長G〖救いの手を〗第5回
長G〖救いの手を〗第5回
「ハァ…ハァ… はい高坂(こうさか)です…。」
すると受話器の向こうから妻の彩矢(あや)の声。
『どうしたの?何だか息が荒いわよ… 』
私はまるで妻に【寝室を家捜ししていた行為】を見透かされでもしたのではないか…そんな錯覚に陥ってしまっていました。
受話器の向こう側の彩矢に
「いやなんでもない。ど、どうした? 何かあったのか?」
『何かあるから電話したんじゃない。携帯鳴らしても出ないから、お家の電話に掛けたんじゃないの…。』
「す、スマンな…トイレに…トイレに入っていた…腹具合が悪くて…。」
私は焦りと後ろめたさから明らかに挙動不審な中年男でした。
『大丈夫なの?お薬飲んで休んでいてね。あと2時間ぐらいで帰るから何か要る物あれば買って帰るわよ。』
「そ、そうか…特に何もいらないよ。それより気をつけて帰っておいで…。』
『分かったわ。おとなしく休んでいてくださいね。』
私は心臓の激しい鼓動に押し潰されそうになりながら電話を切りました。リビングのソファに体を沈め、気持ちを落ち着けようと煙草に火を着けて、ゆっくりと煙を吸い込みました。
煙草1本吸い終わり、落ち着いてきた私はこの僅か数10分の中での出来事を思い返していました。そして、おもむろに立ち上がりバスルームにある洗濯機の中を確認します。洗濯機の中には、この一週間の汚れ物で溢れていました。
一つ一つ、中にある汚れ物を確認すると、彩矢の下着やストッキングの入った洗濯ネットが出て来ました。中を確認すると白色や、薄いピンク色、ベージュ色のブラジャーとショーツ、肌色のストッキングが数枚入っています。こちらには、あの妻の寝室に隠されていたようなエロチックな下着はありませんでした。
私は全てのショーツの汚れ具合もチェックして見ました。そして匂いまでも。しかしそれらのショーツには薄く縦に黄色みがかった白乳色の染みが付着しているだけです。匂いもあの寝室に隠されていたショーツに染み付いていた牝の発情臭などでは無く、私の知りうる彩矢の匂いでした。
【一体あの下着は何なんだ…。彩矢はいつあの下着を身に着けていたのだ? 何の為に?】
考えれば考える程、疑念が膨らみ困惑が広がります。 妻の彩矢があの下着を身に着けて、牝のフェロモン臭を発しながら、どこかで誰かとセックスをしている? 目を反らしてはならない現実が私に襲い掛かり、不安とジェラシーが全身を覆い尽くしていました。
2015/03/03
「ハァ…ハァ… はい高坂(こうさか)です…。」
すると受話器の向こうから妻の彩矢(あや)の声。
『どうしたの?何だか息が荒いわよ… 』
私はまるで妻に【寝室を家捜ししていた行為】を見透かされでもしたのではないか…そんな錯覚に陥ってしまっていました。
受話器の向こう側の彩矢に
「いやなんでもない。ど、どうした? 何かあったのか?」
『何かあるから電話したんじゃない。携帯鳴らしても出ないから、お家の電話に掛けたんじゃないの…。』
「す、スマンな…トイレに…トイレに入っていた…腹具合が悪くて…。」
私は焦りと後ろめたさから明らかに挙動不審な中年男でした。
『大丈夫なの?お薬飲んで休んでいてね。あと2時間ぐらいで帰るから何か要る物あれば買って帰るわよ。』
「そ、そうか…特に何もいらないよ。それより気をつけて帰っておいで…。』
『分かったわ。おとなしく休んでいてくださいね。』
私は心臓の激しい鼓動に押し潰されそうになりながら電話を切りました。リビングのソファに体を沈め、気持ちを落ち着けようと煙草に火を着けて、ゆっくりと煙を吸い込みました。
煙草1本吸い終わり、落ち着いてきた私はこの僅か数10分の中での出来事を思い返していました。そして、おもむろに立ち上がりバスルームにある洗濯機の中を確認します。洗濯機の中には、この一週間の汚れ物で溢れていました。
一つ一つ、中にある汚れ物を確認すると、彩矢の下着やストッキングの入った洗濯ネットが出て来ました。中を確認すると白色や、薄いピンク色、ベージュ色のブラジャーとショーツ、肌色のストッキングが数枚入っています。こちらには、あの妻の寝室に隠されていたようなエロチックな下着はありませんでした。
私は全てのショーツの汚れ具合もチェックして見ました。そして匂いまでも。しかしそれらのショーツには薄く縦に黄色みがかった白乳色の染みが付着しているだけです。匂いもあの寝室に隠されていたショーツに染み付いていた牝の発情臭などでは無く、私の知りうる彩矢の匂いでした。
【一体あの下着は何なんだ…。彩矢はいつあの下着を身に着けていたのだ? 何の為に?】
考えれば考える程、疑念が膨らみ困惑が広がります。 妻の彩矢があの下着を身に着けて、牝のフェロモン臭を発しながら、どこかで誰かとセックスをしている? 目を反らしてはならない現実が私に襲い掛かり、不安とジェラシーが全身を覆い尽くしていました。
2015/03/03
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