『10年目の愛』 VOL5
名D『10年目の愛』 VOL5
(妻が美容院へ行った)その日も夕食が終わると、私と英樹君は旅行の話をし、愛はいつものように後片付けをしています。
〔この湖へ一度行ってみたいと思っていたんですよ。〕って彼が言う。
「そうだね、天気がいい日は富士山が見えてきれいなんだよ。ここからだったら日帰りでも行けるし、今度行ったらいいよ。温泉もあるし。」
〔へえ~、そうなんですか。行きたいな~。〕
いつもは、もう2階に上がってしまう英樹君がまだ私と話をしていた。その時、愛が片付けを終え、仕事部屋にコーヒーをもって来てくれた。
〔もうこんな時間か。でも俺、明日休みなんですよ。その代わり日曜日に出勤なんですけどね。そうだ、“愛”、一緒に浴室に入ろうか。まだ二人だけで入ったことがなかったし。〕
英樹君の言葉に私は驚く。妻の愛を呼び捨てにし、なんと私の前で愛を浴室に誘っているのです。その驚きは愛も同じでした。
『えっ、で、でも・・。』と愛は口ごもり、じっと私を見ています。〔いいですよね?俺たち夫婦なんだし・・。〕その問いかけに「あっ、ああ、いいよ。当然じゃないか。」って私
の口からとっさにそんな言葉が出てしまったんです。〔ほら古沢さんも「いいよ。」と言ってくれたし、愛、行こうか?〕そう言って、英樹君は強引に愛の手を引き連れて行ってしまいました。私はあっけにとられ、ただただ二人の行方を見ているだけです。
廊下の突き当たりの浴室から二人の会話が聞こえてくる。
〔愛の肌ってこんなに白いんだ。それにすべすべだし。〕との英樹君の声。
『いやん、そんなとこ触ったら・・。』愛の甘えた声。
〔触ったらどうなるの?愛のおっぱいって、いつ触っても気持ちいいね。〕
『もぅ英樹くんのばか、そんなに大きな声を出したら・・祐一さんに・・。』
〔いいじゃないか聴かれても、俺たち夫婦なんだから・・ほら、俺のここ、もうこんなに固く大きくなってきた。なあなあ、愛、すこしだけ咥えてくれよ。俺もう我慢できないよ。〕
『ええ~っ、ここで?英樹くんったら、もう仕方ないんだから、少しだけよ。』
私はパソコンを開き、画面を見つめながら耳だけはダンボのように二人の会話を聞いている。手は拳を作り、小刻みに震えている。そして、やり場のない嫉妬で、何も感じない足を拳が叩いていた。
愛と英樹君が初めて一緒に浴室に入ったその日の晩も、二人は2階でいちゃついていた。
『英樹くん、早くそっちのシーツの端引っ張ってよ。もう、ふざけないで。早くしないと英樹くんの布団、敷いて上げないよ。』
〔いいよ、どうせ愛の布団で寝るんだし。俺の布団、敷かなくてもいいさ。〕
『でも・・この布団小さいし・・英樹は寝相悪いんだもん。』
〔だったら、俺、愛にできるだけくっ付いて寝るよ。愛もそのほうがいいだろう。それより早く寝ようよ。そんなパジャマ早く脱いでさ。〕
『もう、だめだったら、自分で脱ぐから。』
〔何言っているの?俺の楽しみを奪うなよ。俺は毎晩こうして愛のパジャマを脱がすのが楽しみで仕事しているんだから。〕
『そんなこと、恥ずかしいじゃない。だったら私も英樹くんのパンツ脱がしちゃお。』
〔いいよ。愛も早く俺のちんちんを咥えたいんだ。〕
『もう~、英樹くんの意地悪。』
二人の会話がもう階段の下ではなく、私の仕事部屋でも聞こえてきた。
この数日間、二人のそんな仕草や会話が気になり仕事が進んでいない。そして、「このプレゼントが失敗だったのではないか?」と私を苦しめている。愛は確かに明るくなり、きれいになり、女らしく色気も出てきた。しかし、「このままで愛は私の元に帰ってくるのだろうか?」、そんな疑問さえ頭をかすめた。〖結婚10周年のプレゼント〗、それはこんな形ではなく、“スイートテンの指輪”でも良かったのではと思い悩んだ。「英樹君に帰ってもらおうか?」と何度頭の中で繰り返したか分からない。
2014/10/31
(妻が美容院へ行った)その日も夕食が終わると、私と英樹君は旅行の話をし、愛はいつものように後片付けをしています。
〔この湖へ一度行ってみたいと思っていたんですよ。〕って彼が言う。
「そうだね、天気がいい日は富士山が見えてきれいなんだよ。ここからだったら日帰りでも行けるし、今度行ったらいいよ。温泉もあるし。」
〔へえ~、そうなんですか。行きたいな~。〕
いつもは、もう2階に上がってしまう英樹君がまだ私と話をしていた。その時、愛が片付けを終え、仕事部屋にコーヒーをもって来てくれた。
〔もうこんな時間か。でも俺、明日休みなんですよ。その代わり日曜日に出勤なんですけどね。そうだ、“愛”、一緒に浴室に入ろうか。まだ二人だけで入ったことがなかったし。〕
英樹君の言葉に私は驚く。妻の愛を呼び捨てにし、なんと私の前で愛を浴室に誘っているのです。その驚きは愛も同じでした。
『えっ、で、でも・・。』と愛は口ごもり、じっと私を見ています。〔いいですよね?俺たち夫婦なんだし・・。〕その問いかけに「あっ、ああ、いいよ。当然じゃないか。」って私
の口からとっさにそんな言葉が出てしまったんです。〔ほら古沢さんも「いいよ。」と言ってくれたし、愛、行こうか?〕そう言って、英樹君は強引に愛の手を引き連れて行ってしまいました。私はあっけにとられ、ただただ二人の行方を見ているだけです。
廊下の突き当たりの浴室から二人の会話が聞こえてくる。
〔愛の肌ってこんなに白いんだ。それにすべすべだし。〕との英樹君の声。
『いやん、そんなとこ触ったら・・。』愛の甘えた声。
〔触ったらどうなるの?愛のおっぱいって、いつ触っても気持ちいいね。〕
『もぅ英樹くんのばか、そんなに大きな声を出したら・・祐一さんに・・。』
〔いいじゃないか聴かれても、俺たち夫婦なんだから・・ほら、俺のここ、もうこんなに固く大きくなってきた。なあなあ、愛、すこしだけ咥えてくれよ。俺もう我慢できないよ。〕
『ええ~っ、ここで?英樹くんったら、もう仕方ないんだから、少しだけよ。』
私はパソコンを開き、画面を見つめながら耳だけはダンボのように二人の会話を聞いている。手は拳を作り、小刻みに震えている。そして、やり場のない嫉妬で、何も感じない足を拳が叩いていた。
愛と英樹君が初めて一緒に浴室に入ったその日の晩も、二人は2階でいちゃついていた。
『英樹くん、早くそっちのシーツの端引っ張ってよ。もう、ふざけないで。早くしないと英樹くんの布団、敷いて上げないよ。』
〔いいよ、どうせ愛の布団で寝るんだし。俺の布団、敷かなくてもいいさ。〕
『でも・・この布団小さいし・・英樹は寝相悪いんだもん。』
〔だったら、俺、愛にできるだけくっ付いて寝るよ。愛もそのほうがいいだろう。それより早く寝ようよ。そんなパジャマ早く脱いでさ。〕
『もう、だめだったら、自分で脱ぐから。』
〔何言っているの?俺の楽しみを奪うなよ。俺は毎晩こうして愛のパジャマを脱がすのが楽しみで仕事しているんだから。〕
『そんなこと、恥ずかしいじゃない。だったら私も英樹くんのパンツ脱がしちゃお。』
〔いいよ。愛も早く俺のちんちんを咥えたいんだ。〕
『もう~、英樹くんの意地悪。』
二人の会話がもう階段の下ではなく、私の仕事部屋でも聞こえてきた。
この数日間、二人のそんな仕草や会話が気になり仕事が進んでいない。そして、「このプレゼントが失敗だったのではないか?」と私を苦しめている。愛は確かに明るくなり、きれいになり、女らしく色気も出てきた。しかし、「このままで愛は私の元に帰ってくるのだろうか?」、そんな疑問さえ頭をかすめた。〖結婚10周年のプレゼント〗、それはこんな形ではなく、“スイートテンの指輪”でも良かったのではと思い悩んだ。「英樹君に帰ってもらおうか?」と何度頭の中で繰り返したか分からない。
2014/10/31
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