと、優しく抱いた。詩織は少し焦れったかったのか、正常位の時に下から腰を自分から押し付けてきた。
そんな中、突然ガチャガチャとドアノブを回す音がした。いつの間に翔太が2階に来たのかやはり全
然わからなかった。翔太の「え~、なんだよ~鍵かけるなよ」と悔しがる声がする。「仲間はずれ反対!」
と叫ぶ翔太。
詩織は“してやったり”、って感じでにんまりした。『ほっとこ。ね?』と言って、正常位で繋がりながらキスを要求する。暫くすると諦めたのか、翔太が戻っていったようで静かになった。それから更に1分くらいして、少しずつ二人とも絶頂に盛り上がってきたところに突然階下の家電(固定電話)が鳴った。
その時21時近くだったから俺は少し驚いた。夜の電話はいい気がしないのだ。詩織と顔を一瞬見合わせて〔仕方ないな・・・〕って無言で意思疎を通して、セックスを中断して俺が電話を取りに行った。
(一応、寝室の電話に転送は可能だがこの日は切り替えてなかった。)
リビングルームに行くと翔太はソファにくつろぎながらTVを観ている。「電話鳴ってんぞー」「ああ」受話器を取ると無言電話だった。気味悪いと思ったら後ろからくすくすと笑い声がする。
翔太がスマートフォンを片手で上げてニヤニヤしている。「お前かよ~」翔太が、「わりい。なんか我慢できなくて」「お前そんなにしたいのか?」「もう、めちゃくちゃしたい」と翔太は懇願する。
俺は呆れながらも、中断させられて少し萎えていたので、「それじゃ行って来いよ」と順番を翔太に譲る。翔太が「了解。詩織ちゃんには適当に嘘ついとくな」と浮き浮きした様子で、それでも忍び足で階段を上がっていく。俺は例の真下の部屋に移動する。
俺が部屋に入ると同時くらいに上からガチャ、と寝室の扉が開く音がした。最初俺だと思った詩織が『あ、どうだった・・・って・・・うわ!』と驚く。翔太は「うわっーて何だよ!うわっーて」
『ちょっと何?出てってよ。』と詩織が抗議。
「まぁまぁまぁ」
『まぁまぁじゃなくて。』
「拓海ちょっと電話長くなりそうだったからさ」と翔太は適当に嘘をつく。
詩織が『電話は誰?』
「拓海のとこの○○課長だったよ」と重ねての嘘
『○○課長?』
「なんか発注がどうとか。結構時間かかりそうな感じだった」
『ふーん』
「憶えてる?○○課長」
『おぼろげ』
「ま、そんなわけでさ。詩織が寂しい思いをしてるだろうなって思って。」
詩織は『はいそこ、勝手に座らない。』とくすくす笑う。
「いやでも、かなり真剣っぽかったからマジで長くなりそうだった」と翔太
『そうなんだ?まぁこんな時間に電話してくるくらいだしね。』
「そうそう」
『・・・ふーん』
無言になる二人。不思議だけど部屋の前よりも、この真下の部屋のが何故かよく聞こえる気がする。無言のまま、“ちゅっ、ちゅっ”とキスの音がはっきり聞こえてきた。『あん、だーめ。やーだ』と詩織。でも同時に“ちゅっ、ちゅっ”って音がする。翔太が「大丈夫だよ時間かかるって」と言う。
『・・・えー・・・』そのあとしばらくごそごそした音と『・・・ん』と詩織の吐息
「拓海はもういったん?」
『まだ・・・だけど・・・ん、やぁ・・・ん』
「詩織は?」
『あっ、ん・・・し、しらない・・・』
その後くちゅくちゅと手マンっぽい感じの音がした。
「すげ~なんかめっちゃ濡れてるじゃん」
『あっ、あっ・・・たっくんが、上手だから・・・あっ、んっ』
“くちゅくちゅ”って音が一気激しくなった。
『あっ!あっ!あっ!・・・あっだめっ!・・・はっ、あぁっ!』って詩織がはっきり喘ぎだす。その声が止むと、詩織のはぁはぁ息を荒げる。詩織は掠れた声で『・ねぇ・・・翔』と甘えるような声を出す。
「んー?」
『・・・ほ、ほしい・・・』
「うん」
ぎっ、ぎっ、とベッドの上を移動するような音。10秒くらい無音の間が空いた。多分その時に翔太がコンドームを着けていたのだと思う。
詩織が『ほ、本当に時間掛かりそうだった?』と翔太に尋ねた。
「結構真剣に話し込んでいたからな」
『たっくんが来たら、絶対やめてね。』
「あいあい」
『絶対、だよ・・・ちゃんと階段の音を聞いていてね。』
「わかったって」
また、ぎっ、ぎっ、とベッドの上を移動する音。
『・・・口でしなくて、いいの?』
「あー・・・とりあえず挿れたい」
『ん・・・あっ・・・・・・やだ・・・おっ、きぃ・・・』天井がぎしぎしぎし、と軋み出した。
「おっきい?」
『太い・・・んだって、もう・・・・・・あっ、あっ、あっ、あっ』
すぐにぎしぎし軋む音がより一層激しくなった
『あん!あんっ!あんっ!あっ、だめ!いいっ!いいっ!ああっ!
もう・・・!あっ!いくっ・・・いくっ!いくっ!あっ、だめいくっ!!!』
挿入してすぐだった。(1分も経ってなかったと思う)俺とのセックスが中途半端ってのもあったと
思う。なんだか俺が二人のお膳立てをしたみたいで癪(しゃく)にさわるとこもあったけどちんこは痛いほど勃起してきたので、我慢が出来ずに部屋を出た。その際に聞こえてきた会話。
「詩織・・・掴(つか)んで・・・そう。気持ち良い?」
『きも・・・ちいいぃ』
階段を一歩上がるたびに、ベッドのぎしぎし軋む音と詩織が喘ぐ声が明確に聞こえてくる。
俺はその度に泣きそうになるくらい心臓がドキドキした。寝室の前までくると、さっきまでとは違う
リズムでベッドが軋んでいる。『あぁっ!んっ、はぁっ!・・・あぁっ!いいっ、あっ、いいっ!!!』
詩織の蕩(とろ)けきった声もはっきりと聞こえる。
俺はそれに気付かない振りをして、一気に寝室に入った。(電話が終わって、何気なく戻った感じを装う)二人がセックスをしている姿を見るのはこれが2度目だけど、やっぱりその光景だけで射精しそうなくらいの衝動がきた。
興奮とかそういうレベルじゃなくて、銃で撃たれるとかナイフで刺されると言った方が近いかも(実際には経験がないけれど)。本当死にそうなくらい心が痛くて苦しかった。でも何故かちんこだけが心とは別の意識持っているみたいにガッチガチになる。
詩織と翔太は対面座位で繋がっていた。詩織の両手足は翔太の身体をがっちりとホールドしている。
両足で翔太の腰を、ぎゅっと捕まえながら、両手は翔太の首を抱きしめていた。密着しながらも翔太の片手は詩織の胸を揉んでいる。
もう片方の手は詩織の後頭部を抑え、そしてキスをしていた。お互い舌を出し切るまで出して、擦り合わせるみたいにベロチューをしている。そして何より、明らかに詩織は自ら腰を振っていた。
そんな状態で俺を見た詩織と翔太は対照的な反応を示す。翔太はなぜかニヤニヤしていた。詩織は「や、やだっ」と泣きそうな顔をしながら、翔太の胸を押して、そして二人は離れた。「なんだよー。いいじゃん続きしようぜ」と言う翔太。詩織は『やだやだやだやだ!・・・・・・やだっ!』と凄い剣幕でそれを拒否してシーツにくるまった。
詩織曰く『このプレイに参加しているのは、夫の拓海を愛しているからこそである。そんな拓海の前で蕩けきった裸身をさらけ出すなんて出来ない。例え、拓海が「見せてほしい」と頼んだとしてもです。』
翔太は苦笑いでそれを眺めながら「じゃ、俺また下に戻るわ」とその場で立ち上がった。俺に対して「終わったら教えて」「シャワー借りるな」などと言い残した。
俺が「お、おう」と返事をすると、シーツにくるまって白団子みたいになっている詩織をぽんぽん、と叩いて、翔太は「また後でな」と言って寝室を出ていった。
俺は、まださっきの光景のショックで呆然としていた。ようやく我に返ると反動ですごい興奮に襲わ
れる。目の前にいる大好きな女とセックスをしたくて仕方なかった。
“はぁはぁ”言いながら俺は「詩織!詩織!」と迫った。シーツを剥ぎ取ると、詩織も手を伸ばして俺を必死に抱き寄せてくる。二人は倒れこみながら、お互いの爪が食い込む程の勢いで抱き合いながら必死でキスをし合った。それでそのままの流れで挿入をした。
その時に驚く発見があった。今までも翔太とした後は俺としていたのだけど、詩織がシャワーを浴び直したり、少し喋ったりもして翔太とセックスをした後と俺がするまでの時間は多少はあった。今回みたいな、本当の意味での直後は初めてだったのだが、明らかに詩織の膣が、ゆるくなっている気がする。
俺が挿れて動いても、いつもみたいに纏(まと)わりついてくる感覚が全然無い。生で挿れているのに、詩織の気持ちよさを感じることが出来なくて、それが逆にすごく興奮材料になり、俺はすぐに射精をしてしまった。多分30秒も経たなかったと思う。
俺が「あ、う・・・ごめん」と謝る。詩織も興奮からの荒い息遣いではぁはぁ言いながら、『う、ううん・・・ありがとう。』と何故か俺にお礼を言ってきた。射精をしきったちんこは詩織の中で萎えていったのだけど、それでも俺の性欲が収まらない。
肉欲っていうのじゃなくて、ただひたすら詩織が愛おしいって感じの性欲で、ずっと詩織と繋がっていたくて、しばらくそのままでいた。1分くらいそのまま繋がっていた。そろそろ離れたほうがいいかなって思って腰を引いたら詩織のほうから優しく両腕で、俺の背中をぎゅっとしてきた。
『まだ・・・もう少し』って囁(ささや)いてきた。そして繋がったままキスを繰り返す。俺が「ごめん。早かったね」って笑うと詩織も首を横にふるふる振りながら笑いながら、『たっくんが欲しかったから、嬉しい・・・やばい・・・本当嬉しい。』と言った。
その後は何度も俺が離れようとする度に、詩織が『ま~だ~』と甘える口調で言ってきて離してくれ
なかった。結局は何分間もそのままでキスをし合っていた。
その後でようやく詩織が俺を解放してくれる。それから二人並んで寝そべって俺が無言で詩織の頭を撫でたりしていたら、詩織から耳とか鼻を甘噛みしてきたりすごくラブラブな時間を過ごした。
そのときに俺が「・・・見られるのは駄目か?」って言ったら詩織が『・・・うん。やっぱり恥ずかしい。』って寂しそうに呟いた。仕方なく俺だけベッドから立ち上がって寝室から出ようとしてドアノブに手をかけて振り返ると詩織はベッドに寝そべってシーツから顔だけ出して俺を見ていた。
“ふっ”、と微笑むと両手を俺に向けて突き出しながら、『・・・ちゅう』って子供みたいな声で言ってくる。その仕草があまりに可愛くて俺は足早に詩織の許に戻ってキスをした。それで何度かキスをして、名残惜しかったけどまた寝室を出ようとすると俺の足を指で突いてきた。
『・・・また後で、しようね?』と詩織。
「ああ」って俺が答えると
『いっぱい、いっぱい、だよ?』って、言ってきたので、そこでまた俺は戻って詩織にキスをした。
寝室を出てリビングルームに行くと翔太が俺の方見て「お!終わった?」と聞いてきた。
「ああ」と俺がこたえる。翔太が「んじゃ。ごちになってきます」と俺に頭を下げて、階段を上がって行く。それを見送って、リビングルームで休憩をした。
12-②
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